『東宝シンデレラ』オーディション出身者の魅力を山田美保子さんが語ります
さまざまなオーディションが注目されている現在のエンタメ界。そんななかで、たくさんのスターを輩出しているのが『東宝シンデレラ』オーディションだ。放送作家でコラムニストの山田美保子さんが、『東宝シンデレラ』オーディションの輝かしい歴史を振り返る。
歴代のグランプリや審査員特別賞の活躍は群を抜いている
沢口靖子さん(60才)が10月期の“月9”『絶対零度~情報犯罪緊急捜査~』(フジテレビ系)に主演なさいます。沢口さんがフジテレビで主演するのは1990年の『お江戸捕物日記 照姫七変化』以来、実に35年ぶり。さらに芸歴41年で初の“月9”出演です。
ドラマ誕生から15年が過ぎ、過去には上戸彩さん(39才)や沢村一樹さん(58才)を主人公に「コールド・ケース」と呼ばれる未解決事件などを描いてきた『絶対零度』シリーズ。沢口さんは「優れた作品ですので安心して飛び込めると思いましたし、新たな役にチャレンジできることがうれしかったです」とコメントされています。
そんな中、世間をザワつかせているのが「マリコとのお別れ」……つまり『科捜研の女』(テレビ朝日系)の終了です。同局から発表があったワケではないのですが、1999年の開始以来、日本の連続ドラマ史上でもっとも長期間継続して制作され、同時に同一人物による主演、同曜日、同時間帯での放送という点でも最長記録を持っている作品の続編が予定されていないという現実です。
私もずっと大好きで、沢口さんを誤って「マリコ」と呼んでしまうこともこれまで何度もあったほど(笑い)。
マリコを真似て白衣姿で聖地巡礼をなさるコアなファンも多い『科捜研の女』でしたが、たとえ「京都府警科学捜査研究所」の榊マリコとお別れだったとしても「情報犯罪特命対策室」(通称:DICT)の二宮奈美に、もうすぐ会えるのです。キャリアをストップさせず、“月9”で“主演”。さらに美しく輝く沢口靖子さんにはたくましささえ感じます。
そんな沢口さんは1984年に開催された『東宝シンデレラ』オーディション第1回のグランプリ獲得者。『全日本国民的美少女コンテスト』や『ホリプロタレントスカウトキャラバン』などと並ぶ女優オーディションですが、開催はわずかに9回です。