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司法試験に「中学生」のうちに挑戦する受験生、その動機は「四大事務所に入りたいから」 弾劾裁判で罷免された岡口基一氏が懸念する「法曹志望者の志の変化」

元仙台高裁判事の岡口基一氏

元仙台高裁判事の岡口基一氏

 SNSでの投稿内容を理由に裁判官を罷免され、法曹資格を失った元仙台高裁判事の岡口基一氏は現在、予備校で司法試験の受験者向けに講義を行なっている。その岡口氏は、法曹の道を志す若手の「志の変化」を危惧していると明かす。ノンフィクション作家の広野真嗣氏がインタビューした。(全3回の第3回。第1回から読む

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 2024年に裁判官弾劾裁判所に罷免判決を言い渡された元仙台高裁判事、岡口基一氏は、現在、司法試験予備校「伊藤塾」の講師として民事訴訟を教えている。

 自身の弾劾裁判を記録とした岡口氏の著書『裁判官はなぜ葬られたか』(講談社)を通じて、現役裁判官や法曹を目指す人たちに伝えたいことがあるかと聞いた時、岡口氏は「この本は、裁判所はどうあるべきかを問うものですが、後輩たちには“この本のようにならないように”という逆のメッセージになってしまったかもしれません」と吐露した。

「逆のメッセージ」とは、どういうことなのか────。

 裁判所で起きている現象として岡口氏は「若い裁判官がどんどん辞めている」という懸念を述べた。その原因の1つとして挙げるのが、この四半世紀で進められてきた司法制度改革だ。

「司法試験合格者は弁護士や裁判官になる準備段階としての司法修習を履修しますが、かつて2年あったその履修期間は今、1年まで短縮されてしまいました。準備期間のロースクール(法科大学院)はあるが、こちらは司法試験合格前だからおままごとみたいな入門レベル止まり。より実践的な、例えば『要件事実』のような、実務の基礎についての知識を身につける前に実際の裁判の担当に押し出されてしまう。若手たちは、現場で不安でしようがないのです」

 要件事実とは、権利の発生や変更といった効果を生じる要件となる具体的な事実の知識だ。この分野を固めないまま裁判実務にあたるのは、高校物理があやふやなまま理系の大学に進学するような、無理のある配置だと岡口氏は言う。

 ちなみに、その道のスペシャリストである岡口氏が2007年に上梓した『要件事実マニュアル』(全5巻、ぎょうせい)は実務家向けの解説書として改訂版を重ね続けているロングセラーで、岡口氏を罷免に追い込んだ裁判所幹部もその力量には一目置いていた。

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