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《名古屋主婦殺害》被害者の遺族が2253万円払って借り続けた現場マンションを“犯人が逮捕されても手放さない”理由と執念「DNAの情報を捜査にもっと活用してほしい」

高羽さんは奈美子さんが殺された部屋を保存し続けていた(撮影・水谷竹秀)

高羽さんは奈美子さんが殺された部屋を保存し続けていた(撮影・水谷竹秀)

 自宅で身内が殺害されてしまった場合、血痕の拭き取りなどを誰が行うかご存知だろうか。実は、警察が原状回復まで掃除をすることは極めてまれで、被害者の遺族が“後始末”せざるを得ない場合が多いという。

 1999年11月、名古屋市西区に住む主婦の高羽奈美子さん(当時32)が自宅で殺害された事件では、夫の悟さんが1人、現場となったアパートで妻の血痕を拭き取っていた。唯一、玄関のたたきに付着した血痕が当時のまま残されている。それが結果的に事件を広く世に伝えるきっかけになり、発生から約26年で今回の犯人逮捕にもつながった。

 事件を長年取材してきたノンフィクションライターの水谷竹秀氏が、その背景をレポートする。【前後編の後編。前編から読む】

玄関の血痕だけを残した理由

 年末年始に4日かけ、現場の血痕を拭き取った悟さん。だが、玄関のたたきに付着した血痕だけはそのまま残した。

「たたきの血痕は最初、奈美子の血だと思っていたんです。それは水を使ってブラシで擦らないと取れない状態だったんですが、水をかけると隙間から階下の部屋に水が漏れる可能性があった。

 だから拭き取らなくていいかなと。とりあえずシートをかぶせ、引っ越しした時に最後にやろうと考えていたのです」

 悟さんはその後も部屋を借り続け、発生から3年ほどが経過した時に転機が訪れる。奈美子さんの血だと思っていたたたきの血痕が実は、犯人のものであることが判明したのだ。

「テレビの取材で現場に来た法医学の先生が、これは犯人の血だって言うんですよ。奈美子はリビングの入り口付近でとどめを刺されているから、玄関まで戻って来られるはずがない。だから犯人の血だろうと」

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