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中井貴一が『華麗なる一族』で見せる貫禄 共演者からは「最強」の声も
これまで何度も映像化されてきた山崎豊子原作の作品『華麗なる一族』がWOWOWで再びドラマ化されている。注目は主人公・万俵大介を演じる中井貴一(59才)だ。コラムニストのペリー荻野さんがドラマの魅力、中井の演技力について解説する。 * * * みなさん、こんにちは。中井貴一研究所、所長のペリーです。 先日、スタートした連続ドラマW『華麗なる一族』。主人公の万俵大介を演じている彼を見て、「ついにここまできた」と感慨深かったファンは多いことでしょう。『華麗なる一族』といえば、『犬神家の一族』『ムー一族』と並ぶ『日本三大一族ドラマ』(ペリーが勝手に認定)。中でも山崎豊子が銀行頭取一家の繁栄と崩壊を描いた「華麗なる一族」はその名の通り、華麗さでは群を抜いています。 ドラマの舞台は高度成長期。父の跡を継ぎ、阪神銀行の頭取、万俵コンツェルン総帥として強い力で銀行とグループ会社を引っ張っている大介ですが、家庭内には不穏な空気が。京のお公家系の妻・寧子(麻生祐未)がいながら、大介はこどもたちの家庭教師である高須相子(内田有紀)と愛人関係になり、次男銀平(藤ヶ谷太輔)はじめ、こどもたちとひとつ屋根の下に暮らしているのです。 相子は万俵家の実権を握り、こどもたちを有力者と縁組させる「閨閥づくり」を強力に推し進めます。一方、幸せな家庭を持ち、グループ企業の阪神特殊製鋼に勤めるさわやか長男の鉄平(向井理)に対して、大介は時々嫌な顔をします。鉄平は大介の父にそっくり。そこには出生の秘密が!? この物語の面白さの第一は、庶民には想像もできない上流家庭の裏のドロドロを垣間見られること。自分の縁組について「どっちだっていいですよ」とひねくれる銀平に「妻妾同居」と言われ、側室大好きの戦国武将かと突っ込みたくなるような傲慢私生活を送る大介。「およしになって」などとすました顔で家を牛耳る相子。イライラしつつ相子に頼ってしまう娘たち。次々出てくる縁組のお相手たち。さらに政府の銀行合併政策を聞きつけた大介は、大臣や官僚たち、ライバル銀行の思惑を探りはじめます。あっちでもこっちでも腹の探り合い。情報収集を担う東京事務所の芥川(高嶋政伸)が自分たちを「忍者部隊」と言った時には、また「戦国か」と突っ込んでしまいました。 表面的にはゴージャスなのに、みんな不幸顔をしているというすごい話。第一話だけで豪華の象徴「金屏風」が、ホテルに一族集合したシーン、銀行での年始挨拶のシーン、他行パーティーのシーンと三度も出てきたのには驚きました。各地のきんきら屏風の前で不敵に微笑む万俵大介。もちろん鼈甲縁メガネの奥の目は笑っていません。シリアス貴一モード全開です。 今後は万俵家の良心といわれる兄貴・鉄平の大きな夢「高炉建設」を巡って、大介とすさまじいやりとりがなされる様子。銀平も「いつまでも親父の言いなりにはならない」と爆発寸前。「万俵家は狂ってる!!」との絶叫も聞こえてきます。 万俵大介は、これまで時代を代表する名優が演じてきました。1974年の映画版では、出てくるだけで物語が一トンくらい重くなった佐分利信。同年のテレビドラマ版ではホームドラマのお父さんからイメージを一変させた山村聰、2007年ドラマではすごい眼力で鉄平(木村拓哉)をにらみつけた北大路欣也。向井理に「このドラマの中井さんは最強。勝てる人がいない」と言われた中井貴一が、この役でどこまで貫禄を見せるのか。見届けねば。
2021.04.28 20:12

放送再開の大河『麒麟がくる』プレーバック&今後の展開
いよいよ、麒麟が帰ってくる……! 6月7日(日)第21回『決戦!桶狭間』をもって放送を休止していたNHK大河ドラマ『麒麟がくる』が、8月30日(日)から放送再開!! 光秀は、いつか麒麟を呼ぶことができるのか? そして、物語はどんなふうに本能寺の変へとつながっていくのか!? 再開に向けて、これまで放送された物語を、登場人物ごとにプレーバック。【ここまでのあらすじ】 美濃国、明智荘で育った光秀(長谷川博己)は、主君・斎藤道三(本木雅弘)の命で、京に赴く。そこで目にしたのは、戦渦に荒れ果てた都とその中で懸命に生きる人々の姿。松永久秀(吉田鋼太郎)ら、他国の武将と親交を深める一方で、平和の世を希求する将軍・足利義輝(向井理)の懊悩(おうのう)に触れた光秀だったが、道三の長男・高政(伊藤英明)との対立の果てに、美濃を追われることに。追い求めるのは、平和な世が訪れたときに現れるという瑞獣、麒麟。しかし桶狭間では、信長(染谷将太)と今川義元(片岡愛之助)の合戦が始まっていた……。■明智光秀(長谷川博己) 室町時代末期、若き明智十兵衛光秀は争いの絶えない世に憤りを感じていた。自分は美濃以外の世界を知らない。見聞を広めれば、皆が安心して暮らせる世が訪れ、麒麟(平和の象徴)が現れるのではないか……。京で、そして尾張で出逢う人々と共に、光秀は運命という大海原に漕ぎだしていく。■煕子(ひろこ・木村文乃) 光秀とは幼い頃に一緒に遊んだ仲で、「大きくなったらお嫁においで」と言われたことを胸に成長する。約束どおり結婚してからは、何があっても動じずに光秀を支え、越前での貧しい暮らしのなかでも常に前向き。長女・お岸に続き、まもなく次女・たま(のちのガラシャ)の母となる。■牧(石川さゆり) 嫡男の光秀が幼いときに夫・光綱を亡くし、土岐源氏の血を引く明智家の誉れと、武士としての心構えを光秀に教えながら、女手ひとつで育てあげる。美濃を追われて越前へ移ってからは、光秀の嫁・熙子と手を携えて家計をやりくり。優しく、強く、ときには厳しい母親として生きる。■帰蝶(川口春奈) いとこで幼なじみの光秀にほのかな想いを寄せながらも、信長の正室へ。政略結婚ではあったが、しだいに信長との絆は深まり、父・道三譲りの知恵と度胸で信長を支える。実子には恵まれず、信長が吉乃という女に生ませた男児・奇妙丸を嫡男として育てることになる。■駒(門脇麦) 戦災で両親を失い、伊呂波太夫(尾野真千子)率いる旅芸人一座を経て、京の医師・望月東庵の助手として光秀と出会い、惹かれていく。失恋したあとも幾度となく光秀と会うことになるが、あくまで「支えになれたら」という気持ちからの行動。松平元康(のちの徳川家康)から慕われているようだが……。■斎藤道三(本木雅弘) 若き日の光秀の君主。京へ上りたいという光秀を、鉄砲を手に入れることと医師を連れてくることを条件に許す。光秀の能力を評価して目をかけるが、跡目争いがこじれて嫡男・高政と対立。光秀は道三に加勢しようとするが間に合わず、高政に討たれる。■松永久秀(吉田鋼太郎) 京の実権を握る三好長慶の右腕として、畿内を中心に軍事と政治の両面で力を発揮。斎藤道三を尊敬していたため、その家臣である光秀には、初めて会ったときから好意的。さらに光秀の誠実な人柄、内に秘めた情熱に触れ、親交を深める。■望月東庵(堺正章) 京で庶民を診ている医師。貧しい人からは治療代を取らないという良心を持つが、博打で稼ごうとし、逆に借金を抱えるなど困ったところも。しかし医師としての腕はよく、斎藤道三の正室の病を治すため美濃を訪れるなど、諸国を渡り歩いている。兎柄の品を愛用。■織田信長(染谷将太) 光秀と信長が初めて出会ったのは、尾張の漁港。帰蝶に頼まれて信長の人となりをこっそり探りに来た光秀は身分を隠していたが、帰蝶と夫婦になった後、再会したときに光秀をすぐに見分けて驚かせる。死を覚悟して挑んだ桶狭間の戦いを、光秀が密かに見守っていたことは知るよしもない。■足利義輝(向井理) 京の混迷する情勢に翻弄され、第13代の将軍でありながら実権を失うなか、光秀の「将軍は武家の統領であり、すべての武士の鑑。家臣同士の争いを止めてほしい」との言葉に打たれて行動を起こす。しかし権威を取り戻すことはできず、「麒麟がくる世を連れてくることができぬ」と落涙する。【これからの『麒麟がくる』】 織田信長(染谷将太)が桶狭間の戦いで勝利を収めてから数年後、越前でくすぶっていた光秀(長谷川博己)の元へ、細川藤孝(眞島秀和)が訪ねてきて足利義輝(向井理)が光秀の上洛を望んでいると告げる。 京で再会した義輝は将軍とは名ばかりの存在になっており、自身の無力を嘆く姿を目にした光秀は、将軍家の力を取り戻すためには織田の力が必要だと進言。将軍の御内書を携えて信長の元へ赴いた光秀は、藤吉郎(佐々木蔵之介)と名乗る家臣を紹介され、彼の口から義輝のあらぬ噂を知らされるが……。※女性セブン2020年9月10日号
2020.08.30 16:39

