スポーツ

【10万人に6例未満のがんと闘う甲子園のスター】絶望を支える妻の献身「私が治すから大丈夫」オリックス・森友哉、元阪神・西岡や岩田も応援

2013年大阪桐蔭の春夏甲子園出場に主力として貢献した福森大翔(本人提供)

2013年大阪桐蔭の春夏甲子園出場に主力として貢献した福森大翔(本人提供)

 高校野球の強豪校、大阪桐蔭高校野球部で2013年の春夏甲子園に出場。同級生のオリックス・森友哉(29)と主軸を担い、人気雑誌『週刊ベースボール 別冊春季号』(2013年2月)の表紙を飾るなど高校野球ファンの記憶に残っている福森大翔さん(29)は現在、「希少がん」と闘っている。

 立命館大学を卒業後、福森さんは大手ハウスメーカーに勤務しながら、週末は中学生のクラブチームでコーチを務めていた。

 2021年11月末、チームの卒団式に出席する最中で腹部に尋常ではない痛みが走る。救急車で搬送されると即入院。精密検査により胃の裏側、そして胃から十二指腸にかけて大きな腫瘍が2つ見つかり、医師からそれらの腫瘍が「希少がん」だと告げられる。

 年間発生数が人口10万人あたりに6例未満の悪性腫瘍を「希少がん」と言い、こともあろうか福森さんには2つの「希少がん」が同時に進行していたという。

 当時、26歳。若くしてがんを患ったと知れば、ショックも相当大きかったに違いない。ましてや「希少がん」だ。のちに医師から「5年の生存確率10%未満」と告げられた。

 診断から約4年が経過した今、福森さんは闘病中と思えないほど、明るく表情も豊かだ。福森さんに話を聞いた。

「桐蔭にいたからメンタルが鍛えられた部分はあるんですが、病気とスポーツとでは、向き合う際のメンタルは別物だと思います。

 スポーツで培ったものがあるから前向きになれている面もありますが、いちばんは人の支えがあって、前向きになれたんだと思います」

 最初の診断で「希少がん」と判明した時は、コロナ禍の真っ只中だった。面会不可のなか、両親は毎日“病室界隈”を訪れたという。エレベーターホールから病室までは10mほど。そこから顔を出して息子を笑顔で励ました。

「病室にいると気持ちがふさぎ込みますし、一人でずっといると勝手に涙が出てきたりだとか、このまま行くと死ぬんだろうな……とか、ネガティブな感情になることもありました。面会ができないなかで、両親が近くまで来てくれたり、友達からメッセージをたくさんいただいたことで、前向きになれた」

関連キーワード

関連記事

トピックス

公選法違反の疑いで刑事告訴され、書類送検された斎藤知事(左:時事通信フォト)と折田楓氏(右:本人SNS)
“公選法違反疑惑”「メルチュ」折田楓氏の名前が行政SNS事業から消えていた  広島市の担当者が明かした“入札のウラ側”《過去には5年連続コンペ落札》
NEWSポストセブン
コンサートでは歌唱当時の衣装、振り付けを再現
南野陽子デビュー40周年記念ツアー初日に密着 当時の衣装と振り付けを再現「初めて曲を聞いた当時の思い出を重ねながら見ていただけると嬉しいです」
週刊ポスト
”薬物密輸”の疑いで逮捕された君島かれん容疑者(本人SNSより)
《28歳ギャルダンサーに“ケタミン密輸”疑い》SNSフォロワー10万人超えの君島かれん容疑者が逮捕 吐露していた“過去の過ち”「ガンジャで捕まりたかったな…」
NEWSポストセブン
中居正広氏の近況は(時事通信フォト)
反論を続ける中居正広氏に“体調不良説” 関係者が「確認事項などで連絡してもなかなか反応が得られない」と明かす
週刊ポスト
スーパー「ライフ」製品が回収の騒動に発展(左は「ライフ」ホームページより、みぎはSNSより)
《全店舗で販売中止》「カビだらけで絶句…」スーパー「ライフ」自社ブランドのレトルトご飯「開封動画」が物議、本社が回答「念のため当該商品の販売を中止し、撤去いたしました」
NEWSポストセブン
「地面師たち」からの獄中手記をスクープ入手
「全てを話せば当然、有罪となっていたでしょう」不起訴になった大物地面師が55億円詐欺「積水ハウス事件」の裏側を告白 浮かび上がった“本当の黒幕”の存在
週刊ポスト
大谷と真美子さんを支える「絶対的味方」の存在とは
《大谷翔平が“帰宅報告”投稿》真美子さん「娘のベビーカーを押して夫の試合観戦」…愛娘を抱いて夫婦を見守る「絶対的な味方」の存在
NEWSポストセブン
「お笑い米軍基地」が挑んだ新作コント「シュウダン・ジケツ」(撮影/西野嘉憲)
沖縄のコント集団「お笑い米軍基地」が戦後80年で世に問うた新作コント「シュウダン・ジケツ」にかける思い 主宰・まーちゃんが語る「戦争にツッコミを入れないと」
NEWSポストセブン
令和最強のグラビア女王・えなこ
令和最強のグラビア女王・えなこ 「表紙掲載」と「次の目標」への思いを語る
NEWSポストセブン
“地中海の楽園”マルタで公務員がコカインを使用していたことが発覚した(右の写真はサンプルです)
公務員のコカイン動画が大炎上…ワーホリ解禁の“地中海の楽園”マルタで蔓延する「ドラッグ地獄」の実態「ハードドラッグも規制がゆるい」
NEWSポストセブン
『週刊ポスト』8月4日発売号で撮り下ろしグラビアに挑戦
渡邊渚さん、撮り下ろしグラビアに挑戦「撮られることにも慣れてきたような気がします」、今後は執筆業に注力「この夏は色んなことを体験して、これから書く文章にも活かしたいです」
週刊ポスト
強制送還のためニノイ・アキノ国際空港に移送された渡辺優樹、小島智信両容疑者を乗せて飛行機の下に向かう車両(2023年撮影、時事通信フォト)
【ルフィの一味は実は反目し合っていた】広域強盗事件の裁判で明かされた「本当の関係」 日本の実行役に報酬を支払わなかったとのエピソードも
NEWSポストセブン