アンドルー王子から受けた被害を実名告発し民事訴訟を起こしたジュフリー氏(時事通信フォト)
“悪魔の館”の全貌
元被告が邸宅を購入したのは1990年。250万ドル(約3億6000万円=当時)で、約1321平方メートルの広さの中に、6つのベッドルームと7つのバスルームが備えつけられている。いたるところに設置された芸術品が、“館の異質さ”を物語っていた。
「壁には官能的な芸術品がびっしりと貼られており、バスルームや廊下、備え付けのジムなどあらゆるところに、額装された服を脱ぐ女性の写真が飾られていた とのことです。
さらに奇妙なのは、館の一室が、ドリルや鏡などが完備された小さな歯科医院のように改造されていたこと。エプスタイン元被告がこの部屋をどのように利用していたのかは不明ですが、定期的に少女たちの口腔内を洗浄していたのではないかとの見方もあるようです」(同前)
公開された資料には、元被告が独居房内で死亡した2019年8月10日とその前日の刑務所内の監視カメラ映像もあった。ニューヨーク州の検視官によると、元被告は自殺と断定されているが、その死には不明瞭な点も多く、一部では他殺の可能性が疑問視されていた。
映像は、もともと今年7月に一部が抜け落ちた状態で公開されていた が、今回元被告が死亡した時刻の前後の映像すべてが公開されたかたちとなる。とはいえ、監視カメラが映していたのは共用エリアのみで、元被告の独居房のドアや室内を捉えてはいない。
「次々と捜査資料が公になっていますが、肝心の“顧客リスト”を含めて、決定的な証拠は明かされていません。9月3日に国会議事堂前で行われた被害者らの“宣言”によって、捜査がさらなる進展を迎えることが期待されています」(同前)
事件の真相が明らかになる日は遠くないのかもしれない──。
(了。前編から読む)