大河『麒麟がくる』 歴史作家が注目する、再開後の見どころ
のちの主君・織田信長、終生のライバル・羽柴秀吉……戦国乱世の主役たちと、主人公・明智光秀の関係はこれからどう描かれるのか。NHK大河ドラマ『麒麟がくる』放送再開後の見どころを、歴史作家の島崎晋氏が解説する。(写真提供:NHK) * * * 6月放送の「決戦!桶狭間」(第21回)を最後に休止状態だったNHKの大河ドラマ『麒麟がくる』が、8月30日に再開される。 放送休止前までは、主人公・明智光秀(長谷川博己)が、生国である美濃と主君・斎藤道三(本木雅弘)のため、美濃と京の都、尾張との間を東奔西走する様子を描いた「美濃編」に続き、戦国大名・朝倉義景(ユースケ・サンタマリア)が治める越前を拠点にしながら時局に関わる様子を描く「越前編」の開幕まで、話が進んでいた。 ここまでの光秀に関して、史料的な裏付けはまったくない。『麒麟がくる』の脚本家が創造力豊かに、重大な出来事と光秀の歩みを絡めているのである。 参考までに、美濃編から越前編にかけての主な出来事は以下の通りである。・1556年4月……長良川の戦い。斎藤道三が戦死・1559年2月……織田信長が初めて上洛。刺客に遭遇・1560年5月……織田信長が桶狭間の戦いで今川義元を討ち取る ドラマ第17回「長良川の対決」では、斎藤道三と嫡男・斎藤高政(伊藤英明)の父子対決の結末、第18回「越前へ」では、道三に味方した光秀の叔父・明智光安(西村まさ彦)の最期が描かれた。光秀は母の牧(石川さゆり)や正室の熙子(木村文乃)、甥の左馬助(間宮祥太朗)などともに越前に落ち延びる。 越前編に入って2話目の「信長を暗殺せよ」(第19回)は、越前の朝倉義景の使いとして上洛した光秀が、斎藤高政による信長暗殺の噂を耳にし、京の実力者である松永久秀(吉田鋼太郎)の助力を仰いで、計画の実行を未然に阻止するという展開。続く第20回「家康への文」は、松平元康ことのちの徳川家康(風間俊介)を今川義元(片岡愛之助)陣営から引き離すべく、斎藤道三の娘で織田信長の正室となっていた帰蝶(川口春奈)に、光秀が策を授け実行させるという展開だった。 そして第21回「決戦!桶狭間」では、桶狭間の戦いにおける織田信長・今川義元・徳川家康の動向がそれぞれ描かれた。急ぎ尾張に向かった光秀が、戦に勝利して凱旋する信長を道で待ち受け、今後の展望について問答を交わすところで終わった。新発見の史料をどう取り入れるか 物語は中盤の「越前編」に入ったばかり。第22回以降に消え去る人物もいれば、露出の増える人物や新たな登場人物もいる。 消え去る人物のなかで特に重要なのは、松永久秀の主君・三好長慶(山路和弘)と13代将軍の足利義輝(向井理)である。三好長慶はこれまで出番が少なく、セリフもほとんどなかった。1564年に病死する場面も描かれないかもしれないが、京周辺の最高実力者である彼の死が、多方面に影響を与えないはずはない。三好一族と足利義輝の関係は急速に悪化し、翌年には義輝殺害という大事件が出来する。 露出の増える人物の筆頭は藤吉郎(佐々木蔵之介)こと、のちの羽柴秀吉で、光秀が信長の家臣になってから「本能寺の変」前夜までの間、最大のライバルであり続ける。医師・望月東庵(堺正章)の助手・駒(門脇麦)を巡る光秀と藤吉郎、松平家密偵の菊丸(岡村隆史)との三角関係ならぬ四角関係がどうなるかもそうだが、駒が駿府の芳仁(ベンガル)という老人から製法を伝授された丸薬が、どこでどう役立つかも注目したい。番組公式サイトには、その丸薬が駒の運命を変えることになるとあるから、光秀の運命をも左右する可能性がある。 新たな登場人物では、関白の近衛前久(本郷奏多)と義輝の弟で、出家して奈良興福寺の一条院門跡を務めていた覚慶(滝藤賢一)が大事な役回りである。 近衛前久は類稀なる行動力で、みずから政治に介入すれば、京の外へも頻繁に赴く。当時としては変わり種の貴族で、幼いとき、近衛家に拾われた過去を持つ旅芸人一座の座長・伊呂波太夫(尾野真千子)と姉弟のように育った設定になっている。伊呂波太夫は裏の仕事がむしろ本業のような謎多き人物。近衛前久も彼女を通して何かと暗躍するものと推測される。 覚慶の名は一般には馴染みがないが、還俗後の足利義昭といえばわかるだろう。1568年に織田信長の庇護のもとで上洛を果たした、室町幕府最後の第15代将軍である。義輝が殺害されたのち、覚慶は三好長慶の養子・義継の後見人である三好三人衆の手で幽閉状態に置かれていた。予告動画を見る限り、光秀は覚慶の脱走と逃避行に直接関与するようである。 現存する史料の上で、光秀の動向がおぼろげながら見えてくるのはこの「越前時代」で、仏教関係の史料には、光秀が越前の長崎称念寺門前に10年余り居住していたことが記されている。 だが、光秀が美濃を追われた長良川の戦いから義昭の入京までには12年の間隙があり、最近発見された史料によれば、光秀による東奔西走の働きが、荒唐無稽でないことがわかってきた。 肥前国(熊本)細川家家臣の米田家に残された古文書から、光秀が、義昭・信長の上洛以前に近江の田中城(滋賀県高島市)で幕府方として籠城を経験したことが新たにわかった。また、同古文書では光秀が『針薬方』(しんやくほう)という現代の「家庭の医学」に相当する書物の内容を暗誦できた=医師だった、と記されているのである。 NHKがこの新事実をどうドラマに取り入れるのかも興味深い。ドラマ中の光秀はかつて義輝に、「美濃一国を従えてお仕えする」と約束しているが、これも実現されるのかどうか。再開後の『麒麟がくる』も見どころ満載である。【プロフィール】しまざき・すすむ/1963年、東京生まれ。歴史作家。立教大学文学部史学科卒。旅行代理店勤務、歴史雑誌の編集を経て現在は作家として活動している。『ざんねんな日本史』(小学館新書)、『いっきにわかる! 世界史のミカタ』(辰巳出版)など著書多数。近著に『人類は「パンデミック」をどう生き延びたか』(青春文庫)がある。
2020.08.29 16:38

