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更新時期でもないのに契約解除の通知が突然届いた 元暴力団がヤクザ稼業から足を洗っても住宅探しに苦労する事情

東京五輪・パラリンピックの選手村として使用されたあと分譲された「晴海フラッグ」(時事通信フォト)

東京五輪・パラリンピックの選手村として使用されたあと分譲された「晴海フラッグ」(時事通信フォト)

 警察や軍関係、暴力団組織などの内部事情に詳しい人物、通称・ブラックテリア氏が、関係者の証言から得た驚くべき真実を明かすシリーズ。今回は、暴力団員や元暴力団員の住宅事情について。

 * * *
 準暴力団「打越スペクター」の実質トップである斎藤竜実容疑者が、他人名義で偽の賃貸契約を結んだとして詐欺の疑いで逮捕された。斎藤容疑者が家族と住んでいたのは、2021年に開催された東京オリンピック・パラリンピックの選手村跡地のマンション群「晴海フラッグ」。超人気のこの物件、市場価格より安かったこともあり、販売時の抽選会には購入希望者が列をなし、最も人気だった部屋の倍率は241倍にもなったという。

 打越スペクターは、もとは八王子市打越町の不良を中心に結成された関東最大の暴走族グループで、関東連合と敵対関係にあったといわれる。警視庁では今年に入り、斎藤容疑者が実質トップのこのグループを暴走族OBらによる匿名・流動型犯罪グループ(トクリュウ)として、悪質なリフォームを行ったり、うその工事を持ち掛けるなどで金をだまし取った詐欺と詐欺未遂で逮捕していた。

 斎藤容疑者が住んでいたという一室の家賃はおよそ50万円、他人名義の偽情報で大手不動産会社と4年間の賃貸契約を結んでいたらしい。この事件では別の不動産会社の営業担当者、名義を貸した職業不詳の男性、偽書類を提出した斎藤容疑者の妻も逮捕されている。

契約解除の通知が突然届いた

「暴力団構成員も一発アウト」と語る元暴力団幹部D氏は、「オレは大丈夫。もうカタギだからね」と笑う。数十年、ヤクザ稼業を生業にしてきた幹部は、昨年、引退を決意して暴力団業界からすんなり身を引いた。現在、住んでいる部屋は他人名義。知人が借りた部屋に住んでいるが法的には違法だ。それでもヤクザの時とは事情が変わるという。「以前はネットで注文するに友人知人に頼み、宅配便で送ってもらうにも知人の名義。住んでいるのがヤクザだとバレないように生活していたが、今は表札にある○○様方で自分の名前で注文できる。まぁ、振込みに行くのが面倒だからやらないけどね」という。

 以前現役時代に、住んでいた部屋も知人名義で借りていた。「バレないよう気をつけていたが、ある日、更新時期でもないのに、賃貸契約を仲介した不動産会社から契約解除の通知が突然届いた。その頃は事件に関わるような仕事はしていなかったから、なぜ通知が届いたのかわからない。解除の理由を不動産会社に問い合わせてもらおうと思ったが、その前に昔、自分の詐欺事件を担当した元刑事に電話をした」(D氏)。

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