麻生氏のファッションは工夫が凝らされた独自のスタイルだという(時事通信フォト)

麻生氏がしている”意外な工夫”

「基本は英国のトラディショナルスタイルですね。あのスタイルは着る人を選ぶので、あそこまでバシッと決まる政治家はまずいない。着丈に気を遣っているのはもちろん、着席時には必ずジャケットのボタンを外すなど、相当見られ方を気にしている。“上流階級”だということを示す、記号的な意味もあるのでしょう。

 シワが目立たないよう、パンツの裾に重りを入れているようですが、これはイギリスの慣習ではありません。独自に考えて工夫するようになったのでしょう。あと個人的にすごいなと思うのは、ネクタイです。彼は少し右の口角が上がっていますが、視覚的にバランスをとるため、わざとネクタイを右側にずらしている時がある。かなり研究したのではないでしょうか」

 前出の全国紙政治部記者によると、「80歳を超えても、日々の散歩や腹筋を欠かさない」という。

 鍛えた肉体を高級スーツに包む麻生氏だが、その“上流意識”に批判が集まることも少なくない。ある政治ジャーナリストが言う。

「有名なエピソードでいうと、麻生氏が初めて衆議院議員に出馬した際、福岡県飯塚市駅前で街頭演説し『下々の皆さん』と失言したことでしょうか。若い頃から金には苦労しなかったのでしょう。『とてつもない金持ちに生まれた人間の苦しみなんて、“普通の人”には分からんだろうな』と周囲にぼやいたこともあるといいます。

 ほかにも2008年の首相時代、参院外交防衛委員会で野党議員にカップラーメンの値段を聞かれた麻生氏は『最初に出た時、えらく安かったと思うが、いまは400円くらいします?』と答弁。野党議員は『170円くらい』と返し、周りは苦笑い。6年ほど前に『老後資金2000万円不足問題』が議論されていた際には、『年金がいくらとか自分の生活では心配したことありません』と言い放ったといいます」

 ファッションセンスだけではなく、庶民感覚も磨いてほしいものだ。

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