宅間守一覧

【宅間守】に関するニュースを集めたページです。

評論家の呉智英氏
コロナ禍で話題のカミュ『ペスト』を誤読しないための知識
 新型コロナウイルスの感染拡大を食い止めるべく、人との接触機会を8割減らす施策や呼びかけが続いている。そのさなか、フランツ・カフカの『変身』などとともに不条理文学として知られるアルベール・カミュの『ペスト』が注目を集めている。評論家の呉智英氏が、とかく誤読されがちな『ペスト』が本当に表現していることを読み解く。 * * * 新型コロナ禍が深刻化する中で、不幸中の幸いと言うのも変だが、予期せざる好現象が報道されている。二十世紀の古典、A・カミュの『ペスト』(一九四七年)がよく読まれているという。文庫本ベストセラー第一位にも挙がっている。外出自粛令が発出される中、ただ無為に引きこもるより普段読めない古典をひもとくのは災いを福に転じる契機になるだろう。『ペスト』好調をいち早く本格的に論じたのは「文學界」五月号の翻訳家鴻巣友季子の評論である。ここで鴻巣は『ペスト』を的確に次のように評価している。「人類にランダムに襲いかかる致死性のなにか、その不条理さ」を「表現したもの」だ、と。 カミュの作風は「不条理の文学」と呼ばれる。しかし、普段はまず使わない「不条理」という言葉で象徴されることによって、特に日本ではカミュは歪んだ読まれ方をするようになった。カミュの代表作として挙げられるのは、『ペスト』より五年前の『異邦人』であり、主人公ムルソーの異常な言動、すなわち「不条理」な人物による「不条理」な殺人を描いた衝撃作である。これを異常な犯罪による既成秩序の破壊と読む傾向がしばしば見受けられた。 前にも本欄で取り上げた「犯罪者同盟」の平岡正明が、ある読書雑誌のアンケートで『異邦人』を愛読書に挙げているのを読んで、ああ平岡もこれを誤読したのだなと思った。もっと驚き不快になったのは、二〇〇一年の大阪教育大附属池田小学校における児童無差別殺傷事件の犯人宅間守の暴言である。 宅間は公判廷で、裕福で安定した家の子供でもわずか五分、十分で殺される不条理を分からせてやりたかった、とわめきたてた。どこかで聞きかじった「不条理」という言葉で、凶行を正当化したかったのだろう。こんなゴミ人間に不条理を啓蒙していただく必要はどこにもない。 こういう誤読が起きるのは、まず「不条理」という訳語が原因である。原語はフランス語でabsurde、英語ならabsurd、綴字と発音は少し違うが、意味は同じで「ばかばかしい」「不合理な」である。語源もab(全く)surde(愚かな)である。だからといって「ばかばかしい文学」とするわけにもいかない。「不合理の文学」でも意を尽くせない。そこで「不合理」と同義であまり使われていない「不条理」を訳語にしたわけだ。 カミュが不条理・不合理を描くのは、西洋に一貫して流れるキリスト教的思想を否定するためだ。この世は神の定めた「合理」に貫かれており、人間もまた「合理」に生きる、とする思想である。しかし、ペストの病禍にしろムルソーの凶行にしろ、「不合理」そのものだ。世界の本態はそのようにある。だが、人間は神に刑せられたギリシャ神話のシジフォスのように、絶望的な努力を喜びをもって繰り返す。『ペスト』の医師リウーもまた一人のシジフォスである。 カミュを誤読しないためにもコロナ禍の下『ペスト』を読むべし。●くれ・ともふさ/1946年生まれ。日本マンガ学会前会長。近著に本連載をまとめた『日本衆愚社会』(小学館新書)。※週刊ポスト2020年5月1日号
2020.04.20 16:00
週刊ポスト
最新刊『芸人と影』が話題のビートたけし
