最強クイズ高校生VSカギ軍のせいや、粗品、岡部大(公式HPより)

「仲間と本気で戦う」高校生の部活動 

 「高校生クイズ何問目?」は、出場する高校生だけでなく、それを見守る視聴者にとっても、「放送を重ねるたびに面白いコーナーになっていった」という感があります。 

 高校生たちの「クイズに答えられてうれしい」「絶対に勝ちたい」「仲間の正解に感動」というポジティブな感情のたかぶりは青春そのものであり、友人と本気で真剣勝負に挑む様子はエンタメ性十分。勝って本気で喜び、負けて本気で落ち込む姿は、高校生の部活動そのものであり、「年代別の最高レベル」という点も含め、コンテンツとしての希少性は際立っています。 

 もちろん「クイズの答えを一緒に考えて楽しむ」というクイズ番組本来の楽しさも大きく、ネット上のコメントを見る限り「天才高校生よりも先に正解できるか」を競い合っている視聴者も多いようです。 

 また、ガチンコで戦いながら『新しいカギ』チームがクイズに強いことも人気の理由でしょう。高学歴で学問系に強いハナコ・岡部大、映像記憶などに長けた霜降り明星・せいや、時事や雑学に強く頭の回転が速い粗品と、それぞれ強みがある魅力的なチームとして高校生に立ちはだかり、時に笑いを交えながら本気で戦うことでエンタメ性を高めています。 

『新しいカギ』に注がれる信頼 

 そして最後にもう1つ、「高校生クイズ何問目?」が支持を集める理由としてあげなければいけないのは、『新しいカギ』という番組そのものの人気。同番組は「学校かくれんぼ」を筆頭に「ティーチャーをさがせ!」「ハイスクール大喜利」「名曲大好き!土八先生」「カギダンススタジアム」などの学校が舞台の企画を次々に手がけて、主に園児から高校生の支持を獲得しました。 

 「『新しいカギ』なら自分も主役になって楽しめる」「恥ずかしがらずに熱くなれそう」「自分もあんな青春っぽいことができるかもしれない」。日ごろ、小・中・高生と話していても、そんな番組への愛着を感じさせられます。それはクイズに青春をかける学生たちも同様であり、「出場すれば多くの在校生に活躍を見てもらえる」というモチベーションにもつながっているのでしょう。 

 そんな子どもたちを見守る大人世代から見ても、『新しいカギ』は親子で見られる番組という魅力があり、「高校生クイズ何問目?」も高校生の大会らしくフェアな大会形式であることが安心材料となっています。これは制作サイドが「高校生たちが納得のいく内容と決着であってほしい」「かわいそうな姿ではなく、称え合う清々しい姿を見たい」という大人の目線も意識した番組作りをしているからでしょう。 

コロナ禍の前から学生たちのクイズ熱は高く、クイズアプリの普及や、伊沢拓司さんとQuizKnockの存在もあって、その人気は保たれています。今回の特番は年間チャンピオン大会だけに、出場者だけでなく出場できなかった学生たちも含めてネット上が盛り上がるのではないでしょうか。 

【木村隆志】
コラムニスト、芸能・テレビ・ドラマ解説者。雑誌やウェブに月30本前後のコラムを提供するほか、『週刊フジテレビ批評』『どーも、NHK』などの批評番組に出演し、番組への情報提供も行っている。タレント専門インタビュアーや人間関係コンサルタントとしても活動。著書に『トップ・インタビュアーの「聴き技」84』『話しかけなくていい!会話術』など。

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