映画『八日目の蝉』(2011)にて、新人俳優賞を受賞した渡邉このみさん
2011年公開の映画『八日目の蝉』にて、日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞し、子役として大ブレイクを果たした渡邉このみ(18)。しかし中学生になる直前に突然芸能活動を休止してしまう。
留学や起業など、「自分」のあり方を模索しながらも、渡邉は2023年になって少しずつ活動を再開。昨年は「Miss Teen International Japan」世界大会パンパシフィック代表となり、ソーシャルメディア・アワードを受賞するなど、個の光を放つ存在として再び歩き始めたところだ。
5月16日には、終戦80年の特別企画として制作された映画『80年後のあなたへ』に出演する。「子役」を経て脱皮した渡邉が、「今」を語る。【全3回の第3回。第1回から読む】
必ず「元子役」と言われるのがイヤだった
──経歴に「子役」がつきまとうことについて、どう思いますか。
元子役、と言われるのがイヤだった時期もあります。もう16歳なんですけど、みたいな(笑)。でもそれも自分の一部。私たる人物の紹介には、元子役でいろんな作品に出演していたという事実は、いちばんわかりやすいのは事実ですから、今はOKです。だって、やってきたことは変わらないので。
──ポジティブに捉えられるようになったということでしょうか。
うーん……もともと私、めっちゃ怖がりなんです。人も失敗もすべてが怖い。でも、自分で自分の苦しかった過去をネガティブな体験にしたくない。今、生きるなかで“光”を認識できるのは、痛みを知っているからだと思うようにしています。
──高卒認定試験を受験し、高卒資格を取得されました。学ぶことが好きなように感じますが、大学への進学は?
大学には行きたいという気持ちは強いのですが、今はまだ受験はしていません。今は大学進学に向けてじっくり考えるための時間として、「ギャップイヤー」を過ごしています。アルバイトをしながら社会経験を積んだり、自分の興味関心を深める勉強をしたりと、これまでできなかったことに挑戦している期間なんです。
日本は新卒採用文化が根強いので、高校を卒業したらそのまま大学受験という流れが一般的ですけど、私にとっては、「今じゃない」。まだ、「ここに行きたい!」と思えるような、自分に合う大学がみつかっていなくて。納得した人生を歩むためにも、ギャップイヤーでいろいろなものを見たり、勉強したりしておくのもいいかなと。