ビートたけしが語る「無差別殺人」という呼び方への違和感
 最近は、不特定の人を通り魔的に殺傷する事件を「無差別殺人」「無差別テロ」などと呼ぶことが多い。新刊『芸人と影』を上梓したビートたけしは、「この呼び方は間違っている」と語る。そのワケとは――。 * * * 2019年に起こった事件で特に腹が立ったのが、川崎で起こった20人殺傷事件だった。51歳の岩崎隆一って男が、スクールバスに乗るためにバス停に並んでた小学生や保護者を次々と襲ったんだよな。で、20人を切りつけた後、自分の首元を刺して自殺しちまった。 それで、その男が何でこんなむごいことをやったか、動機も何もかも分からないままになってしまった。この事件では11歳の女の子と、39歳の外務省職員が刺されて亡くなっている。 犯人は引きこもりだったらしいけど、こういう犯罪の何が許せないかって、たいてい「自分より弱い人間しか狙わない」ってことだ。 こういう事件を、世間ではよく「無差別テロ」とひとくくりにする。だけど、オイラはこの呼び方は間違っていると感じている。不特定で無関係の人に襲いかかるって意味じゃ確かに「無差別テロ」なんだけど、その一方で自分に向かってこない子供をターゲットに選んでる“差別テロ”じゃないかってさ。こういうヤツラの暴力は、決して自分より強そうな相手には向かわない。卑怯この上ないぜってね。 もしも誰かを道連れにして死ぬ気だっていうんなら、もっとデカいことをやってみろよ。 オイラの映画『3―4×10月』じゃ、クライマックスで主人公がヤクザの事務所にガソリン積んだタンクローリーで突っ込んでいくけどさ。そういう「自分より強い相手」に向かっていく気合いはないんだからね。 命を捨てる覚悟があれば、悪人に立ち向かってもいいし、北朝鮮に乗り込んで拉致被害者を命懸けで救出しようとしたっていい。だけど、そんなことは思いもしないわけだよ。カッコ悪いにもほどがあるよ。 こんな胸糞悪い事件は、大阪の大教大附属池田小を襲った宅間守以来だよな。宅間は「死刑にしてほしい」って自ら望んでて、オイラは事件当時、「絶対アイツの望み通りにしちゃいけない」ってジャンジャン色んなところで話したんだよな。だけど、結局すぐに死刑にしちまった。「死んでも構わない」ってヤツにとって、死刑はまるで懲罰にならないのにさ。  この川崎の事件の犯人もそうだけど、自分の人生をちゃんと生きようと食らいつかないヤツは、人の「死」についても軽く考えちまう。こういう甘えた大人を、これ以上増やしちゃダメだよ。※ビートたけし/著『芸人と影』(小学館新書)より
2019.12.03 16:00
NEWSポストセブン
事件直後の池田小学校(2001年、時事通信フォト)
池田小事件犠牲者遺族、カリタス小の被害者にかける言葉
 スクールバスを待つ小学生らが次々に襲いかかられ、19人が殺傷された今回の川崎事件。これと重なるのは、2001年に起きた大阪教育大学附属池田小事件だ。面識もない無抵抗の児童が狙われ、犯人が犯行動機などを自ら明かす前に死亡した点も共通している。池田小事件の犠牲者遺族の目に、カリタス小の事件はどう映ったのか。「川崎の事件の凄惨な映像を目にしたら、あっという間に18年前の記憶が蘇ってきました。もうそれからは1日中、何も手につかなくて……」 沈痛な思いを語ったのは、池田小事件で長女の花菜ちゃん(当時7歳)を亡くした塚本有紀さんだ。【池田小事件とは/2001年6月8日、大阪・池田市の大阪教育大学附属池田小学校に、宅間守・元死刑囚(当時37)が刃物を持って侵入し、1年生1人、2年生7人を殺害したほか、児童や教員に重軽傷を負わせた。裁判の過程で、宅間・元死刑囚は自ら死刑判決を望む主張を繰り返していた。