解放された女性3人の人質と各家族の再会時の様子(イスラエル大使館の公式Xより)
「腕を怪我していて、抵抗する力もなかった」
そこから、ゴネンさん曰く「最悪」の日々だったという。前出・大手紙国際部記者が続ける。
「ハマスは人質の監禁場所として、民間人の家や建物を利用したとされています。ゴネンさんも、拘束初期に民家を転々とさせられていました。そして、悲劇は“監禁場所”で繰り返されたのです。
最初の被害は監禁4日目。ハマスの工作員5人によって、ある一軒家に監禁されていたゴネンさんは、医療従事者と称する男が介助の名目でシャワーに付き添った際、暴行を受けたといいます。ゴネンさんは、『腕を怪我していて、抵抗する力もなかった。男は私から全てを奪った』と涙ながらに語りました」(同前)
次の“監禁場所”でも被害は続いた。
「モハメッドという男の家で過ごした16日間は、ゴネンさんにとって“最も過酷な日々”だったそうです。男と寝床を共にさせられ、睡眠中に体をまさぐられ、トイレ中も監視されていたとのことです。
そしてある日、目を覚ますと、ゴネンさんの頭上にモハメッドともう1人の男が立っていたそうです。そして、『ハマスからの連絡で、お前を殺せと言われた。ただ、この家を出るならば生き延びられるようだ』と告げられ、家を出る準備をするよう促されたとのこと。言われるがままトイレへ向かうと、その後をつけてきたモハメッドによって、30分間もの暴行を受けたそうです」(同前)
ゴネンさんは、その時をこのように振り返っている──「恐怖は時として人を麻痺させる。私は嗚咽まじりに泣き続けた。彼は、恍惚状態だった。私の頭の中を駆け巡ったのは、『イスラエルの誰もが、私の生存を信じていない。結局、私はこの男の性奴隷になったのだ』という考えでした」
前出・大手紙国際部記者が語る。
「30分間の暴行が終わると、男はゴネンさんの頭に銃を突きつけて『このことを誰かに話したら、お前を殺す』と脅迫したそうです。今回、ゴネンさんが自身の被害をイスラエルメディアに明かしていますが、ハマス側はこうした疑惑を否定しています。
ガザ地区での戦闘をめぐって、ハマスとイスラエルは双方に意図的なメディア露出をしている側面もあります。我々は発信されている情報を慎重に受け止め、中東の平和のために諸国が考えていくべきでしょう」
ゴネンさんによる勇気ある告白で明かされた被害は、ごく一部に過ぎないとうことなのか──。
