帽子をとって謝罪する松岡昌宏(写真/共同通信社)
“解散への思い”を聞かれた松岡さんは、なんと報道陣に向かって2歩前進した。両足先はハの字に開かれ、つま先は報道陣の方に向いていた。足の動きで、「逃げることなくしっかり自分の口から語ろう」という気持ちの強さが伝わってくる。本当は話したくないと思っていれば、足先は報道陣の方には向かず、閉じられていたはずだ。
さらに2歩前に出たことでTOKIOを解散することに迷いがない、解散したくないという気持ちが彼の内にないことが見て取れる。彼はすでに区切りをつけ、前を向いていた。その仕草どおり、彼は「残念ではありますが」と前置きしたものの、「日本テレビさんの会見を見て、城島(茂)と松岡がこれ以上、TOKIOを名乗るわけにはいかない」ときっぱり言い切った。「未来永劫はないと思っていたが、このタイミングは意外」と上を向き遠い目をしたが、「またかTOKIO」という世間の反応に限界だと感じたと体を揺らし、左足のかかとを動かし足先を一瞬浮かせた。不祥事が続いてしまったことに、マイナス感情が強くなったのだろう。
国分さんのコンプライアンス違反については、質問したレポーターの方へ足踏みするように足を動かし、「何があったのか、守秘義務の観点から何も聞いていない」と述べた。内容を知っていて、それに対して怒りなどの感情が動けば足の動きに表れるはずだ。だが彼はその場で足踏みするようにレポーターに足先を向けただけだった。「自分もあまり口にしたくありませんが」というようにコンプライアンス違反という言葉にストレスを感じているが、その内容は本当に知らないのだろう。
国分さんの様子について聞かれても、その足は動かなかった。「猛省に猛省を重ね、奈落の底にいる」と語り、責任感が強いので彼が今、一番ここにいたいだろうとその心中を察して口にするが、「今彼がここにいても、何も言えることはない」と冷静さを失わない。解散という話を国分さんに伝えた時は、「”本当に申し訳ない”としかいえなかったですし、それしかリアクションできなかったんですね」と、2歩前に足を進めた。国分さんの現状は痛いほどわかるのだろう。だが電話で話した声は「聞いたことのない声だった」「猛省してほしい」といいながら、その足は動かない。現状に向き合い、各所への対応に追われる松岡さんは現実的で冷静だった。
1つだけ他と違っていたのが、この質問への仕草だ。「時間が経ってから、国分さんに何があったか聞きたいか」と問われると、上を見上げてかかとを上げ、2歩、かすかに足を引くように足踏みし、ハの字に開いていた足をさらに広げる。会見中、前進するかその場で足踏みをしていた彼の足が、この時だけわずかに後ろに下がったように見えた。質問への答えはNO、”それはしたくない”という気持ちの表れだろう。かかとやつま先を交互に上げて身体を揺らすと、「何があったかはもういいですかね、この形になってしまったので」と答えて、質問者に視線を向けた。
最後にもう一度、帽子を脱いで髪に手を添え、頭を下げた松岡さん。ハの字に開いていた足も、この時はぴたりと揃えられていた。モヤモヤが残るような会見が多い中で、終わってみればまれにみるお手本のような謝罪会見だった。