錦織は所属事務所の公式サイトに、
《妻や子供、それぞれの両親にも悲しい思いをさせ、傷つけたことについても深く反省しております。これからは、責任ある社会人として選手生命を全うするため、テニス競技に集中し、結果を出すことによって皆様の信頼を取り戻せるように精進いたします》
と、謝罪文を掲載。だが、その言葉とは裏腹に思ったように回復しない体調。今年最後のグランドスラムとなった8月の全米オープン、そして男子国別対抗戦のデビスカップ(9月12~13日)、木下グループジャパンオープン(9月24~30日)もケガで欠場するなど、選手として厳しい日々を過ごしている。錦織は日本テニス協会を通じて、
《残念ながら、私の背中の状態が芳しくなく、東京で開催されるデビスカップ、木下グループジャパンオープン、ともに欠場することを決断いたしました》などとコメントを残した。
ATP世界ランキングでは115位(10月27日時点)と望月慎太郎(94位)に日本勢トップの座を譲ってしまうなど、プレーができない状態が続いている。テニスに詳しい記者は、現在の状況についてこう語る。
「ケガの影響やプレースタイルの変化などにより、彼の代名詞である“エアK”も以前のように、頻繁に打つことはなくなりました。
それに加えて、“不倫騒動”も窮地に追い込まれている要因の1つでしょう。クリーンイメージが強かった彼にはユニクロやNIKE、森永製菓、JALなど一流の企業がスポンサーに名を連ねていますが、それを裏切るかたちとなったわけですから……」
なかでも、特に錦織とユニクロとの関係は深い。
ユニクロとは、2011年からグローバルブランドアンバサダーとしてテニスウェアの開発などを進めている。そして、2022年6月には所属契約を締結。ユニクロを展開するファーストリテイリングの広報は不倫発覚後に、「ご本人からの誠意ある謝罪とこれまでの功績や人間性を信じ現地点では契約を継続する判断をしています」というコメントを出していた。
「ユニクロは、錦織選手がケガで長期間試合に出場できないなかでも、彼の挑戦や社会貢献活動などをサポートし続けてきました。今オフに契約を見直す可能性もあります。もしユニクロが錦織選手の所属契約を終了すれば、その対応を見た他のスポンサーも撤退を考えるかもしれません」(同前)
崖っぷちに追い込まれた錦織選手だが、10月30日に国内大会の「横浜慶応チャレンジャー国際テニストーナメント(11月17日~)」にエントリーしたことが明らかになった。
「日本国内のツアー下部大会チャレンジャー・シリーズに出場すれば、自身が初めて同シリーズに出場した2006年3月の島津全日本室内選手権以来、19年以上ぶりとなります。
ケガにより世界ランキングも下降し、スポンサー離れの可能性もあるなか、錦織選手は選手生命を懸けて日本から復活を目指すことにしたようです」(同前)
復活の“エアK”を見ることはできるのだろうか。