コロナ禍で注目集めた2時間ドラマ 船越、谷原が存在感発揮
コロナ禍の中、ドラマの撮影が中断され、過去作品の再放送が多いなか、撮り下ろし作品として放送されたのが「2時間ドラマ」だ。注目を集めた作品、そして存在感を発揮した俳優たちについてコラムニストのペリー荻野さんが解説する。 * * * 新型コロナウイルスの影響で、ドラマは再放送、バラエティは再編集、情報番組・ニュースなどはリモート出演が当たり前となった。よい選択だと思ったのは、日テレの『野ブタ。をプロデュース』とTBS『ノーサイド・ゲーム』、NHK『アシガール』の再放送。『野ブタ。』は15年前の作品で、当時は観られなかった若い世代が名作青春ドラマに触れる機会となったし、『ノーサイド~』はラグビーW杯を思い出しつつ、日曜に一杯やりたいおとな世代をガッチリつかみ、『アシガール』は伊藤健太郎の「若君」にドキドキした女性ファンを再びドキドキさせている。 とはいえ、テレビ全体に停滞感が漂っているのは事実だ。そんな中、底力を見せたのがスペシャルドラマや二時間ドラマである。 スペシャルドラマ、二時間ドラマは、放送予定のかなり前に収録されることが多い。固定ファンがついたシリーズものや有名作家原作ミステリーなど話題作も一話完結で楽しめるのも大きな強みだ。先日は名取裕子主演の『法医学教室の事件ファイル』新作が登場。いやいや、ここへきて二宮早紀(名取)のウエディングドレス姿を見るとは思いもよらなかったが、地に足の着いた力強さで視聴者をぐいぐいと引っ張っていった。 そして、今シーズン、ドラマでいい味を出し、他の番組でも存在感を示したのが、谷原章介と船越英一郎である。 谷原章介はBSプレミアム『松本清張ドラマ 黒い画集~証言』に主演。大学で陶芸を学ぶ男子学生(浅香航大)との不倫関係を隠すため、殺人事件の裁判で偽証し、破滅する医師を演じた。その番宣のためにリモート出演した番組では、発酵食品好きで「八丈島のくさやはすごい。ニオイの向こう側に行ける」、裁縫が得意で娘のバッグを作ったといった私生活を明るく披露。 また、大河ドラマ『麒麟がくる』では、室町幕府将軍・足利義輝(向井理)の側近・三淵藤英役に。司会を務める『パネルクイズ アタック25 』は名勝負再放送、『うたコン』は出演歌手たちのリモート歌唱もきっちり仕切る。白衣を着たり、烏帽子を被ったり、「アタックチャンス!!」とポーズ決めたりとさまざまな活躍を見せている。 一方、「二時間ドラマの帝王」と言われる船越も、5月17日にはテレビ朝日系でスペシャルドラマ『家栽の人』で人間と植物を愛する家裁判事に。赴任先に3メートルはある植木を背負ってのしのしと現れ、変わり者ぶりをアピールした。また、25日にはテレビ東京系で『西村京太郎サスペンス 十津川警部の事件簿』に主演。こちらのサブタイトルは『有名医師殺人事件に危険な賞金1000万円!? 赤ひげ先生に裏の顔…カギは8年前の未解決誘拐!空白の48時間と消えたスキヤキの謎』である。複雑な事件ですよね…。(ちなみに船越はNHKで時代劇『赤ひげ』に主演した)。ドラマのほかにもNHK『ごごナマ』ではリモート出演も続ける。アデランスのCMでは、「髪は顔だ」を合言葉に風に向かってダッシュしている。「近日放送」の連続ドラマが多い中、単発の話題作にしっかり主演し、番組進行や趣味の話などもできる引き出しが多い俳優は、テレビが大変なときにも強い。二人を見ていて、それがよくわかった。
2020.05.26 16:51

4週連続記録更新、『恋つづ』『テセウス』快進撃2作の共通点
冬ドラマが終盤を迎えているが、今クールで高視聴率を記録しているのが『恋はつづくよどこまでも』『テセウスの船』(いずれもTBS系)の2作だ。快進撃を続けるこの2作には、共通点があるという。コラムニストでテレビ解説者の木村隆志さんが解説する。 * * * 10日に放送された『恋はつづくよどこまでも』第9話の視聴率が自己最高を更新する14.7%を記録。これで第6話10.9%から、第7話11.9%、第8話12.1%、第9話14.7%と4週連続で自己最高を更新し、まさに右肩上がりで次週の最終話を迎えることになりました(ビデオリサーチ、関東地区)。 4週連続で自己最高を更新したのは、『恋はつづくよどこまでも』だけではありません。同じTBSの『テセウスの船』も、第5話11.8%、第6話13.2%、第7話14.0%、第8話15.3%と右肩上がりで終盤を迎えているのです。 大半の連ドラが「最高視聴率は第1話」という尻つぼみの状態に陥る中、なぜTBSの2作は快進撃を続けているのでしょうか。まったく異なるジャンルの作品であるにも関わらず、いくつかの共通点が見られるのです。◆プライム帯初主演の若手俳優を抜てき 1つ目の共通点は、プライム帯(19~23時)初主演の若手俳優を抜てきしたこと。『恋はつづくよどこまでも』は22歳の上白石萌音さん、『テセウスの船』は26歳の竹内涼真さんが主演を務めています。 その他の作品に目を向けると、『絶対零度 未然犯罪潜入捜査』(フジテレビ系)は52歳の沢村一樹さん、『トップナイフ ―天才脳外科医の条件―』(日本テレビ系)は52歳の天海祐希さん、『病室で念仏を唱えないでください』(TBS系)は44歳の伊藤英明さん、『病院の治しかた ~ドクター有原の挑戦~』(テレビ東京系)は41歳の小泉孝太郎さん、『ケイジとケンジ~所轄と地検の24時~』(テレビ朝日系)は40歳の桐谷健太さんと32歳の東出昌大さん、『10の秘密』(カンテレ、フジテレビ系)は38歳の向井理さん、『アライブ がん専門医のカルテ』は35歳の松下奈緒さん、『知らなくていいコト』(日本テレビ系)は31歳の吉高由里子さんが、それぞれ主演を務めています。 いずれも30~50代である上に主演経験の豊富な顔ぶれであり、快進撃の2作が「いかに若手を大抜てきしたのか」がわかるのではないでしょうか。実際、上白石さんと竹内さんの主演は新鮮な印象を与えるとともに、若さあふれるストレートな演技で視聴者の心をつかむなど、快進撃の要因になっています。 さらに、上白石さんを佐藤健さんや香里奈さん、竹内さんを鈴木亮平さんや上野樹里さんなどの「主演経験豊富な先輩俳優が助演として支える」という形も共通していて、若さや勢いだけでなく見ごたえのある作品に昇華させています。◆あふれる愛情を熱っぽく伝える主人公 もともと『恋はつづくよどこまでも』も『テセウスの船』も漫画原作の実写化であり、前者は2016年~2019年、後者は2017年から2019年と、ほぼ同じ時期に連載されていました。 2つ目の共通点は、あふれんばかりの愛情を熱っぽく伝えるピュアな登場人物たち。新型コロナウイルスの感染拡大などの暗いニュースが続いているだけに、愛情たっぷりの登場人物たちに引かれるのは当然なのかもしれません。また、主人公が「大切な人のために体を張る」「どんな困難でも向き合う」、“勇者”である点も似ていますし、どちらも視聴者に「応援せずにはいられない」と思わせるタイプのキャラクターなのです。 最後に挙げておきたい共通点は、ネットと相性のいいストーリー。『恋はつづくよどこまでも』は“デレキュン”と名付けられた甘いシーン、『テセウスの船』は長編ミステリーならではの犯人考察を中心に、今冬では断トツのツイート数を叩き出しています。 視聴率が右肩上がりになるのは、ネット上の評判を見て途中から見はじめる人や、録画か配信で時間差視聴していた人が、リアルタイム視聴するようになったから。ドラマを見ながらSNSに書き込んで盛り上がるだけでなく、ドラマを見る数時間前からSNSに書き込んで盛り上がれる。さらに、ドラマを見終えた直後にSNSに書き込んで盛り上がれるストーリーが、両作の快進撃を支えています。 まもなく迎える最終話の視聴率はどこまで上がり、ネット上の書き込みはどのくらい盛り上がるのでしょうか。どちらの視聴者も最大級のハッピーエンドを望んでいるだけに、それが見られたときの反響が今から楽しみです。【木村隆志】コラムニスト、芸能・テレビ・ドラマ解説者。雑誌やウェブに月20本超のコラムを提供するほか、『週刊フジテレビ批評』などの批評番組に出演。タレント専門インタビュアーや人間関係コンサルタントとしても活動している。著書に『トップ・インタビュアーの「聴き技」84』『話しかけなくていい!会話術』『独身40男の歩き方』など。
2020.03.12 16:53

