「高市潰し」には財務省の意向があるとの指摘も(時事通信フォト)
10月4日に投開票となる自民党総裁選。前回決選投票で石破茂・首相に僅差で敗れた高市早苗・前経済安保相は、支持率トップとする世論調査も多く、最有力候補と見られている。そして、その最大のライバルとなるのが小泉進次郎・農相だ。しかし、総裁選の構図が固まるなかで奇妙な現象が広がっている。自民党内の重鎮、公明党や野党、そして大メディアまでもが、総裁選レースで先頭を走る高市氏の足を引っ張り始めたのだ。一体、何が起きているのか――。【全4回の第3回。第1回から読む】
大メディアの報道姿勢に目立つ高市氏への批判的な論調
新聞・テレビの総裁選世論調査によると、「高市29%、小泉25%」(読売・NNN調査)、「高市28%、小泉22.5%」(共同通信)と2人の事実上の一騎打ちでいずれも高市氏が優勢となっている。
読売・NNN調査によると自民党支持層では「小泉33%、高市28%」と逆転するが、興味深いのは野党支持層の声だ。自民党が連立候補の1つにあげる国民民主党支持層では「高市50%、小泉9%」と高市氏が大差をつけているのだ。
ところが、大メディアの報道姿勢は高市氏に批判的な論調が目立つ。
テレビのワイドショーは、早くからコメンテーターの「麻生氏は今回は小泉支持」という情報を報じ、「高市氏では連立が難しい」という解説も目立つ。
新聞も〈「ポスト石破」、推薦人巡り明暗 高市氏は大幅減 求心力に影響か〉(毎日)と前回総裁選の高市氏の推薦人の半数近くが落選していることを書き、東京新聞は参院選直後から〈自民の「右傾化」急加速か 高市早苗総裁誕生なら「スパイ防止法」制定も現実味? 保守系野党も前のめりで〉などと報じている。
自民党や野党側からの高市潰しの動きと大メディアの報道ぶりが一致している。
元財務官僚で菅内閣の内閣官房参与を務めた高橋洋一氏が語る。
「オールドメディアは高市氏が総裁になれば野党と組めないと解説しているが、政策を見るとそんなことはない。国民民主が主張する積極財政は高市氏の政策と大筋では同じ。物価対策や次世代技術の推進政策では維新とも一致している。事実と違う報道をする狙いはネガティブキャンペーンでしょう」