ただし、難しいのは2万人以上とされる台湾在留邦人の避難だと言う。「邦人保護の制度はあるが、相手国に避難させる船などの受け入れを了解してもらわなければならない。その交渉相手が台湾ではなく中国になるかもしれないのです。しかも邦人避難は原則、民間の船舶に依頼することになるが、日本の船の多くは日本船籍ではないうえ、乗組員も多国籍。民間会社から了解が取れるのかなどの問題がある」(同前)
もちろん、海上封鎖された時点で民間船は危険な台湾海峡は事実上、航行できず、自衛隊が訓練名目で展開すれば中国との偶発的衝突に発展するリスクもある。
台湾有事への日本の対応は「集団的自衛権」に基づいた米軍への協力が前提になっており、自衛隊だけで事態にあたることは法的にも想定されていない。民間船の護衛や邦人避難も米国抜きでは容易ではなく、台湾から難民が押し寄せたり、半導体をはじめとする台湾製品の供給が断たれるなど、経済上の混乱や損失も大きい。
(第3回に続く)
※週刊ポスト2026年2月6・13日号