『麒麟がくる』の複雑な人間関係、5分でわかる解説
NHKの大河ドラマ『麒麟がくる』は、主人公・明智光秀の“謎に包まれた前半生”に焦点を当てている。2月までに放送は6回を数えたが、耳慣れない登場人物名が続き、その複雑な関係性に戸惑う視聴者も多いかもしれない。歴史作家の島崎晋氏が解説する。 * * *『麒麟がくる』が面白い。番組ホームページも充実していて、大河ドラマ好きとしてはありがたい限りだが、登場人物が多く、物語も京から美濃、美濃からまた京へと舞台が飛び飛びなので、少々混乱している人もいるかもしれない。ここではそんな読者のために基礎的なところを整理しておこう。 ときは戦国時代。室町幕府が存在するとはいえ、その支配は後の江戸幕府とは比較にならないほど形骸化していた。江戸幕府と同じく全15代を数えながら、3代・足利義満を頂点として将軍の権勢は弱まるばかり。幕府の実権は将軍の補佐役である「管領(かんれい)」や都である京周辺の治安を司る「侍所頭人(さむらいどころとうにん)」の手に移っていった。 地方に目を転じれば、「守護(*注1)」や「守護代(*注2)」による支配から、戦国大名による領国支配へと変化した時期でもあった。ドラマ第6回までに登場した人物では、美濃の斎藤道三(本木雅弘)、尾張の織田信秀(高橋克典)、今川義元(片岡愛之助)が挙げられる。【*注1:守護/室町時代には一国全体の支配権を確立した。守護大名とも】【*注2:守護代/数か国を兼ねる守護が任国の管理のために派遣する家臣】 この頃に特徴的なのが、盛んに起こった一揆や戦国大名の台頭に象徴される「下剋上」の風潮だ。今川義元がれっきとした駿河守護の家系であるのに対し、親子二代で国盗りをしたと言われる斎藤道三は守護代・斎藤氏の家名を奪い、織田信秀にいたっては守護代・織田氏の傍流に過ぎなかった。全国的に見れば、守護大名がそのまま戦国大名に移行する例は稀だった。 各地の戦国大名が京の天皇と将軍を敬うのは官位官職が欲しいときだけ。あとは一切命令に従わず、隣国との戦乱に明け暮れる──それこそが、『麒麟がくる』の主人公・明智光秀(長谷川博己)がまだ斎藤道三の家臣だった頃の実情だった。 美濃国の本来のトップは守護職を代々務める土岐氏だが、織田信秀と結んで道三から権力奪回を図ろうとした土岐頼純(矢野聖人)は毒殺され(ドラマ第2回)、新たな傀儡として土岐頼芸(尾美としのり)が擁立された(同3回)。斎藤道三がみずから守護職につかないのは、父の代に他国から流れてきた新参者で、土着勢力から心服を得るまでにいたらずにいたからだった。 一方、京とその周辺では、13代将軍・足利義輝(向井理)、幕府管領・細川晴元(国広富之)、細川の家臣・三好長慶(山路和弘)、その三好の家臣・松永久秀(吉田鋼太郎)らが暗闘を続けていた。 表向きは足利義輝→細川晴元→三好長慶→松永久秀の序列が尊重されながら、現実には下3人がほぼ横一線上にあった。三つ巴と言うか三すくみと言うべきか。天秤を動かす力が現われれば、いつ均衡が崩れてもおかしくなかったのが当時の京の勢力図であった。 ドラマ第6回では、将軍と細川晴元、三好・松永陣営の三者間による鉄砲獲得競争に加え、細川晴元による三好・松永襲撃事件が描かれた。ひょんなことから計画を知った光秀が助太刀に馳せ参じ、三好・松永の窮地を救うという展開だったが、そうした史実はない。襲撃事件自体も完全な創作だが、当時の空気をわかりやすく見せてくれており、多くの視聴者の期待に応えたと言えるのではないか。 同じく第6回では、細川晴元が諸臣が居並ぶ将軍の御前で許可なく鼻をかんだことを例に挙げ、将軍側近の細川藤孝(眞島秀和)が憤る場面が出てくる。これは現実にあってもおかしくない光景だろう。 将軍側近の三淵藤英(谷原章介)や細川藤孝からすれば、幕臣・細川晴元の家臣である三好長慶や三好の家臣・松永久秀は本来、歯牙にもかけないような存在だ。下剋上はびこる戦国の世であれば、実力こそが物を言う。太平の世とは異なる論理が働いていた関係上、第5回で描かれた三淵藤英が松永久秀の陣屋を訪れる場面のように、ため口どころか、松永久秀のほうが恪上のごとく振る舞うことも許されたのだった。 第6回では、細川藤孝から将軍側近になるよう勧められた光秀が、今は無理としながら、「5年先か10年先には美濃一国挙げて将軍にお仕えする」と返答していた。それが果たして実現するのか。実現したとすれば、鉄砲を買いたい光秀のために松永久秀が一肌脱ぎ(第1回)、都の誰からも恐れられる久秀に光秀が好感を抱く(第6回)など、これまで上手くいっていた光秀と松永久秀の関係はどうなるか。それらは今後のお楽しみである。【プロフィール】しまざき・すすむ/1963年、東京生まれ。歴史作家。立教大学文学部史学科卒。旅行代理店勤務、歴史雑誌の編集を経て現在は作家として活動している。著書に『ざんねんな日本史』(小学館新書)、『いっきにわかる! 世界史のミカタ』(辰巳出版)、『いっきに読める史記』(PHPエディターズ・グループ)など著書多数。最新刊は『覇権の歴史を見れば、世界がわかる』(ウェッジ)。
2020.02.29 16:38

