スーツで通勤が義務づけられていると滝のような汗(写真提供/イメージマート)
通勤電車内で大汗をかいていると忌み嫌われる
「クールビズなんか何の役にも立ちません。朝からグッチョリで仕事する気にもならない」
都内のITコンサルティング会社勤務の男性は、かなり大柄で汗かき。体温越えの気温が連日続き、朝、自宅から駅まで歩く、たった10分間でTシャツが絞れるほどの汗をかいてしまい、通勤時間が倍近くかかるようになったという。
「内勤ですが、業務内容の都合上、夏でもワイシャツとスラックスが絶対だったんです。そのスタイルで通勤していたのですが、朝の出勤時は駅でクールダウンに20分かけ、どうにもならないときは駅のトイレで着替えていました。それでも、駅から会社まで歩く10分でまた汗だくになり、出社後はトイレに直行して汗拭いたり着替えたり。暑くて汗が止まらず、仕事にならないんです」(ITコンサルティング会社勤務の男性)
大袈裟と思う読者もいるかもしれない。だが、電車通勤をしている汗かきにとって、近年の夏はあまりに過酷なのだという。
「電車内で大汗をかいていると不審者か、痴漢のように忌み嫌われます。例えば、満員電車の中で汗ばんだ肌が、隣の女性に当たると悲鳴を上げられたり、怒鳴られたりして自尊心がかなり削られる。そういうつらい思いをしたくないから、できるだけ汗の処理をしてから電車に乗るしかないんです」(ITコンサル会社勤務の男性)
その後、男性の度重なる訴えに折れた形で、上司が男性にのみ、特例で「半袖半ズボン」のカジュアルスタイルでの出社を許可した。そのおかげで、出社時のストレスがほぼゼロになったという。
「私の例が認められた後、半ズボン出社する同僚もいくらか増えて、内勤男性だけですが”涼しい服での出社”が認められるようになりました。駅でのクールダウンや着替えの手間がなくなったことで通勤時間も元通りになり、本当にストレスが減った。ワイシャツ着用が必須だった営業職も、Tシャツ&ジャケットが認められるようになって、社内では”俺の功績”となっています(笑)」(ITコンサル会社勤務の男性)