“タカ派のマドンナ”と呼ばれた杉田水脈氏
「もともとは安倍総理がやろうとしてきた政策」
安倍氏の存在に言及したのは佐藤氏だけではない。“タカ派のマドンナ”と呼ばれた杉田水脈氏もこう話した。
「安倍総理の遺志を継ぐのは自民じゃないとできないって選挙演説で言ってきたのですが、それが伝わらなかったので保守派が全員落ちたんでしょうね。自民党の終わりというより、日本の終わりなんです」
杉田氏はかつて国連で「慰安婦は性奴隷ではない」と題する集会を開いて注目され、安倍氏に見出された。月刊誌でLGBTを「子供を作らない、つまり『生産性』がない」と寄稿して批判を浴びる一方、岩盤保守に根強い支持があるとされてきたが、当選ラインに5万票以上届かなかった。
「今回の選挙で『杉田さんを応援してます。けど、自民党の票になって石破さんを擁護してしまうので入れることができません。参政党に入れます』という声を多く掛けられた。皆さん本当に自民党が嫌になっています」
離れていった自民支持層の受け皿になったとされる参政党だが、神谷宗幣代表とは長く交流があるという。
「神谷君とは15年くらいの付き合いです。同じ政経塾で日本の成り立ち、古事記であるとか大和ことば、武士道、佐藤一斎先生のお言葉、安岡正篤先生、吉田松陰先生の教えを学んだから、根本に同じところがあると思う。日本人ファーストもファッション的に言っているのではなく、日本という国を知れば知るほど日本人に生まれてきたことに誇りを持てる、というところが彼の出発点ではないかと思っています。
ただ、参政党が掲げている政策も国民民主が掲げている政策も、そもそもは自民党の政策だった。手取りを増やすとか。それは安倍総理がやろうとしてきた政策、自民党保守派が言ってきたこと」
そうした主張が今回、届かなかったことは、「石破さんがトップだとリベラルの党に見えてしまい、“ついていけない”と保守の有権者が離れていった」と総括する。