『テセウス』『10の秘密』に残酷なまでの明暗、その理由は?
医療モノや刑事モノが多い今期ドラマにあって、長編ミステリーというジャンルに挑んだ2作が『テセウスの船』(TBS系)と『10の秘密』(カンテレ、フジテレビ系)だ。だが、この2作品、視聴率でも、ネット上の評価でもはっきりと明暗が分かれてしまった。その違いはどこにあるのだろうか? コラムニストでテレビ解説者の木村隆志さんが解説する。 * * * 2020年1月スタートの冬ドラマは、プライム帯(19~23時)に放送される16作のうち、医療現場が舞台のものが6作、刑事事件を扱ったものが6作放送され、その大半が一話完結型の物語であるなど、これまでにないほど作品ジャンルと構成の偏りが見られます。 偏ったことで必然的に注目度が上がったのは、『テセウスの船』と『10の秘密』の2作。どちらも近年「視聴率が獲れない」と言われ、めったに見られなくなった長編ミステリーであり、その点で文句なしの意欲作です。 しかし、1か月あまりが過ぎた今、残酷なまでの明暗が分かれてしまいました。序盤は両作とも放送日にネット上の話題を席巻していたものの、中盤に入ると『テセウスの船』が「今期最高のドラマ」と言われ、犯人の考察で盛り上がる一方、『10の秘密』は書き込みそのものが減ってしまったのです。 視聴率に目を向けても、『テセウスの船』は第1話から11.1%、11.2%、11.0%、11.0%、11.8と安定し、最新話が自己最高を更新。新作ドラマの中で『トップナイフ -天才脳外科医の条件-』(日本テレビ系)と熾烈な首位争いをしています。一方の『10の秘密』は8.9%、7.9%、6.7%、6.2%、5.4%、6.4%と1桁中盤で停滞。とりわけ2月に入ってからプライム帯で放送される民放ドラマの最下位に陥り、「視聴率が下げ止まらず」「打ち切り寸前」と報じられるなど厳しい結果となっています。 なぜ「今期最高と書き込み減」「視聴率首位争いと最下位」という残酷なまでの明暗が分かれてしまったのでしょうか。◆ハイリスク、ハイリターンの長編ミステリー『テセウスの船』が「今期最高」と言われる理由には、テンポのいい物語に加え、雪山での壮大なロケ、寒さの中で際立つ主演俳優・竹内涼真さんの熱演、家族役に朝ドラと大河ドラマの主演を4人そろえた、シリアスな事件の中に家族の温かさを感じるシーンなどが挙げられます。 冬らしい季節感の漂うドラマは当作だけであり、そこで実力派の俳優たちが熱演しているのですから、支持されて当然でしょう。加えて、2話終了時に探偵学校の講師と生徒を集めた「考察大会」を行い、そこで原作者が「犯人は原作漫画とは異なる」というコメントを発表し、「#犯人考察」というハッシュタグを押し出すなどPRの工夫も見られました。つまり、プロデュースのすべてが機能しているのです。 一方、『10の秘密』は、ネット上のコメントを見続けていると、目につくのは「なかなか話が進んでいかない」「思っていた通りの秘密だった」など物語への不満。同作はオリジナルだけに、一から物語を構築していく難しさが出てしまったのかもしれません。「ふだんと違う向井理の姿は新鮮」「渡部篤郎、佐野史郎、仲里依紗、名取裕子などいい俳優をうまく使ってほしい」という声が散見されるなど、キャストへの不満はさほどないようです。 長編ミステリーの見せ場は終盤だけに、『10の秘密』も、どん底の現在よりは盛り上がるでしょう。しかし、それでも中盤でここまで厳しい結果となってしまった以上、「『テセウスの船』のように絶賛や高視聴率を得ることは難しい」と言わざるを得ないのです。 もともと長編ミステリーは、回を追うごとに「謎が深まる」「登場人物への愛着が増す」など視聴者の熱が上がりやすい反面、「一度見逃すと二度と見てもらえない」というリスクの大きいジャンル。いわゆる「ハイリスク、ハイリターン」のギャンブル的な要素が濃く、その賭けに『テセウスの船』は勝ち、『10の秘密』は負けてしまったのです。◆当初の不安を払拭した『テセウスの船』 両作が放送されている“ドラマ枠”の力が影響を及ぼしていることも間違いありません。『テセウスの船』が放送されている「日曜劇場」は60年超の歴史を持つ伝統枠であり、日曜夜で視聴者層も広く、常に視聴率首位争いをしているなど、「多くの人々に見られ、いい作品なら評価されやすい」という環境が整っています。 一方の『10の秘密』の「カンテレ火9ドラマ」は、他枠とは一線を画すアグレッシブな制作姿勢で固定ファンこそいるものの、現在10作連続1桁視聴率と大苦戦中。低迷が続いていることで、いい作品でも第1話の段階から見てもらえるチャンスが少なくなっているのです。 現在は残酷なまでの明暗が分かれていますが、『テセウスの船』も放送開始当初は決して順風満帆とは言えない状態でした。タイムスリップをベースにしたファンタジーに嫌悪感を示す人や、「老けメイクがひどい」「平成元年ネタが寒すぎる」と批判する人が少なくなかったのです。 それらの声を払拭したのは、前述した雪山ロケ、俳優たちの熱演、原作の犯人を変える脚色、PRイベント。言わば、スタッフとキャストの惜しみない努力で不安材料を吹き飛ばしてしまったのでしょう。 両作ともに群を抜いて志の高いドラマであったことは疑いようがありません。また、厳しい状況にあるものの、『10の秘密』は決して酷評されるような質の低い作品ではないでしょう。だからこそ、まだ中盤の段階で、これほどの明暗が分かれてしまう現在のドラマシーンの厳しさを感じずにはいられないのです。【木村隆志】コラムニスト、芸能・テレビ・ドラマ解説者。雑誌やウェブに月20本超のコラムを提供するほか、『週刊フジテレビ批評』などの批評番組に出演。タレント専門インタビュアーや人間関係コンサルタントとしても活動している。著書に『トップ・インタビュアーの「聴き技」84』『話しかけなくていい!会話術』『独身40男の歩き方』など。
2020.02.23 07:51

【動画】向井理、愛妻家ぶりで好感度爆上げ! 役にもプラス効果
愛妻家ぶりが報道され、注目を集める向井理さん。
2020.05.14 10:21

向井理、愛妻家ぶりで好感度爆上げ ヒール役にもプラス効果
俳優・向井理(37)の愛妻家ぶりに注目が集まっている。 NEWSポストセブンが配信した「向井理は『結婚指輪、常に付ける派』 愛妻家な姿をキャッチ」とのタイトルの記事では、8月下旬、大阪で仕事を終え帰宅する向井が家族のためとみられるお土産のお菓子を購入していた姿を伝えた。その左手薬指には、指輪がキラリと光っていたという。 こんな向井の姿に、ネット上では「結婚指輪をいつもつけてるなんて、ますます好感度が高くなった」「結婚しても子供が産まれても、独身時代と変わらず飲み歩いたり遊んだりする男性芸能人が多い中、こんな良いほうに変わるのは本当に素敵」「普通に良い父親やってて好感度上がった」 などと絶賛の声が上がった。妻の国仲涼子(40)とは2014年12月に結婚。翌年9月に第1子が、昨年秋には第2子が誕生した。NEWSポストセブンでは以前、向井と国仲が2人で伊勢丹のセールに“参戦”する姿を伝えたこともある。このときは、庶民派な姿がネットで大好評だった。 向井は春の連続ドラマ『わたし、定時で帰ります。』(TBS系)で、吉高由里子(31)演じるヒロインの元カレでクールな上司役を演じて話題に。ネット上でも今回、結婚後の役者としての向井を評価する声がずらりと並んだ。「ハンサムな主役から、少し癖のある二番手役をこなすようになって素敵だなと思う」「向井さんは結婚されてからさらに魅力が増していると思います。役の幅も拡がったと思いますし、表情も豊かになりましたよね」 芸能人は人気商売であるがゆえ、プライベートな事柄が人気や役の幅に影響が出ることが避けられないが、向井の場合は結婚がプラスになったと言えそう。芸能関係者が語る。「向井は結婚前は、いわゆるイケメンの“いい人”役を演じることが多く、それがハマっていました。しかし、年を重ねるにつれて、そうした役を演じるのに限界がきていた。そんな中で向井は、それまでの“いい人”のイメージを覆すような、ヒール役というかイヤな奴の役を積極的に演じています。最近では“わた定”以外にも、DV男や、冷酷で腹黒な弁護士など、悪役で一気に開眼した印象です。また、今回のように愛妻家ぶりで好感度が上がれば上がるほど、そのギャップは大きくなり、悪役を演じたときの振り幅は大きくなるでしょう」 私生活が仕事にいい影響を与えるのは理想。向井の快進撃はしばらく続きそうだ。
2019.09.02 15:41

