夫の山本拓氏が議員経験を生かし、「日本初のファーストジェントルマン」として活躍する日が来るかもしれない(時事通信フォト)

「積極財政」に経済界と市場は期待 

 40年越しの悲願を果たさんとする高市氏は今後、何を目指すのだろうか。 

 まず経済政策では、財政健全化を進めた岸田、石破路線と異なり、積極財政で大転換を図るとみられる。元衆議院議員の宮崎謙介さんが語る。 

「日本は借金が多いから、まず借金を返そうというのが財政健全化のやり方ですが、それでは経済が停滞してしまうため、“お金を借りてでも経済を拡大させよう”というのが高市さんのやり方です。政府がお金をバンバン使うことで経済を前に進めることができるので、経済界からの高市さんを支持する声は厚いです」 

 高市氏の掲げる積極財政を求める声は大きく、期待から、総裁当選後、週明けの10月6日から株価は急上昇し、日経平均株価は史上初の4万8000円台を更新した。 

 もう1つの注目すべき政策は「保守回帰」。 

「皇室典範の改正や防衛費の増額などです。つまり、“石破路線から決別し、安倍時代に戻る”ということ。周辺諸国との軋轢を避けるため、靖国神社の参拝は当面控えるでしょうが、懸案の外国人問題については、規制強化が進むでしょう」(舛添さん) 

 高市氏の前には明るい未来だけが待っているわけではない。前述の通り、日本の課題は山積し、自民党自身も「政治とカネ」の問題など、先送りにしてきた問題が残っている。 

 さらには、10月10日、20年以上にわたって続いてきた公明党の連立離脱が報じられた。 

「自民党単独では衆院過半数を取れません。自民党出身者が多く選挙基盤が大阪にある日本維新の会は比較的組みやすいといえますが、たとえ自維連立になっても過半数に届かない。公明党との連立がなくなったいま、どんな枠組みを構築するか、高市総裁の技量が問われます」(有馬さん) 

 総理になれるか、短命政権に終わらず国民の支持を強固に受けられるか、諸外国との外交でうまく立ち回れるか—初の女性総裁として突破したガラスの天井の先には、二枚目、三枚目の天井が待ち構えている。 

 総裁選出直後のスピーチで高市氏は「全員参加で頑張らなきゃ立て直せません」と引き締まった表情で自民党の仲間に呼びかけた。いくつもの壁が立ちはだかる中、「鉄の女」を超えた「鋼(はがね)の女」の真価が問われようとしている。 

(第1回から読む) 

※女性セブン2025年10月30日号 

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