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《追悼・長嶋茂雄さん》週刊ポストが1年前に託された最後のメッセージ「私の人生は野球に始まり、これからも常に野球とともにあります」

週刊ポストの名物企画でもあった「ONK座談会」(撮影/山崎力夫)

週刊ポストの名物企画でもあった「ONK座談会」(撮影/山崎力夫)

 戦後、この国を明るく彩り、人々の活力と元気を滾らせた国民的ヒーローとの永遠の別れを、列島中が悲しんでいる。

「ミスター」の呼び名が示すとおり、「長嶋茂雄という存在」そのものが日本人の希望であり、誇りだった。誰もが高揚した昭和の高度経済成長期において、ミスターは紛れもなくそのシンボルだった。

 六大学野球のスターから1958年に巨人に入団すると、野性的な動きと勝負強いバッティングで一躍スターとなり、1959年の天覧試合でのサヨナラホームランで鮮烈な印象を残した。1965~73年の巨人の9年連続日本一はまさに「不滅の記録」として球史に燦然と輝いている。子供たちの憧れの存在となって、街の銭湯の下駄箱は「3」から埋まっていった。

 時代が平成、令和に移り、この国が停滞期を迎えても、ミスターの笑顔を見て、その声を聞くと、「まだまだ俺たちには明るい未来が待っているはずだ」と前向きな気持ちになれた。輝かしい実績だけでなく、ユーモア溢れる人柄があってのことだろう。年齢を重ねてからは何度も病に倒れながら、そのたびに驚異的な回復を遂げてファンの前に元気な姿を見せ、多くの人が励まされた。

 本誌・週刊ポストもまた、「長嶋茂雄という存在」に助けられ、勇気づけられてきた。

 V9巨人の中心にいた現役時代から、2度の監督時代、そしてユニフォームを脱いでからも、ミスターは本誌取材に正直すぎるほどの本音を語り、カメラに笑顔を向けてくれた。球場でもキャンプ地でもプライベートの場面でも、あるいは懸命の闘病中であっても、ミスターの声はいつも明るさに溢れていた。

 特に選手時代からのチームメイトであり、ライバルとしても鎬を削ってきた王貞治氏、金田正一氏との「ONK対談」の場においては、普段は見せることのない“素顔のミスター”がそこにいた。

 本誌だけに寄せられた最後のメッセージもあった。

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