星野源が演じる侍は違和感あるがハマり役と言えるワケ
星野源が約6年ぶりに実写映画主演を務めた時代劇コメディー『引っ越し大名!』(8月30日公開)。星野が演じたのは、引きこもりの侍。引っ越し(国替え)の責任者を命じられ、奮闘する姿が描かれる。時代劇研究家でコラムニストのペリー荻野さんが指摘する。 * * * 話題の映画『引っ越し大名!』は、『のぼうの城』の犬童一心監督、『超高速!参勤交代』の土橋章宏原作・脚本、主題歌がユニコーン。時代劇好きとしては、すぐさま駆けつけ案件である。早速、駆けつけてきた。 物語は、突然、幕府に姫路から大分に国替え(引っ越し)を命じられた姫路藩で、これまた突然、『引っ越し奉行』を命じられた引きこもりの書庫番藩士・片桐春之介(星野源)と、腕っぷしの強い幼なじみ(高橋一生)、前引っ越し奉行の娘で片付けのプロ(高畑充希)ら彼を助ける仲間たちの奮闘を描く。 私が、まず注目したのは、「引きこもり侍」のビジュアルである。城の書棚のせまい隙間でへらへらと楽しそうに本を手にする春之介。武士だから、ちょんまげがあるのだが、何か違和感が。おお、そうだ。春之介には、ふさふさとした前髪があるのである。おまけにまげもちょこんとしていて、正面から見るとどこにあるのかよくわからない。ハムスターのしっぽか。 江戸時代の男子といえば、額から頭頂部にかけて毛を剃ってつるつるにして「月代(さかやき)」と呼ばれる部分を作ることが多い。これは兜をつけた際に頭が蒸れないようにするためなどと言われるが、ここが剃りたてで青々としていることが、当時のモテ男の条件だったともいう。 春之介の髪型は、彼がいかにモテ男とは対極な存在なのかを、一発で表現しているのである。 また、春之介の着物もなかなかだ。職場である城では、みんなと同様、裃(かみしも)姿なのだが、これもちょっと違和感が。両肩が三角に張り出して見える「肩衣(かたぎぬ)」は、微妙に小さめでよれよれしている。袴もつんつるてんで、なんだか半ズボンぽく見えてくるのである。 時代劇で「できる武士」といえば、りっぱな裃姿が思い浮かぶ。肩衣はでかくて尖りまくり、袴もすらりとして、堂々とした印象だ。実際、この映画でも、江戸幕府の出世頭・柳沢吉保(向井理)の肩衣は、ピシーッとしてでかい。映画スタッフは、春之介のキャラクターを伝えるために、細かなアイデアをいろいろ盛り込んでいるのである。 しかも、このキャラクター表現で驚くのは、「春之介はリアル武士としてはかなり違和感があるが、星野源にはとっても似合っていて違和感がない」ということだ。私もこんなにハムスターしっぽちょんまげが似合う俳優を他に知らない。まげが小さめの殿様、若旦那は過去にも大勢出てきたが、それとは似て非なるものなのである。 なお、星野源が人づきあいが苦手な人物を演じると聞いて、ドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』を思い出す人も多いはず。春之介も目を泳がせ、ぽかんと口を開け、急に慌てるなど、絶妙な動きを見せる。こういう動きを期待される俳優は、日本にはめったにいないが、星野源は期待を裏切らないのである。「恋ダンス」も懐かしい。この映画には野村萬斎振付・監修による独特の振りがついた「引っ越し唄」がある。「恋ダンス」の振付がマスターできなかった人でも、盆踊りくらいの速さで踊る「引っ越し唄」ならなんとかできるかも。人のまげをハムスターのしっぽとか言ってるわりにダンスがまったくできない私も妙に安心しました。
2019.08.30 22:53

【動画】向井理 愛妻家な姿をキャッチ 結婚指輪は「常に付ける派」
8月上旬、大阪にいた向井理さんの姿をキャッチしました。主演舞台「美しく青く」の千秋楽を終えて帰京するときの様子で左手薬指にはキラリと結婚指輪が光っていました。演技中は指輪を外す必要があるため、普段は結婚指輪をしない俳優さんも多い中、向井さんは愛妻家のようです。現場では、2人のお子さんの写真を共演者やスタッフさんに見せるほど子煩悩なのだそうです。 奥さんの国仲涼子さん、幸せですね!
2020.09.04 14:12

向井理は「結婚指輪、常に付ける派」 愛妻家な姿をキャッチ
8頭身並みのスラリとした男性が、猛暑にもかかわらずマスクとキャップを着用している。芸能人オーラが漂うのは、8月上旬に大阪にいた俳優・向井理(37)。主演舞台「美しく青く」の千秋楽を終えて、帰京するシーンだ。その左手薬指には、キラリと結婚指輪が光っていた。 女性マネジャーと売店へ入ると、いくつかの紙袋を持って出てきた。居合わせた女性客は「お菓子のようなものを買っていました。ご家族へのお土産なのでしょうか。あんなかっこいい旦那さんが、出張から帰ってきた時にお土産を買ってきてくれるなんて、羨ましいです」と目を細めた。 俳優は、仕事中は演技のために結婚指輪を外さなければならないため、面倒だったり紛失のリスクもあったりして、プライベートでは結婚指輪をつけていない人も多い。そんな業界だからこそ、向井の左手薬指は、よりまぶしさを際立させる。3才年上の女優・国仲涼子(40)との結婚生活が5年目に入っても、変わらぬ愛妻家ぶりを証明していた。 舞台関係者は「舞台があると毎日のように共演者で飲みに行く役者が多い中で、向井さんは、まっすぐ帰るときが多いですね。ドラマ撮影の現場でも同じだと聞きます」と明かす。別の芸能プロダクションのマネジャーは「2人のお子さんがかわいくてたまらないようで、現場では共演者やスタッフに写真を見せることもあります」と語る。 国仲とは2014年12月に結婚。翌年9月に第1子を授かり、昨年秋には第2子も誕生した。良妻賢母の国仲のサポートを受ける向井は、今年は再ブレークの兆しを見せている。春の連続ドラマ『わたし、定時で帰ります。』(TBS系)では、吉高由里子(31)演じるヒロインの恋の相手のクールで包容力のある上司役を演じると、独身時代のように再び多くの女性ファンを虜にした。 夫として、父として、俳優として、ますます忙しくなりそうだ。
2020.01.28 12:39

【動画】向井理を支える妻・国仲涼子 自転車での「凄ママ」シーン
国仲涼子さんが都内の高級住宅街で颯爽と自転車をこぐ姿をキャッチしました。 3人乗りの電動アシスト自転車で、近所のスーパーへ買い物に出かけていった国仲さん。向井理さんとの結婚生活も5年目に突入。よきママぶりは周囲にも評判だそうです。 芸能関係者は「昨年秋に第2子を出産後、女優復帰もしていますが、あくまで家事と育児を優先。向井さんは『わたし、定時で帰ります。』も、今再放送中の『ゲゲゲの女房』もあって人気が再燃中。それも国仲さんの内助の功でしょう」とコメントしています。
2021.05.14 23:45

国仲涼子、3人乗り電動自転車で買い物撮 向井理は毎日直帰
都内の高級住宅街、颯爽と自転車をこいでいたのは女優の国仲涼子(40才)。3人乗りの電動アシスト自転車で、近所のスーパーへ買い物に出かけていった。俳優の向井理(37才)との結婚生活も5年目に突入。よき妻、ママぶりは周囲にも評判だ。「昨年秋に第2子を出産後、女優復帰もしていますが、あくまで家事と育児を優先。一方、夫の向井さんは前クールのドラマ『わたし、定時で帰ります。』(TBS系)も今再放送中の『ゲゲゲの女房』(NHK)もあって、人気が再燃中。それも国仲さんの内助の功でしょう」(芸能関係者) 向井は7月11日から2年ぶりの舞台『美しく青く』(東京・Bunkamuraシアターコクーン)に主演。それも連日満員の大盛況だった。「向井さんは、共演者との飲み会もほどほどに、撮影や舞台が終わると、ほぼ毎日、直帰をされるんです」(舞台関係者) 子育ても仕事も夫も支える国仲。自転車をこぐノースリーブからのぞく、二の腕は細いながらもたくましかった。※女性セブン2019年8月15日号
2019.08.03 08:21

【動画】向井理と国仲涼子 夫婦で伊勢丹セールへ、庶民派です!
向井理さんと国仲涼子さんのお買い物デートをキャッチしました。2人がいたのは、新宿の伊勢丹メンズ館。 向井さんが洋服を選ぶ間、顔を見合わせて笑ったり、アドバイスしたりして、とても仲がよさそうだったそうです。 この日は、夏のセールの初日。目撃した買い物客は、「セールで買い物するなんて、庶民派で好感度高いな~」と語っていました。夫婦仲良く伊勢丹でお買い物、微笑ましい光景ですね!
2021.05.15 00:33