2004年9月、確定から1年という異例の早さで死刑が執行された】「私は『なんでなん?』という、真相を知りたい思いを胸にあの男の裁判と向き合っていました。犯人の口から聞くのは辛いことやけど、私は知りたかった。でも、今回の事件では犯人が死んでしまったために、その機会も失われています。ご遺族の方のお気持ちを思うと、その痛みは計り知れません」 塚本さんは宅間守・元死刑囚の供述調書を読み解くことで、娘の最期の姿を知った。事件の2年後の公判の意見陳述で、「私の手でこの男を殺してやりたい」と怒りをぶつけもした。「実際にそんなことはできないと分かっていても、親なら当然の感情やったと思います。加害者が生きていればこそ、やるせない気持ちを持って行く先もあった」 塚本さんは新たな道を進み出している。介護福祉士の仕事だ。「娘の死を告げられた時、医師から『脊髄が損傷していたから、奇跡的に助かったとしても自由に歩けなかった可能性が高い』といわれたのがひっかかっていました。 寝たきりなら人の力を借りる必要がある。それなら娘が生きていたら安心して預けられるような介護士になりたいな、と思うようになったのです。私が死んで天国で花菜に会えた時、『あなたがいなくなった後、ママだってできることを探したんよ』って言えるかなって思える」 自らの経験を踏まえて「遺族が余計に悲しむことがないようにしてほしい」とメディアに向けて語るのは、同じく当時7歳だった長女・優希ちゃんを亡くした本郷由美子さんだ。「18年前の事件当時、喪失感とショックで目に入るものの色も感じないし、匂いも味もしない。それだけでも心が壊れてしまう寸前でしたが、傷を負った娘の悲惨な姿がニュースで映されていて、それを目にすると、二重に胸を抉られる思いでした」 本郷さんの心に変化が生じたのは、ある事実が明らかになってからだ。「当初、警察から、娘は『心臓を刺され即死だった』と聞かされていましたが、本当は致命傷を負いながらも廊下まで逃げ出て、校舎の出口に向かって懸命に歩いていたことがわかったんです。あの子は、最後まで生きようとしていたんです。その姿がまぶたに浮かんできた」 本郷さんは、「悲しみと折り合いをつけるには時間がかかる」という。「憶測に基づく報道やバッシングのコメントが、空白ができた遺族の心にすっと入り込んで、余計に喪失感を味わうことがあります。今回の事件のご遺族や被害者の方々も、その苦しみに襲われることが心配です。そうならないためにも、メディアには冷静になって正確な情報を届けてもらいたい」 悲嘆を知る人の言葉は、重く響く。※週刊ポスト2019年6月14日号
2019.06.03 11:00
週刊ポスト
事件現場には児童たちが乗っていたスクールバスが(時事通信社)
川崎襲撃の岩崎容疑者、池田小事件・宅間守との共通点は
 5月28日、神奈川県川崎市多摩区の路上で小学生ら19人が男に襲われ、2人が殺害される事件が発生した。犯行に及んだ同市に住む岩崎隆一容疑者は現場で自らの首を刺し、死亡。警察は被疑者死亡のまま書類送検する方針だ。 被害に遭った児童たちが通っていたのが私立の名門校、カリタス小学校だった。幼稚園から高校まであるカトリックの学校で、中学からは女子校となっている。小学校は共学だが、男子児童は少ない。登校には原則として市営バスかスクールバスを使うことになっているという。 恵まれた環境で学ぶ子供たちをターゲットにした犯罪といえば、2001年の大阪教育大学附属池田小学校事件が思い起こされる。1、2年生8人が命を落とし、教師を含む15人が負傷した。包丁を手に犯行に及んだ宅間守は本人の希望通りに死刑判決を受け、刑は2004年に執行された。 