1996年の秋季キャンプ(撮影/山崎力夫)
金田:そうさ、絶対に外しちゃだめだよ。
長嶋:だから外さないと言っているじゃないの(笑)。
1999年春季キャンプではカネやんがグアムまで押しかけて直撃取材。2年連続V逸で窮地と囁かれていたが、ミスターは「カネさん、わざわざグアムまでバイアグラの買い付け?」と笑顔で取材に応じた。
2000年7月の札幌遠征では不振の清原不要論に真っ向から反論した。
金田:清原のスタメン起用にコーチ陣はみんな反対したんだって?
長嶋:仮にそうだとしても用兵についてのミスは、ボクが責任を取ればいいことですからね。そんなことを言わず黙って見守ってやりなさいよ。
* * *
結局、このシーズンはリーグ優勝。王ダイエーとの日本シリーズが実現した。シーズン中からやり取りを重ねた末に、年末の座談会でミスターが発したのが「ON対決は2度としたくない」という言葉だった。
いい時も悪い時も、率直に本音を語る。そして、天性の明るさを失わない。だからこそ、これだけ多くの人がミスターに魅せられてきたのだろう。
※週刊ポスト2025年6月20日号