岡田氏は2年の弾劾裁判の末に罷免された
問題視されたSNS投稿とは?
最初に岡口氏が厳重注意の処分を当局から受けたのは、「俺が実験台になって縛ってもらいました」とか「エロエロツイートとか頑張るね」といった投稿が、裁判官の品位を傷つけたというものだった。
処分を受けて岡口氏は謝罪したが、SNSは辞めなかった。白ブリーフ一丁の自撮りの姿まで投稿したその意図について同書で岡口氏は、「裁判官は、仕事をしていないときは一般市民である。裁判官という立場を離れればこういう画像を投稿することも許されるということを、法律家以外のフォロワーに知ってもらうという狙いもあった」(同前)と記している。
岡口氏は、裁判所による厳重注意、分限処分の後にこれまた国会議員らで構成される委員会(訴追委員会)から訴追され、2年の弾劾裁判の末に罷免された。
問題視されたのは、岡口氏のSNSの投稿だ。性犯罪の刑事事件判決を紹介した投稿、そして飼い犬を公園に捨てた飼い主が起こした訴訟を紹介した投稿とこれらの投稿にまつわるブログや記者会見での反論など13の表現行為だった。ちなみにここには白ブリーフの投稿は含まれていない。
投稿はいずれも担当外の事件についての個人の発信だ。とりわけ刑事事件の投稿に至っては、むしろ裁判所が公開した刑事判決の表現を用い、その判決文のリンクを貼り付けただけの短文に過ぎない(しかもこの判決文を裁判所が公開したこと自体が内規に反していたと後に判明する)。
これらの表現によって、当事者が不快に感じることはあったとしても、当事者を傷つける意図はなかったと岡口氏は述べる。ところが処分を決めた裁判所は「閲覧者の性的好奇心に訴え掛けて、興味本位で刑事判決を閲覧するよう誘導する意図で投稿した」と、岡口氏の“意図”を一方的に認定し、これが弾劾裁判での罷免事由の柱にもなった。岡口氏は「証拠もないのに」と強調する。
弁護側の反論も受け、弾劾裁判所の判決はこの“意図”を否定はしたのに、「非行」にはあたると結論づけた。岡口氏が遺族から訴えられた民事訴訟ではこの“意図”が認定されたことを理由などに、非行にあたるというのである。岡口氏はいう。
「途中まで、私も裁判所という組織は公正でまともな判断をするだろうと信じていたのですが、実際は逆で、どんどんルール無視の認定がなされていきました」
