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【ルフィの一味は実は反目し合っていた】広域強盗事件の裁判で明かされた「本当の関係」 日本の実行役に報酬を支払わなかったとのエピソードも

強制送還のためニノイ・アキノ国際空港に移送された渡辺優樹、小島智信両容疑者を乗せて飛行機の下に向かう車両(2023年撮影、時事通信フォト)

強制送還のためニノイ・アキノ国際空港に移送された渡辺優樹、小島智信両容疑者を乗せて飛行機の下に向かう車両(2023年撮影、時事通信フォト)

「ルフィ」などを名乗る指示役による広域強盗事件において、指示役に実行役を紹介したとして強盗致傷幇助などの罪で起訴されていた小島智信被告(47)の裁判員裁判が7月1日から東京地裁(板津正道裁判長)で開かれていた。すでに懲役20年の判決が言い渡されている。

 SNSでの「闇バイト」を募集する投稿によって集められた実行役らが指示役とつながり、日本各地で強盗を敢行する「広域強盗」。2022年から頻発し、日本を恐怖に陥れていたのが「ルフィ」を名乗る指示役らによる強盗だった。幹部4人はフィリピンのビクータン収容所でスマホを用い、秘匿性の高いアプリで日本の実行役に強盗を指示し、得た金をフィリピンに送金させていた。小島被告はフィリピンにいた4人のひとりで、彼らはもともと特殊詐欺グループのリーダーやその面々だった。

 4人のうち、一足早くビクータンに収容され、「ルフィ」を名乗って広域強盗を始めたのが今村磨人被告(41)である。収容所には「キヨトルーム」と呼ばれるエアコン付きの部屋もあったという。裁判では小島被告のほか、今村被告と同様に強盗の指示役を担っていた藤田聖也被告(41)も証人として出廷し、その役割分担、今村被告の当時の様子を語った。

* * *
 2023年の逮捕時、揃いのオレンジ色Tシャツを着ていた4人のうち、モヒカンのような特徴ある髪型に口髭を生やしていたのが今村被告。2019年にフィリピンで身柄を拘束され、ビクータン収容所に収容された。

 もともと渡辺優樹被告(41)をトップとする特殊詐欺グループの配下にいたのが小島・藤田両被告。今村被告は、渡辺グループの拠点に自身の詐欺組織を間借りさせてもらっているという、いわば“関連会社の代表”的な立ち位置だった。

 今村被告が収容されていたビクータンに、渡辺グループの3人、藤田被告のほか渡辺・小島両被告も収容され、4人揃ったのが2021年。その時、すでに今村被告はフィリピンの犯罪グループ・JPドラゴンの手助けを得て覚醒剤の密輸出などの違法ビジネスを繰り広げていた。さらに2022年3月以降は「ルフィ」を名乗り、日本の実行役に指示をする形で広域強盗にも手を染める。渡辺グループは、今村被告から協力を依頼され、これを了承。実行役の確保や準備、強奪した金の送金や管理などを行なうようになった。身柄解放のためにはカネが必要だった。

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