監督業は「楽しくて仕方がありませんでした(笑)」
「楽しくて仕方がありませんでした(笑)。たとえば、全体のスケジュールを組むために、監督はカット割り(脚本にそって、シーンごとに細かく撮影方法などを区分化すること)を事前に作り制作スタッフみなさんと共有するのですが、ロケハンした撮影場所を想像しながら、役者さんにこう立ってこう動いてもらって……と考えるのがとても楽しく、時間が経つのを忘れてしまうぐらいでした」
福田さんが目を輝かせながら続ける。
「現場では、初めての演出だったので拙いところがあったのではないか、と思います。カメラマンさんがフォローをしてくださり、小道具さんも、役者さんも、妥協のない仕事をしてくださいました。私は全部の部署をみながら、良い作品を作るために多くの問題や障壁を乗り越えていく、その作業がとても新鮮で楽しかったです」
『大人に恋はムズカシイ』公開後、視聴者から届く声も、福田さんには大きな喜びになっている。
「『ドラマの世界観が好きで何度も見ています』という声をいただき、とても嬉しいです。役者としてお芝居を作っているときも、『誰かの心に届きますように』と思いながら演じていますが、私のこだわりが詰まった作品が観た人の心に届いた、と思うと、本当に幸せな気持ちになりました。数字以上に言葉でダイレクトに伝えていただけたことは、私にとってありがたく、大きな財産となりました」
『大人に恋はムズカシイ』が好評だったことから、監督業のオファーが続く。YouTubeの10分ドラマ『東京彼氏』シリーズのショートドラマの監督を務め、この6月から『ミーハーすぎるバーテンダー』『あちらの方から』『幼なじみ』など5本が順次公開される予定だ。