全室個室でプライベートサウナを提供する『サウナタイガー』(同社HPより)
今回も、事故のニュースに繰り返し触れたサウナユーザーたちの内にこの効果が起こり、サウナ施設の防災を意識する人が増えたのだろう。その上、さらに彼らを不安にさせるような事故概要が公表されたこともある。非常ボタンは押しても鳴らず、閉じ込められていたという事実だ。これを聞いたユーザーたちの反応は、大きく2つに分かれる。心配し不安になるタイプと、自分にはそんなことは起こらないと思う込むタイプだ。
心配し不安を感じた人は、自分がサウナで同じような事故に遭遇したら…と、疑似体験のごとくその時の様子を想像したかもしれない。どうすれば脱出できるか、無事に逃げられるのかと頭を巡らせ、自分が利用しているサウナの避難経路などを確認したり、シミュレーションしたりする。中には、自分の身には起きてもいない状況なのに事前に強い不安や恐れを感じ、サウナの利用を敬遠する人もいるだろう。不安や恐怖が高まれば、人々はそれを解消するための方法を考える。今回の事故を受け、サウナ-たちが避難や脱出方法をシミュレーションしたのはそのためだ。
では、自分にはそんなことは起こらないと思う人の中では何が起きるのか。いつもと異なる事態や日常では起こり得ない事態が起きたときでも、これは正常の範囲と考え”なんとかなる””自分は大丈夫”と、その状況や情報を過小評価してしまう「正常性バイアス」という心理傾向が起きるのだ。このバイアスが強いと、災害や非常事態が起きた時でも大丈夫だろうと過信して、逃げ遅れてしまう可能性があるといわれる。
サウナブームが再来している今、利用する人たちにはぜひ、施設の防災設備や避難経路を確認し、いざという時にどう逃げればいいのかなどに気を付けてほしい。
サウナ室の様子(同社HPより)
規制線が張られていた
18時過ぎまで規制線が張られていた



