国内

《支持率が急上昇》盛りあがりきらない”石破おろし” 「自民党内に味方が少ない」ことが石破首相にはプラスに作用、党内世論と国民世論になぜギャップが生まれているのか

自民党役員会に臨む(左から)森山裕幹事長、石破茂首相ら=。8月262日、東京・永田町の同党本部(時事通信フォト)

自民党役員会に臨む(左から)森山裕幹事長、石破茂首相ら=。8月262日、東京・永田町の同党本部(時事通信フォト)

 選挙で負けた陣営はトップが責任をとって退く、が常識のように思われてきたが、石破茂首相については、そうした声が上がるのは自民党内だけで一般の有権者には広がっていない。臨床心理士の岡村美奈さんが、なぜこれまでの”当たり前”が通用しないのかについて分析した。

 * * *
 石破政権の支持率が急上昇している。今週に入り、各新聞社などによる世論調査の結果が出てきたが、どこも軒並み内閣の支持率はアップ、3割台を回復した。参院選の結果を受け石破首相が辞任するべきだと「思う」より、「必要ない」とする回答が増加。たとえそれが他に適当な首相候補がいないから、政権交代できる党がないからという消極的支持であっても、”石破おろし”の行く手を阻んでいる。支持率はなぜ急上昇したのか、各メディアはその分析と解説に熱心だ。

 去年の衆院選、今年の都議選、そして今年の参院選。3度の選挙にすべて負けた石破首相がなぜ辞任しないのか。自民党の議員たちによる党内世論からすればそうだろう。選挙で負ければただの人といわれてしまうのが議員たちだ。次の選挙が間近に想定されている以上、石破おろしをしたくなる気持ちもわからなくはない。

 だが国民世論はそう思っていない。世論調査の結果からしても、国政選挙で敗北したのは、すべて石破首相のせいというより自民党自体の問題と捉えている人が増えていることがわかる。

 選挙の敗北は党の問題と考える人たちにとって、自民党議員による石破おろしは、石破首相を生贄として差し出す自民党の責任転嫁に映るのではないだろうか。

 責任転嫁は自分の罪や責任、失敗などを他人に押し付け、なすりつけること、自己保身の最たるものだ。もし石破首相が自民党の中で重要視され、一強と称された安倍政権で重用され、次々と主要ポストについていたなら、石破おろしに反対する国民は少なかったかもしれない。だが石破首相は党内政治に強くなかった。首相就任後も党内に味方は少ないと報じられていた。党内で石破首相の影響力は弱かった。それだけに、石破おろしの波が活発になるほど党の責任転嫁に見えてくるのだ。

関連キーワード

関連記事

トピックス

元交際相手の白井秀征容疑者(本人SNS)のストーカーに悩まされていた岡崎彩咲陽さん(親族提供)
《川崎・ストーカー殺人》「悔しくて寝られない夜が何度も…」岡崎彩咲陽さんの兄弟が被告の厳罰求める“追悼ライブ”に500人が集結、兄は「俺の自慢の妹だな!愛してる」と涙
NEWSポストセブン
グラドルから本格派女優を目指す西本ヒカル
【ニコラス・ケイジと共演も】「目標は二階堂ふみ、沢尻エリカ」グラドルから本格派女優を目指す西本ヒカルの「すべてをさらけ出す覚悟」
週刊ポスト
阪神・藤川球児監督と、ヘッドコーチに就任した和田豊・元監督(時事通信フォト)
阪神・藤川球児監督 和田豊・元監督が「18歳年上のヘッドコーチ」就任の思惑と不安 几帳面さ、忠実さに評価の声も「何かあった時に責任を取る身代わりでは」の指摘も
NEWSポストセブン
大谷翔平と真美子さん(時事通信フォト)
《ハワイで白黒ペアルック》「大谷翔平さんですか?」に真美子さんは“余裕の対応”…ファンが投稿した「ファミリーの仲睦まじい姿」
NEWSポストセブン
赤穂市民病院が公式に「医療過誤」だと認めている手術は一件のみ(写真/イメージマート)
「階段に突き落とされた」「試験の邪魔をされた」 漫画『脳外科医 竹田くん』のモデルになった赤穂市民病院医療過誤騒動に関係した執刀医と上司の医師の間で繰り広げられた“泥沼告訴合戦”
NEWSポストセブン
被害を受けたジュフリー氏、エプスタイン元被告(時事通信フォト、司法省(DOJ)より)
《女性の体に「ロリータ」の書き込み…》10代少女ら被害に…アメリカ史上最も“闇深い”人身売買事件、新たな写真が公開「手首に何かを巻きつける」「不気味に笑う男」【エプスタイン事件】
NEWSポストセブン
2025年はMLBのワールドシリーズで優勝。WBCでも優勝して、真の“世界一”を目指す(写真/AFLO)
《WBCで大谷翔平の二刀流の可能性は?》元祖WBC戦士・宮本慎也氏が展望「球数を制限しつつマウンドに立ってくれる」、連覇の可能性は50%
女性セブン
「名球会ONK座談会」の印象的なやりとりを振り返る
〈2025年追悼・長嶋茂雄さん 〉「ONK(王・長嶋・金田)座談会」を再録 日本中を明るく照らした“ミスターの言葉”、監督就任中も本音を隠さなかった「野球への熱い想い」
週刊ポスト
12月3日期間限定のスケートパークでオープニングセレモニーに登場した本田望結
《むっちりサンタ姿で登場》10キロ減量を報告した本田望結、ピッタリ衣装を着用した後にクリスマスディナーを“絶景レストラン”で堪能
NEWSポストセブン
訃報が報じられた、“ジャンボ尾崎”こと尾崎将司さん(時事通信フォト)
笹生優花、原英莉花らを育てたジャンボ尾崎さんが語っていた“成長の鉄則” 「最終目的が大きいほどいいわけでもない」
NEWSポストセブン
日高氏が「未成年女性アイドルを深夜に自宅呼び出し」していたことがわかった
《本誌スクープで年内活動辞退》「未成年アイドルを深夜自宅呼び出し」SKY-HIは「猛省しております」と回答していた【各テレビ局も検証を求める声】
NEWSポストセブン
訃報が報じられた、“ジャンボ尾崎”こと尾崎将司さん
亡くなったジャンボ尾崎さんが生前語っていた“人生最後に見たい景色” 「オレのことはもういいんだよ…」
NEWSポストセブン