アカウントを作り直して岡崎さんのInstagramを検索していたようだ
「あるとき、白井があの割れた窓ガラスに耳を当てて、電話をかけていたのをうちの姉が発見しているんです。『あんた、人の家でなにしてんの』って問い詰めたら白井は、『彩咲陽さんの居場所がわからないんです』と言っていたそう。ふつう、敷地に入ってそんなことをしますか。憶測ですが、あいつは電話して彩咲陽の声が自宅の何階から聞こえるのかを確認していたんじゃないかな……。
当日、窓ガラスを割ったのも、白井しか考えられないんです。他に誰がいるんですか。1階の部屋は普段、倉庫部屋にしていましたから、窓ガラスが割れているのを確認したのは翌日の夕方になってしまいました。でももう少し早く気づいていたら、また違っていたかもしれませんね……」(同前)
取材の最後には「とにかく警察には真実を明らかにして、彩咲陽や我々に謝罪をしてほしい」と漏らした。
再三の警察への相談があったにもかかわらず起こってしまった悲劇──。事件から約3か月経った今でも、親族や知人からは県警に対する“怒りの声”が止まない。
岡崎さんのアルバイト先の店長も「なぜ未然に防げなかったのか」と怒りを交えてこう吐露していた。
「警察に何度も相談しても、『事件性がない』とずっと逃げられてきました。昨年末なんか担当の警察官がお店にやって来て、『年末はみんな休みを取るから、人手が足りなくて手薄になります』って、わざわざそんなこと言ってきたんですよ。あれは職務放棄宣言みたいなものですよ。
その結果が今なんです。私たちからすれば警察に殺されたのも同然です。正直、白井に対しては彩咲陽がやられたのと同じことをやり返したいけど、法律で厳しく裁いてほしい。時間が経って、少しずつ真実が明るみに出てきているのは本当によかったと思います。今でも毎日のように、『あと少しの辛抱だからね、真実が明らかになって、白井に法の裁きが下されたら、安心して天国に行けるよ』ってあの子に伝えているんです。とにかく早く真相を知りたい。
彩咲陽はすごく甘えん坊だったから1人でいるのは寂しいだろうと思います。カラオケではよく片平里菜の『女の子は泣かない』を歌っていてね……。とにかく明るい女の子だった」
再逮捕の容疑である殺人罪でも起訴される場合、白井被告はストーカー規制法違反を含む4つの罪について法廷で争うことになる。今後、事件の一因となった“異常な執着心”について本人が語ることはあるのか──。
(了。前編から読む)