台湾有事が発生し米国が動かなかったら日本はどうなるのか(時事通信フォト)
トランプ米大統領が「力こそ正義」と言わんばかりの動きを次々と見せている。各国が翻弄されるなか、中国の習近平・国家主席がほくそ笑んでいるのは間違いないようだ。次なる危機が起きるのは極東アジアである可能性が高まっている。
トランプ大統領は今年4月に訪中し、習主席との会談で中国がベネズエラに持っていた石油などの権益について協議すると見られている。外交専門家の間では、米中首脳会談で、「米国は中国が台湾領有を進めても手を出さない」という密約が交わされるのではないかという見方が強まっているのだ。もしも、中国が台湾を侵攻し、米国が動かなかったら、日本はどうなるのか──。【全3回の第2回。第1回から読む】
中国が台湾海峡や台比間のバシー海峡を封鎖すれば日本のシーレーンが完全に封じられ、中東からの石油の9割以上がストップして日本も干上がる。「米中密約」で米軍が動かないとなると、日本は単独で台湾有事に対応しなければならない。可能なのか。元航空自衛隊3佐で軍事評論家の潮匡人氏は「無理」と語る。
「中国が台湾を取る何らかの行動に出て、米軍が出動して中国から攻撃を受けた場合、事態対処法で日本の存立危機事態と認定されれば自衛隊が出動して集団的自衛権の行使、すなわち武力行使が可能になります。
しかし、米軍が出動しなければ基本的に自衛隊は動けません。仮に台湾有事の際に中国が尖閣諸島など我が国の領土に攻撃してきたなら武力攻撃事態に認定して自衛隊の防衛出動が可能になるが、台湾海峡を海上封鎖しただけでは武力攻撃事態の認定は難しい」
そうしたなか、台湾海峡を航行する民間貨物船やタンカーなどの安全確保の面では何もできないわけではないとも潮氏は語る。
「防衛出動は無理だが、自衛隊の艦船や航空機を訓練などの名目で海上封鎖地域に展開し、近くに日本の民間船やタンカーがいたという形で最低限守ることはできる。海自の艦船が攻撃を受ければ武力攻撃事態に認定しうるし、民間船が攻撃された場合もたまたま側にいたということで海自が武器使用することもできなくはない」
