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《異例の総裁選》自民党、保守からリベラルまでを幅広く内包する“国民政党”としての限界 「高市総裁」誕生なら保守純化路線で空中分解の危機

高市早苗氏をめぐり党内抗争が起きている自民党は今後どうなるのか(時事通信フォト)

高市早苗氏をめぐり党内抗争が起きている自民党は今後どうなるのか(時事通信フォト)

 自民党総裁選が幕を開けた。前回、決選投票で石破茂・首相に僅差で敗れた高市早苗・前経済安保相は、支持率トップとする世論調査も多く、最有力候補のはずだ。しかし、総裁選の構図が固まるなかで奇妙な現象が広がっている。自民党内の重鎮、公明党や野党、そして大メディアまでもが、総裁選レースで先頭を走る高市氏の足を引っ張り始めたのだ。一体、何が起きているのか――。【全4回の第4回。第1回から読む

根っこにある戦後政治への評価の違い

 高市支持を鮮明にしている西田昌司・参院議員はこう語る。

「自民党は保守路線かリベラルか、言い換えれば高市支持か、高市潰しなのかで二分されている。その根っこは戦後政治への評価の違いに行き着く。戦後の日本は、米国の軛による軽武装・経済重視路線、一方で中国のプロパガンダによる戦争責任への贖罪外交という具合に米国と中国に価値観を染められて踊らされてきた。そこからの脱却を図ったのが第2次安倍政権でしたが、石破政権はそれを逆戻りさせた。だから安倍路線を支持してきた自民党支持層が離れ、選挙に負けた。

 それでも、自民党内で戦後レジームの価値観を共有する野党とぬるま湯的な政策協調でやっていきたい勢力が高市潰しに動いている。私は自民党がそんな選択をすれば支持者が離れていくばかりだと考えます」

 高市氏の党員票1位が固いとみられるなかで、決選投票でそれを潰して小泉進次郎氏が新総裁に選ばれたとして、党内は一枚岩の結束は取り戻せまい。

 それは高市氏が包囲網のなかで総裁選を勝ち抜いたとしても同じはずだ。

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