神谷宗幣氏(写真中央)が率いる参政党は参院選で大躍進した。東京選挙区でも塩入清香氏(右)が当選(2025年8月 撮影:小川裕夫)
維新との調整、参政党の存在
また、閣外協力の維新と自民党は大阪府をはじめ、いくつかの選挙区で競合関係にある。大阪府では維新が圧倒的な強さを見せており、少なくても大阪において維新の圧倒的優勢は揺るがない。
選挙までに時間がなく、候補者の調整がつかなければ、与党の候補者同士が激突する。どちらが勝っても禍根が残り、それは今後の政権運営に支障をきたすことにつながるだろう。
今回の衆議院解散報道を受けて、立憲民主党・公明党が合流して新党の中道改革連合(中道)を結成した。中道の得票は、単純に立憲・公明の票を足し算で上積みされるものではないと筆者は考えている。
そのため、中道が自民党に肉薄する存在になるとは思っていないが、これまで公明党票に助けられてきた自民党議員にとって軽視できる存在ではない。高市氏も公明党票の行方は気になるようで、1月19日の記者会見では「2025年の参議院選挙まで、公明党とは協力関係にあった」と繰り返した。このあたりに公明党票を失った苦しみが滲む。
中道の結成よりも厄介なのが参政党だ。参政党の神谷宗弊代表は、「高市首相の足を引っ張る自民党議員の選挙区に候補者を擁立する」と宣言。言葉だけを見れば、参政党は高市内閣の味方に思える。
実際、参政党は高市政権と考え方が近いとされてきた。神谷代表も高市内閣を援護する意図を込めての発言をしたつもりだろう。
繰り返しになるが、今回の衆院選は自民党・維新で過半数の議席を有しているにも関わらず強行される。だから、大義のない解散と言われてきた。
それにも関わらず、高市氏は強権を発動して衆議院を解散する。それだけに自民党の現有議席数を減らすことだけは避けなければならない。勝敗ラインは「自民党と維新で過半数」とした高市首相だが、自民党が議席数を1でも減らせば、党内から「やらなくてもいい選挙を強行して議席を減らした」と辞任を求める声が出るだろう。
参政党が2025年の参院選で大躍進を遂げたことは記憶に新しい。もっとも、絶頂期だったあの参院選と比べれば、その勢いは弱まっている。とはいえ、自民党の候補者が票を削られて落選する危機に追い込まれることに変わりはない。
2026年の永田町は年明け早々から混迷を極め、その成り行きは見通しが立たない。確実に言えることは、衆院選を実施することで約600億円の税金を費消し、2026年度予算の国会審議が遅れるということだ。高市首相は記者会見で「物価高対策は万全」と胸を張った。しかし、対策が万全かどうかではなく、実際に物価高を解消することが肝心で、解散総選挙によって生じる政治空白が私たちの生活が蝕むかもしれないという不安は消えない。
