現場にはもみ合った形跡が残されていた(飲食店紹介サイトより。現在は削除済み)
事件前の“不可解行動”
「あのガールズバーの近くにうちの系列があるんですけど、容疑者が事件の3日前の21時くらいに、ツレの男と歩いていたっていうんですよ。駐車場に車を入れて、周りの様子を窺っていたっていうの。うちの店員は、はじめ『俺らの店に因縁でもあるのか』と思って、怖いから様子を見ていた。いま思い返すと、うちの系列店じゃなくてそのさらに奥にあるあのガールズバーを見ていたんじゃないかという話になってね……。寒気がしちゃった」
目的は不明だが、しばらくの間バーの周りをうろついていたという山下容疑者。この従業員がさらに続ける。
「ちなみに、その前の日も1人で街をうろついていたよ。俺がキャッチで声をかけたから間違いない。ヤツは目立つからさ、忘れないよ。見た目もニュースのまま、タトゥーにサングラス、キャップという感じでさ。『フィリピンどうですか!』と声かけたら手であしらわれて、そのままあのガールズバーの方に向かっていった。もしかしたら、数日前から犯行の“下見”していたんじゃないかと思ってね……。
店の子が一度だけこの店で容疑者と飲んだみたい。『強いやつにヘコヘコ、弱いやつにオラオラ』とニュースで報じられていたけど、まさにそんな感じ。その時は後輩さんらしき人を連れてきていて、偉そうにしていたってさ。ゴツいロレックスを見せびらかしたり、その後輩にタバコの火をつけさせたりしてたらしい」
“計画的犯行”との見立てが強い今回の事件。山下容疑者はバーの常連だったというが、証言によれば事件の数日前も平然と飲み歩いていた。偶然だったとも考えられるが、意図的に“犯行計画”を練っていた可能性も否定できない。
事件からすでに1か月が経つが、被害者の知人たちからは今も彼女らの死を悼む声があがる。事件が起きたガールズバーと、伊藤さんを知るという飲食店店長が取材に答えた。