「燦燦会」で司会を務めた馬場典子アナと長嶋茂雄さん
馬場:超一流の方は聞き手が誰であっても、素晴らしい受け答えをしてくださる。長嶋さんはその代表格でしたよね。
大神:しかもこちらが“答えてほしそうなこと”を察したうえで話してくれる。お飾りの私がカメラのフレーム内に一緒に映るようにわざわざお声がけまでしてくださった。
馬場:何がすごいって、長嶋さんがグラウンドに入ると、背後からでも空気が変わるのがわかるんですよ。長嶋さんがいらっしゃるだけで、その場がパッと明るくなる。
チームの負けが込んでいて答えたくない時はオーラを消してササッとフィールド内に移動される。取材を断わることでお互いが嫌な思いをしないように、自然に報道陣を避けてくださるんです。逆に「何でも聞いて」という時はグラウンドに入るなり仁王立ちすることも。取材陣との絶妙な距離感は、まるで合気道のようでした。
大神:テレビ越しに見ていても、馬場ちゃんは絶対、長嶋さんの“お気に入り”だったよね(笑)。
馬場:そんな、そんな恐れ多いです! 誰にでも優しくてすごくお茶目な方でした。宮崎キャンプを取材中、歩いている私に気付いて、わざわざ車を横付けして窓を開け、「どうも~」と声をかけてくれたんです。でも私の名前をど忘れしたようで、顔を見て一拍おいて、「先生!」って、呼ばれたこともありました(笑)。
(後編につづく)
【プロフィール】
大神いずみ(おおがみ・いずみ)/1969年生まれ、福岡県出身。フェリス女学院大学を卒業後、1992年に日本テレビ入社。バラエティー番組を中心に数々の番組を担当。1999年に退社、2000年に元木大介と結婚。現在はタレントとして活動中。
馬場典子(ばば・のりこ)/1974年生まれ、東京都出身。早稲田大学を卒業後、1997年に日本テレビ入社。情報・スポーツ・料理など様々な番組を担当。2014年に退社後はフリーアナウンサーとして活動、2015年に大阪芸術大学放送学科教授就任。
※週刊ポスト2025年8月15・22日号