2018年に発足した安倍内閣で、地方創生担当大臣として初入閣した際に片山大臣が着用したドレスが、今回、初入閣した小野田紀美経済安全保障担当相と同じと評判に(AFP)
だが不思議なのが、数十年にわたり変えない縦ロールの髪型だ。なぜずっとそのままなのか。1980年代にブームを巻き起こした聖子ちゃんカット風で、1970年代後半に人気があったアニメ「キャンディ・キャンディ」を思い出す人も多いらしい。ここ一番という時は丹念にカールされるようで、今回の任命式でもクルンクルンに巻かれた”信念の巻き髪”で登場した。周囲がなんと言っても、SNSで意見する声が上がっても、あのヘアスタイルにこだわりがあるのだろう。
数十年もほとんど変わらないメイクやヘアスタイルは、かえって老けて見えてオバさんっぽくなるのが一般的だ。若い頃からのメイクやヘアスタイルは、年齢を重ねれば似合わなくなるものだ。同じような髪型でも、時代や年齢に合わせて緩いカールにしたり、トップをふんわりと高くしてみたり、アップにまとめたりとアレンジすれば、印象は変わるものだが、彼女の髪型はずっと同じスタイルだ。あの髪型が一番似合っていると信じているのか。それとも見慣れているからしっくりくるのか。他に考えられるのは、東大在学中にミス東大としてファッション誌に取り上げられたことや、卒業後は大蔵省(現財務省)に入省し、女性初のポストを歴任、ガラスの天井を破ってきた経歴からだろうか。その華やかな成功体験を外見的にも彩ってきたのが、変わらないファッションセンスやクルクル巻き毛のロングヘアだ。片山氏のトレードマーク、片山氏といえば巻き毛のロングというところか。完璧にセットされた信念の巻き髪は、私はこうあるべきという思い込みや完璧主義を表しているようにも見える。だがそこにメリットもデメリットもある。
成功体験というのはなかなか手放せないものだ。大きな成功を手にすれば自信がつくし、これでうまくいった、みんなに褒められたという体験が行動の基準になる。片山氏にとってあの巻き髪はブレない政治姿勢や信念の強さ、頑固さを印象づけるという点ではメリットだ。しかし時代も環境も変わった。成功体験へのこだわりは柔軟さに欠け、適応力の低さや発想の乏しさを想像させる。頭が固く新しいことに取り組めず、スピード感がなく、変化を見過ごし見逃してしまうというデメリットを感じさせやすい。片山氏の巻き毛にはそんなマイナス面が強くなりそうだ
記事の中で「やっぱり人は見かけが8割というのが持論です。内面が変わると外見も変わる」とも述べていた片山氏。もし彼女のヘアスタイルがここで変わったとしたら。「決断と前進の内閣」を掲げる高市内閣で、初の女性財務相の覚悟として、注目度と期待度が上がるのではないだろうか。
皇居での認証式を前に首相官邸に入る、経済安全保障担当相に内定した小野田紀美氏(時事通信フォト)

