選手着用のレオタードやジャージから「スポンサーロゴ」が…(協会のSNSより)
新体操日本代表(フェアリージャパンPOLA)の選手に対する村田由香里・強化本部長によるパワハラ、男性トレーナーによるセクハラの問題を受けて、化粧品大手のポーラがオフィシャルスポンサーの解約を発表。8月にブラジルで行われた世界選手権団体総合でチームが初となる金メダルを獲得した直後だっただけに、衝撃を持って受け止められた解約の判断について、ポーラに見解を尋ねた。【前後編の後編。前編から読む】
筆者の取材過程では、事実関係を明らかにしない日本体操協会(藤田直志会長)に対し、ポーラが当初から解約にまで踏み込んで説明責任を果たすよう迫り、金メダル獲得の表面的な事柄にとわられず、「事実確認」にこだわった企業姿勢も浮かび上がった。「勝てば結果オーライ」とばかりにうやむやにされがちなスポーツ団体の“常識”にノーを突きつけたかたちともいえる。
代表選手4人が寄宿先から出て行く2月の「ボイコット行動」を筆者が初報したのは、《新体操フェアリージャパンでボイコット騒動》(5月19日公開)だが、ポーラはその直後の5月21日には解約を前提とした行動に出ていた。筆者のポーラに対する第1の質問、「協賛契約の解除はいつ、どのような理由でお決めになったのでしょうか」──この問いに対する回答はこう記されていた。
《解約日は、2025年5月21日。解約文書の締結日は7月31日(合意書の日付)。合意書(2025年7月31日付)は9月8日に締結いたしました》
契約の専門用語だが、「解約日」は契約終了を申し出た日であり、そのことを記した文書が作成したのが「解約文書の締結」にあたる。
つまり、ポーラは報道直後から、契約解除を押し立て、事実確認を迫っていた。
その後、条件面のやり取りも交わされたものの、世界選手権後の9月4日、協会が「問題点は見当たらない」とする報告書を公表した事態を受け、その4日後に解約の手続きを済ませている。