大阪といえばたこ焼き

大阪といえばたこ焼き

平成・令和の関西弁キャラクターの特徴

 古典的な関西弁キャラでは、厚かましく、下品で、金や食べ物にきたない、垢抜けないおじさん・おばさんキャラ、あるいは若くても年寄り臭いキャラが目立っていた。異物感の強い、どぎついキャラクターであったが、平成・令和の関西弁キャラは、すっきりとした見た目の人物が多く、主人公と張り合って人気を得るようなタイプも増えてきている。

 ただし、鈴原トウジのような屈折したキャラクターのようなかつての古典的な関西弁キャラがいることも見逃せない。つまり、関西弁キャラのヴァリエーションが広がったということである。

 ではなぜ、これらのキャラクターは関西弁を話すのだろうか。一つには、主人公が標準語を話す一方で、それに張り合う強いキャラを造形するのに、関西弁のインパクトが役に立つということがあるだろう。

 さらに言えば、関西弁キャラは間違いなく多弁である。「不言実行」タイプの関西弁キャラ、というのは意味がないのである。

 よくしゃべる登場人物は、状況を事細かに分析し、説明してくれる。これは作者にとって大変ありがたいのである。関西人(ことに大阪人)は、言語コミュニケーション能力に秀でているというのが昨今の関西人のステレオタイプの一つであるが、これは創作者にとっては便利なキャラクターとなってくれるのだ。

 このようなキャラクターの変容の要因については、先に引いた後藤氏の論文で述べられているように、1980年の「マンザイ・ブーム」の影響が大きいことは確かである。さらにその背景には、団塊ジュニア世代に先導された、日本人のコミュニケーションスタイルの変容があるようである。

 言語コミュニケーションによって積極的に他者に関わっていくことを是とする、ポストモダン的な価値観の確立によって、大阪的なコミュニケーションが日本語話者に肯定的に受け入れられるように変わってきたとすると、そういった世相を反映して、関西弁キャラも変わってきたということになる。

第3回を読む)

関連記事

トピックス

マムカ司令官
【ウクライナの戦場取材でYOASOBI】報道カメラマンがウクライナで戦うジョージア部隊「世界初の最前線取材」の許可を得るまで ドーベルマンとフィアット500に乗り、車内で『夜に駆ける』
NEWSポストセブン
1990年代、多くの人気バラエティ番組で活躍していたタレント・大東めぐみさん
《交通事故で骨折と顔の左側の歯が挫滅》重傷負ったタレントの大東めぐみ「レギュラーやCM失い仕事ほぼゼロに」後遺症で15年間運転できず
NEWSポストセブン
ポータブルトイレの大切さを発信するYoutuber・わさびちゃん
「そもそもトイレの話がタブー過ぎる」Youtuberわさびちゃんが「トイレ動画」を公開しまくるようになったきっかけ「芸人で恥ずかしいこともないし、夫に提案」
NEWSポストセブン
1990年代、多くの人気バラエティ番組で活躍していたタレント・大東めぐみさん
《事務所が猛反対もプロ野球選手と電撃結婚》元バラドルの大東めぐみ、人気絶頂で東京から大阪へ移住した理由「『最近はテレビに出ないね』とよく言われるのですが…全然平気」
NEWSポストセブン
全国で車中泊をしているわさびちゃん夫婦。夫は元お笑い芸人のピーチキス・けん。
YouTuber・わさびちゃんが「トイレ動画」でバズるまでの紆余曲折「芸人時代に“女”を求められたり、男性芸人から嫉妬されたり…」
NEWSポストセブン
悠仁さまに関心を寄せるのは日本人だけではない(時事通信フォト)
〈悠仁親王の直接の先輩が質問に何でも答えます!〉中国SNSに現れた“筑波大の先輩”名乗る中国人留学生が「投稿全削除」のワケ《中国で炎上》
週刊ポスト
「ビッグダディ」こと林下清志さん(60)
《借金で10年間消息不明の息子も》ビッグダディが明かす“4男5女と三つ子”の子供たちの現在「メイドカフェ店員」「コンビニ店長」「3児の母」番組終了から12年
NEWSポストセブン
リシェット
戦場取材に欠かせない「フィクサー」とは? ウクライナ入りした報道カメラマンが紹介された“取材に愛犬を連れて来る男” ギャラは「1日1500ドル」と法外な金額に
NEWSポストセブン
女児盗撮の疑いで逮捕の小瀬村史也容疑者(37)。新たに”わいせつ行為”の余罪が明らかになった
「よくタブレットで子どもを撮っていた」不同意わいせつ行為で再逮捕の小瀬村史也容疑者が“盗撮し放題だったワケ” 保護者は「『(被害者は)わからない』の一点張りで…」
NEWSポストセブン
成年式を控える悠仁さまと第1子を出産したばかりの眞子さん(写真・右/JMPA)
眞子さん、悠仁さまの成年式を欠席か いまなお秋篠宮家との断絶は根深く、連絡を取るのは佳子さまのみ “晴れの日に水を差す事態”への懸念も
女性セブン
「ビッグダディ」こと林下清志さん(60)
《多産DVを語ったビッグダディ》「子どもができたら勝手に堕ろすんじゃないぞ」4男6女の父として子供たちに厳しく言い聞かせた理由
NEWSポストセブン
ボニー・ブルーとの2ショット(インスタグラムより)
《タダで行為できます》金髪インフルエンサー(26)と関係を持った18歳青年「僕は楽しんだから、被害者になったわけじゃない」 “捕食者”との批判殺到に反論
NEWSポストセブン