杉野遥亮『スカム』が挑む「詐欺に染まる若者のリアル」
社会派ドラマが“刺さる”時代だ。問題提起のありようは、ヒットか否かを分けるポイントにもなっている。ドラマウォッチを続ける作家で五感生活研究所代表の山下柚実氏がレポートする。 * * * 知りあいの若者が「日経225先物取引で誰でも勝てるツール」のデータが入ったUSBを、何と「50万円」という大金で買わされてしまいました。実は首都圏の大学生や若い人たちの間で蔓延している、商材売りつけトラブル事例の一つらしい。USBを友達に売れば5万円入るという悪質なマルチまがいのようで、学生ローンによる多額の借金だけ残った人も多いというのです。 いったいなぜ、そんなものにひっかかってしまったのか。当人に話を聞いてみると、彼の口から出てくるのは不安ばかり。「コツコツ真面目に働いても10万円代の給料しかもらえない」「将来が不安」「金がなければどうにもならない」「一気に稼ぐ方法がないか」。 特に最後の一言が印象的でした。「今、安倍首相が副業するように言っているの、あれ本当ですよね?」 国までが副業を推奨する時代。だから、先物取引を副業にと思ったらしい。 社会経験の少ない20代の若造が、大金を借り株の先物取引で利益を上げる? その思考の飛躍に驚かされますが、まさしくこれが今の社会の現実の断片です。 経済的に苦しく未来に夢がなく、少しでもラクして「勝ち組」になりたいと短絡的な願望を抱きドツボにはまる──そんな構図が透けて見えてきました。 今週スタートした杉野遥亮主演『スカム』(TBS火曜深夜1時28分・MBS日曜深夜0時50分)は、その意味でまさに時宜を得た社会派ドラマです。 若い世代の経済的焦燥感を映す鏡のようであり、中年視聴者にとっては新手の犯罪の内実を詳細に知るという意味で好奇心が刺激されますし、自分の子供世代が抱える危機感も見えてくる。 一方、犯罪集団のターゲットとなっているリッチ高齢者層の視聴者は、犯罪の手口がわかり生活防衛手段にもなりうるという、実にスリリングでヒリヒリする作品に仕上がっています。 原作はルポライター鈴木大介著による『老人喰い』(ちくま新書)。なるほど、この迫力は現場取材から来ているのか。詐欺に走る若者の実態を克明に取材したルポだけに、ドラマの中身も詳細でリアル。そしてどこか滑稽。現実とは、そういうものかもしれません。特に犯人たちが複数の役を演じ電話口で相手を騙す「寸劇」詐欺など、ドラマ内ドラマとして浮き上がるあたり絶妙です。 それにしても原作の『老人喰い』というタイトルはエグイ。「貯金が2000万円もある高齢者から200万円をいただいて何が悪い」という理屈。リッチな高齢者を敵視することがエネルギーとなっている若い世代。老人たちを呪う社会の陰鬱。いくら説教して「詐欺は良くない」と正論を吐いても、空しく思えてくるほど。これまで紋切り型で捉えていた「振り込め詐欺」のさらに深層部分、犯罪を下支えしている末端の若者たちの姿が立ち上がってきます。 詐欺という手段で若い世代が「老人を食う」現実は、しかし視点を変えれば、安い金で若者を使い倒し非正規雇用という不安に閉じ込め、未来と夢とを食っている「若者喰い」社会ではないのか、という指摘も耳に入りました。そんなことをドラマを見ながら深く考えさせられてしまいます。 かつて「社会派ドラマ」といえば硬派で真面目、シリアスなタッチで描かれる作品が多かった。正義と悪が比較的はっきりと区分けされ、見る方も問題に関心のある人という傾向性がありました。 しかし昨今は変化の兆しが見えます。社会派ドラマに新たな胎動、新たな潮流が生まれつつある予感がします。例えば「働き方」をテーマにした『わたし定時で帰ります』、「ゲイカップル」を描いた『きのう何食べた?』は共に広く人気を博しました。テーマ性はしっかりとブレずに据えてあり、しかし見やすく物語に自然に入っていける。現実を捉え丁寧に細部が描かれているからこそ、説得力がありドラマを見た後に考えさせられる仕上がりで、視聴者に深く突き刺さっていきました。 ドラマは問題提起する。しかし善悪の判断や結論は簡単には決められないから視聴者一人一人が考えていく。 また、吉高由里子や向井理、西島秀俊、内野聖陽といったいわばメジャーな俳優たちが、がっぷりと「ブラック企業」「ゲイ」といったテーマに向き合ったことも、作品の間口を広げテーマについて考えたことのなかった視聴者をも引っ張り込む力となりました。 さて、今回の『スカム』で主役を張る杉野さんは『新しい王様』『ミストレス』など話題作へ出演が続いている新進気鋭の役者です。今どきの不安な若い世代が詐欺集団へと染まっていく生々しいプロセスをいかにリアルに描き出してくれるか。期待し注目しています。
2019.07.04 17:46

向井理&国仲涼子、夫婦で伊勢丹セール参戦の庶民派撮
向井理(37才)が出演する『わたし、定時で帰ります。』(TBS系)が、6月25日、最終回を迎えた。ラストは主演の吉高由里子(30才)演じる結衣に、向井演じる元婚約者で上司の種田晃太郎が、「一緒に住もう」とプロポーズ。ハッピーエンドで幕を閉じた。放送中には「種田さん」がツイッターでトレンド入りし、放送終了後にはたちまち種田ロスが広がった。 3日後、世間を種田ロスに悩ませる向井の姿は、東京・新宿の伊勢丹百貨店にあった。 向井は、長い足が強調される細身の黒パンツに白のビッグTシャツ。黒いキャップにマスクをして、人混みの中ではサングラスをしていたが、180cm超えの長身はただでさえ人目を引いていた。隣には妻の国仲涼子(40才)が寄り添う。黒のサロペットに白のキャップ姿で、まるで“夫婦コーデ”しているようだ。 ふたりはメンズ館へ。パリコレでも活躍する、新進気鋭の日本人デザイナーのブランドへ入っていった。「向井さんがお洋服を選んでいる間、アドバイスしたり、顔を見合わせて笑ったり、カップルのように仲がよさそうでした」(居合わせた客) ふたりは2014年12月に結婚、2人の子供に恵まれている。「向井さんは、かつては典型的な亭主関白タイプといわれていましたが、お子さんが生まれたことですっかりイクメンになったそうです。お子さんからねだられた物は、つい買ってあげちゃうとも話していました」(テレビ局関係者) だが、この日は子供の姿が見当たらない。「実はこの日、伊勢丹は『夏のクリアランスセール』の初日。開店待ちの列がすごくて、その日も約3650人が並んでいました。当然、店内も大混雑。お目当てのものがあったのか、いろいろな店舗で見かけました。セールに参戦するということで子供を預けてきたんでしょう。セールで買い物するなんて、庶民派で好感度高いな~と思いました」(別の居合わせた客) 混み合う店内での戦利品を手に、駐車場に向かうふたりの足取りは軽かった。※女性セブン2019年7月18日号
2019.07.05 22:15

山本美月、顔の大きさは「豆腐一丁と同じ」との証言出る
伝説の殺し屋を主人公にしたアクションコメディー映画『ザ・ファブル』(公開中)の公開記念舞台挨拶に、主演を務めた岡田准一のほか、キャストの木村文乃、山本美月、福士蒼汰、柳楽優弥、向井理、安田顕、宮川大輔、佐藤浩市、そして江口カン監督が出席した。 壇上では、山本の顔の大きさに関するトークに。岡田が「スーパー行って下さい。豆腐一丁と同じぐらいです」と語ると、山本は「他にかわいいのなかったんですか?」とつっこんでいた。■撮影/矢口和也
2019.06.27 19:54

