鶴保庸介氏の失言は和歌山選挙区の自民党候補・二階伸康氏にも逆風か
苦戦中の自民党に大打撃となったのが鶴保庸介・参院予算委員長(辞任)の「運がいいことに能登で地震があった」発言だ。
「あの発言で全国の1人区で当落線上にいる多くの自民候補が票を減らした。間違いなく戦犯だよ」(自民党選対スタッフ)
そのあおりをまともに受けたのが同じ和歌山選挙区の自民党候補・二階伸康氏だ。元幹事長の父・俊博氏の地盤を継いで出馬した昨年の総選挙では、裏金問題で離党した世耕弘成・前自民党参院幹事長に大差で敗れて落選。すぐに参院選に鞍替えして何がなんでも「二階王国」の復活を目指すが、その参院選でも世耕氏が推す無所属候補の望月良男・前有田市長と“保守分裂”の激戦を演じている。
「二階側近だった鶴保氏の発言は、地元・和歌山で伸康氏の票を大きく減らした。一方の望月氏は、いずれ自民入りするのは確実視されているとはいえ、今回、表向きは無所属として戦っているからダメージはない。
それどころか、世耕氏は二階一族のお膝元、御坊市内でマイクを握って鶴保発言を激しく批判した。世耕氏にとっては、いわば『二階一族を全滅させる戦い』で一族郎党、根こそぎ潰す戦国時代のような構図になっている」(和歌山の地方議員)
壮絶な内ゲバだが、苦戦の理由はそれだけではない。
石破首相が応援入りも会場はガラガラ
本誌・週刊ポストは昨年の総選挙後、伸康氏の選挙演説現場に不倫相手である銀座の会員制バーのママ・A子さんが姿を現わし、和歌山市内に伸康氏が所有するマンションにA子さんを宿泊させていたことなどを報じた(2024年12月27日号)。
「伸康さんは高校時代バスケ部のキャプテンでインターハイにも出た人気者。だから総選挙は同級生たちがお揃いのTシャツを着て応援したのに、あの女性問題が発覚してから姿を見なくなった。“自分たちが一生懸命汗を流して応援してる間に不倫なんかしてたのか”と愛想を尽かされたようです」(元支援者)
その後、伸康氏は離婚。本人は“ケジメをつけた”とA子さんとともに選挙を戦うつもりだったとの話もある。
「伸康さんは参院選前の後援会の集まりで、彼女と一緒に選挙を回りたいと言っていたそうです。しかし、後援会の面々から、支援者にまともなお詫びもしてないのに……と止められた。ボンボンなんですわ」(自民党和歌山県連関係者)
そうして“二階ブランド”が地に堕ちつつあるなか、選挙中盤には伸康氏を応援するため石破茂・首相が和歌山入り。父・俊博氏も元二階派のコバホークこと小林鷹之・代議士を連れて地元で街頭演説するなど「父の人脈」をフル動員して追い上げに懸命だが、石破氏が壇上にあがった演説会でも席はガラガラだった。果たして二階家の再興となるのか。