国際情報

中国でビザ発給停止や資産凍結などの制裁措置を受けた石平・参議院議員の「ひざまずき像」の画像が拡散 南宋時代の宰相・秦檜の懺悔する像を模倣か

中国から制裁措置を受けた石平氏

 中国外務省は今月8日、日本維新の会の石平・参議院議員に対して、長期にわたり「誤った言論」を広めたとして、石氏およびその親族へのビザ発給停止や中国国内の資産凍結などの制裁措置を実施すると発表した。中国メディアは石氏を「裏切り者」と激しく非難、インターネット上では、石氏が懺悔する姿を模した「石平ひざまずき像」の画像が拡散している。

 この彫刻は2体製造されており、価格は7600元(約16万円)。1体は石氏の故郷である四川省へ、もう1体は母校の北京大学へ送られたという。香港紙『星島日報』が報じている。

 石氏は中国出身で北京大学卒業後、1980年代に来日し、中国政治や国際関係を専門分野として活動している。特に中国共産党の政策批判や人権問題について積極的に発言していることで知られている。

 この「ひざまずき像」はもともと、中国南宋時代の宰相・秦檜(しんかい)が当時英雄視されていた将軍・岳飛を陥れたことへの謝罪とし作られたものである。現在、この秦檜夫妻がひざまずいて謝罪する姿をかたどった像は岳飛の墓向かいにある岳王廟に設置されている。

 今回制作された石氏のひざまずき像は、この秦檜夫妻の像を模倣したものだ。なお、石氏は米国国務長官室元中国政策首席顧問・余茂春氏に次ぐ、中国政府による制裁対象となった2番目の中国人とされている。

 この「石平像」は彼の日頃からの言動への不満から生まれ、中国外務省による制裁措置支持派によって作成された可能性が高いとの指摘もある。

 中国外務省スポークスマンによれば、石平氏が長期間広めたとされる「誤った言論」には台湾や沖縄県尖閣諸島、新疆ウイグル自治区やチベット自治区、それに香港問題など多岐にわたり、「これらはいずれも中国内政への干渉及び主権侵害行為」であるとの見解を示している。

 近年、中国SNS上では愛国心高揚や対日感情煽動目的の日中対立関連コンテンツ投稿例が増加傾向にあり、今回の件もそうした流れの一環とも言えるだろう。

関連キーワード

関連記事

トピックス

タレントでミュージシャンの桑野信義(HPより)
《体重58キロに激減も…》桑野信義が大腸がん乗り越え、スリムな“イケオジ”に変貌 本人が明かしていた現在の生活
NEWSポストセブン
総裁選の”大本命”と呼び声高い小泉進次郎氏(44)
《“坊ちゃん刈り”写真も》小泉進次郎と20年以上の親交、地元・横須賀の理容店店主が語った総裁選出馬への本音「周りのおだてすぎもよくない」「進ちゃんは総理にはまだ若い」
NEWSポストセブン
濱田淑恵容疑者の様々な犯罪が明るみに
《2人の信者が入水自殺》「こいつも死んでました」「やばいな、宇宙の名場面!」占い師・濱田淑恵被告(63)と信者たちが笑いはしゃぐ“衝撃音声”【共謀した女性信者2人の公判】
NEWSポストセブン
雅子さまの定番コーデをチェック(2025年9月18日、撮影/JMPA)
《“定番コーデ”をチェック》雅子さまと紀子さまのファッションはどこが違うのか? 帽子やジャケット、色選びにみるおふたりの“こだわり”
NEWSポストセブン
ハロウィーンの2024年10月31日、封鎖された東京・歌舞伎町の広場(時事通信フォト)
《閉鎖しても何も解決しない》本家のトー横が縮小する中、全国各地に”ミニトー横”が出現 「追い出しても集まる」が繰り返されている現実 
NEWSポストセブン
「慰霊の旅」で長崎県を訪問された天皇ご一家(2025年9月、長崎県。撮影/JMPA) 
《「慰霊の旅」を締めくくる》天皇皇后両陛下と愛子さま、長崎をご訪問 愛子さまに引き継がれていく、両陛下の平和への思い 
女性セブン
おぎやはぎ・矢作兼と石橋貴明(インスタグラムより)
《7キロくらい痩せた》石橋貴明の“病状”を明かした「おぎやはぎ」矢作兼の意図、後輩芸人が気を揉む恒例「誕生日会」開催
NEWSポストセブン
イベント出演辞退を連発している米倉涼子。
「一体何があったんだ…」米倉涼子、相次ぐイベント出演“ドタキャン”に業界関係者が困惑
NEWSポストセブン
エドワード王子夫妻を出迎えられた天皇皇后両陛下(2025年9月19日、写真/AFLO)
《エドワード王子夫妻をお出迎え》皇后雅子さまが「白」で天皇陛下とリンクコーデ 異素材を組み合わせて“メリハリ”を演出
NEWSポストセブン
「LUNA SEA」のドラマー・真矢、妻の元モー娘。・石黒彩(Instagramより)
《大腸がんと脳腫瘍公表》「痩せた…」「顔認証でスマホを開くのも大変みたい」LUNA SEA真矢の実兄が明かした“病状”と元モー娘。妻・石黒彩からの“気丈な言葉”
NEWSポストセブン
大谷と真美子さんを支える「絶対的味方」の存在とは
《ハワイ別荘・泥沼訴訟を深堀り》大谷翔平が真美子さんと娘をめぐって“許せなかった一線”…原告の日本人女性は「(大谷サイドが)不法に妨害した」と主張
NEWSポストセブン
須藤被告(左)と野崎さん(右)
《紀州のドン・ファンの遺言書》元妻が「約6億5000万円ゲット」の可能性…「ゴム手袋をつけて初夜」法廷で主張されていた野崎さんとの“異様な関係性”
NEWSポストセブン