「職場の飲み会は残業なのか」問題 人事専門家の見解は
今年4月から順次施行が始まった働き方改革関連法。この法律を想起させる今クールの連続ドラマ『わたし、定時で帰ります。』(TBS系列、火曜10時~)は第8話まで終了し、クライマックスに差し掛かっている。 このドラマでは、働き方に対する個々の認識の違いをところどころで取り上げることで、うまくスパイスを利かせている。たとえば、残業について。「仕事は一日のやるべきことが終わるまで残業してでも続けるべきだ」と言う人もいれば、「決められた時間内に仕事を終えられるように頑張り、それでも終わらなかったら残業せずに明日に持ち越してよい」と考えている人もいる。 ドラマの第2話では、ヒロインの東山結衣(吉高由里子)が社内の同僚との飲み会で店を出たあと、スマホのアプリで「退勤」ボタンを押す場面がある。東山の部下で新人の来栖泰斗(泉澤祐希)は、「え? 飲み会も勤務時間にカウントしていいんですか?」と驚く。 仕事で関わりのある人との酒席の時間を残業代に含めてもいいものかどうか、悩む人は結構、多いようだ。ある40代の編集者は、「1次会は残業代に含めるが、2次会はカウントしない」と言う。「2次会はどうしても参加しなければいけないものではないから」というのが、その理由だ。 どこからどこまでを労働時間に含めるのか、酒席だけでなく、たとえば研修や語学習得のための受講ならどうなのか。会社に行くように指示された場合は労働時間に含めるが、自発的に通う場合はどうか。独学での資格取得を会社に指示され、講座や教室に通いたい場合もあるに違いない。「その判断は確かに難しい面はある」というのは、賃金・人事について企業にコンサルティングを行っている大槻幸雄・賃金管理研究所副所長だ。「『労働時間』とは、労働者が使用者の指揮命令下にある時間のこと。そのため、その酒席が出席せざるを得ないものなのか、退席・欠席する裁量が与えられているかどうかが判断基準です。たとえば、社内の結束を深めるための同僚との懇親会であっても『全員参加』が条件であれば、労働時間に含めることになるし、社外の人であっても『たまには担当者同士で飲みに行きましょうか』という場合には、労働時間ではないという考え方です」 ドラマ内での東山の場合は、上司の福永清次(ユースケ・サンタマリア)や種田晃太郎(向井理)の歓迎会という名目で事実上参加が義務づけられており、勤務時間に含めていいわけだ。40代編集者の「2次会からはノーカウント」も概ねこの定義に合致する。大槻氏が続ける。「酒席や研修など、どこまでを勤務時間に含めるかは、法令解釈に沿って会社としての基準を決めておくべきもの。判断が難しい場合は、事前に上司の決裁を仰ぐことです。会社のルールを前提に個々のケースを判断すべきで、ルールがなく事後でその都度、判断するようでは職場に規律がないということ。労働時間云々よりそのほうが問題です」 現場の社員が不公平感を抱かないように経営陣がそうしたルール作りをしっかり行い、社内に共有、浸透させていくことが必要だ。規律なく、なあなあで動いていると、誰かが不公平感を持ち、不平不満が社内に広がって仕事への意欲も減退していく。「飲み会で『参加は自由』と言われても断われない空気があるんだよ」という人もいるだろう。酒が飲めない体質で、酒席自体がしんどいと感じているのに「自分がいないところで仕事の話が進むのでは?」「断わってばかりだと昇進に影響するかも……」と思ってしまったりするものだ。 しかし、職務性のない、強制力のないイベントを断ってみたところでさしたる影響がないことは、多くの先輩たちが経験している。実際、筆者もサラリーマン生活を16年経験するなかで酒席や各種イベントに誘われたが、それを断わった結果、仕事がなくなるような経験をしたことは一度もない。誘う方もそれほど重大に考えてはいないものなのだ。「断われない空気」は、自分で自分の中につくりだしたものかもしれない。●取材・文/岸川貴文(フリーライター)
2019.06.10 08:48

『わた定』吉高由里子を光らせるユースケの鵺的不気味さ
1クールのドラマともなると、キャスティングや勢いだけでは乗り切れないもの。中盤に差し掛かれば作り込みの差が如実に表れてくる。ドラマ作家で五感生活研究所代表の山下柚実氏が指摘する。 * * *『わたし、定時で帰ります。』(TBS系火曜日午後10時)の評判がうなぎ登り。ドラマ満足度調査(コンフィデンス)では第5話が84Pt(100Pt満点)と自己最高を更新し、さらに伸びそうな気配です。放送前の期待度は64Ptだそうですから、ぐんぐん視聴者を惹き付けていることが数字からも伝わってきます。 まず見所は、主役・東山結衣を演じる吉高由里子の巧みな演技。「あのイライラの感覚、わかるわぁ」「結衣みたいな人が会社にいてほしい」「私の考え方とどこか重なる」と共感をかきたてる。現実的には結衣のように、定時で帰ることを宣言するのは難しいとしても、「こうあってほしい人物」として視聴者を納得させる存在になっています。 眉毛や口元の表情、しぐさ、口調、考え方、行動。吉高さんご本人は「会社員の経験が一度もない」そうですが、ビジネスパーソンになりきり、しかしスーパーウーマンではない自然体のヒロインを出現させました。 でも、吉高さん1人でドラマを光らせることはできないはず。結衣の存在に光を当てているのが、3人の男の存在でしょう。 まず、結衣の上司・種田晃太郎を演じる向井理が魅力的です。種田という人物は複雑で仕事に没頭するあまり過労死寸前までいき結衣との結婚話も破局。しかし単なるワークホリック型人間かと思いきや、そうでもない。職場全体を観察し部下を思いやり、マネジメント力を発揮する成熟した仕事人の姿も見せていく。とは言ってもスーパーマンではなく、どこか陰りのある横顔。 これまでのお仕事ドラマに登場する「仕事ができる人」は、たいていハキハキしていて表情は豊か、完璧さが強調される人物でした。ところが種田は胸のうちに挫折体験を静かにしまっている。秘めたる思いもある。酔った際につい「(結衣が)今でも好きです」と直球で吐露してしまう純粋さも。労働だけにのめり込んでいるのではないもう一人の自分を感じさせる。向井さんの独特の陰翳ある演技が効いています。 種田を演じる向井さんに「ステキすぎてつらい」と絶賛する視聴者が続出し、種田が結衣を背負うシーンでは「種田さんにおんぶしてもらいたい」という悲鳴のような声があちこちから聞かれます。 一方で、結衣の婚約者・諏訪巧を演じる中丸雄一も実にいい。家事もでき穏やかな人柄、物わかりが良くフェミニンな諏訪は優等生。種田との「対比」を考えてよく練り上げられた役作りは秀逸です。 その諏訪が、しかし結婚を前にすると本性を見せ始めるあたりもスリリング。結衣を常識で縛り始め世間体を気にし、種田の存在に嫉妬の火を燃やし始め……。というように、吉高さんの脇をきっちりと固めている2人の男優は、まさしくゴールデンコンビと言えるでしょう。 そしてもう1人、この人の存在を忘れてはなりません。古色蒼然とした仕事観をねちっこく押しつけてくるブラック部長の福永清次。ユースケ・サンタマリアが実に気味悪く、いやらしく好演しています。この社会が抱えている働き方問題は一筋縄ではいかない鵺(ぬえ)的不気味さがあって、それを一身に凝縮している人物が福永であり、ユースケのねばっこく毒のある演技がドンピシャはまっています。 福永がいるからこそ、ドラマに奥行きが生まれ「定時で帰る」結衣の存在も光るのでしょう。 最近のテレビドラマはストーリーを追うものばかりになっている、もっと人間そのものを見たい、と語っていたのはベテラン脚本家・倉本聰氏。「テレビドラマこそ『チック』が重要だと思っているんですよ。要するに映画はドラマ、つまりストーリー展開を主体に見るんですが、テレビの場合は細かなニュアンスの積み重ねで成立している気がするんですね。いまはテレビもストーリーを追うものばかりになっていますが、僕は人間を見たい」(2019.5.30 Yahoo!ニュース特集)『わたし、定時で帰ります。』は上記の言い方によると、「ドラマ」というストーリーよりもドラマ「チック」、つまり一人ひとりの人間のニュアンスの積み重ねが実に丁寧です。感じ方、生き方を繊細に描き出している。ストーリーを完結させることよりも、人間の姿を提示することで、視聴者が考えるきっかけを作り出しています。そして、「どんな働き方がいいか」という結論は、敢えて提示しない。一人ひとりの視聴者に委ねていく。という意味で、新たなお仕事系「ドラマチック」作品の誕生と言えるのかもしれません。
2019.06.07 19:37
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