2025年9月、京都府警伏見署は麻薬取締法違反で男子中学生(15歳)と男子高校生(16歳)ら4人が逮捕した。中高生らは、SNSを通じて大麻密売の闇バイトに加担していたとみられている。このように、未成年がSNSを通じて闇バイトに応募し、逮捕される例が相次いでいる。なぜ未成年が闇バイトに応募してしまうのか。中高生のバイト探しの実態と闇バイトと一般のバイトの見分け方について、SNSの事件やトラブルに詳しい成蹊大学客員教授高橋暁子さんに聞いた。
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「バイトはSNSで探すと、働きたい時にすぐに働けてタイパもいい。どんな雰囲気の職場かとかも分かるし」。
バイト探しには求人サイトを使わないでSNSを使う、と話す大学生は、履歴書や面接も要らず、働きたい時にすぐに働けるからだと利点をあげる。担当者と直接やり取りできるので、職場の雰囲気も分かり、助かっているという。
マイナビ高校生のアルバイト調査(マイナビ大学生のアルバイト調査2024)によると、高校生の46.6%、大学生の32.1%が「SNSで直接アルバイトを探した経験がある」と回答。それぞれ34.5%、24.6%が、「SNSで直接アルバイトの応募をして、働いた経験がある」と回答している。
雇用する側も、求人サイトを使わずにアルバイトを確保できるため、コストもかからずスピーディーに雇えると、SNSで募集をかけているのだ。
一方で、SNSにおけるバイト募集には、闇バイトが混じっていることも多い。事実、前述の調査で「SNSで怪しい求人を見かけたことがある」は41.3%と約4割に上り、「SNSで直接アルバイトの検討や応募をしてトラブルにあった経験がある」も8.6%いる。
SNSにおける「#高収入」「#高額バイト」「#即日即金」など人気のハッシュタグは、バイト募集を呼びかける投稿につけられるものだが、闇バイトの募集にも同様につけられている。だからこそ、普通の中高校生や大学生等が闇バイトに巻き込まれてしまっているのだ。
