広陵野球部の中井哲之・元監督
「ようやく学校が落ち着いてきたのに」
理事長以下、広陵の経営陣が中井氏らの処遇を決するのはいずれにせよ10月10日に発足した弁護士3名による第三者委員会の調査結果を待ってからだろう。しかし、その第三者委員会の聞き取り調査はなかなか進まず、同校事務長はメディアの取材に「(結果が出るのは)来年3月末目処」と答えている。
被害者の父も、そして一連の問題を追及してきた筆者も、卒業目前となっても司法判断の過程にある複数の加害生徒の咎をこれ以上、大きく問題にしたいわけではない。第三者委員会に徹底してほしいのは、事件発生後、前監督の隠蔽工作や、被害生徒にこれ以上、問題を大きくしないように圧力をかけたパワハラの疑いに対する調査だ。
筆者は12月11日、中井氏の処遇や第三者委員会調査の見通しに関する質問状を広陵に持参した。対応した事務局長は「個別の質問には対応しない」と話し、こう続けた。
「ようやく学校が落ち着いてきたというのに、いったいなにを記事にするというんですか」
事務局長は、甲子園の2回戦を辞退する会見を甲子園で開いた時に、堀正和校長と共に深々と頭を下げていた人物である。
在校生が書類送検されただけでなく、9月には加害生徒が被害者の親を告訴するという新たな事案も起きているのだ。筆者には「学校が落ち着いてきた」のではなく、広陵の経営陣がほとぼりが覚めるのをただただ待っているようにしか見えない。
■取材・文/柳川悠二(ノンフィクションライター)