精神科医の片田珠美さんは、この事件と川崎の事件の類似性を指摘する。「対象が小学生で非常に似通っています。今回の事件では、本人が犯行後、自殺によって死亡しているので『拡大自殺』でもあります。拡大自殺とは、自分ではなく社会や世間のせいで自分は人生に絶望することになったと考え、復讐願望を持つ人物が、社会や世間を巻き添えにして引き起こす自殺です。 そして、拡大自殺は無差別殺人とセットになりやすい。1999年にアメリカのコロンバイン高校で起きた銃の乱射事件も、2007年にバージニア工科大学で起きた銃乱射事件もそうです。絶望感と復讐願望が、無差別殺人と自死につながるのです」 さらに片田医師は、無差別殺人には、対象を絞らず不特定多数を攻撃するタイプと、宅間が「エリート校の児童」を狙ったように、ターゲットを絞るケースがあるという。「今回の事件も池田小の事件も、明らかにエリートの卵を対象にしています。自分の境遇が恵まれないのは、社会や世間、親などのせいという他責的傾向に、なんらかの理由で被害妄想が組み合わさると、周囲から迫害を受けていると感じ、迫害の原因となっているのはエリートだという思い込みに基づいて、攻撃しようとなるのです。今回も根底にはエリート、とりわけ、カリタス小という環境への羨望や敵意があったのでしょう」※女性セブン2019年6月13日号
2019.05.30 07:00
女性セブン
平成13年を振り返る 9.11テロ、USJ開業、小泉内閣など
平成13年を振り返る 9.11テロ、USJ開業、小泉内閣など
 来年の春で幕を閉じる「平成」の時代には、様々な出来事があった──。今回は平成13年(2001年)の重大ニュースを振り返る。 米国史上最悪の被害をもたらした、アメリカ同時多発テロ事件(9.11事件)が発生。ハイジャックされた旅客機4機のうち2機がニューヨークの世界貿易センタービルに相次いで衝突。1機は米国防総省(ペンタゴン)に激突し、1機はピッツバーグ郊外に墜落。約3000人以上が犠牲になった。米国は、アフガニスタンに潜伏中のオサマ・ビン・ラディンを首謀者とするグループの犯行と断定。支援するタリバン政権を攻撃し、崩壊させた。 国内では森喜朗前首相の退陣表明を受け、小泉純一郎内閣発足。田中眞紀子外相ら過去最多の女性閣僚5名を登用。 大阪では小学校の通用門から校内に侵入した宅間守(2004年に死刑執行)が児童らを刃物で襲撃。2年生の女児7人と1年生の男児1人が亡くなり、児童と教諭あわせて15人が重軽傷を負った。この事件を機に各地の学校で校門の施錠や防犯カメラの設置等、安全対策が強化された。 9月、国内で初めて狂牛病(牛海綿状脳症・BSE)に感染した牛が発見された。国民の牛肉離れが進むなか、店頭に「お願い 助けてください」と張り紙をして話題を呼んだ『ペッパーフードサービス』の一瀬邦夫社長は現在ステーキ専門店『いきなり!ステーキ』で大当たり。 うれしいニュースでは、12月1日、皇太子ご夫妻に第1子がご誕生。敬宮愛子さまと命名された。 芸能界では人気絶頂だった反町隆史と松嶋菜々子が入籍。記者会見はふたりが交際するきっかけとなったドラマ『GTO』の撮影場所、フジテレビ内で行われた。映画では宮崎駿監督の『千と千尋の神隠し』が観客動員数日本最高記録の2350万人を達成。 ヒット商品では携帯型デジタル音楽プレーヤー『iPod』。この年の流行語は「塩爺」「『明日があるさ』」など。■平成13年の主な出来事1月22日 初の外国人横綱・曙が引退2月22日 反町隆史と松嶋菜々子が入籍会見3月3日 『ユニバーサル・スタジオ・ジャパン』オープン4月1日 家電リサイクル法施行。食品リサイクル法も5月に施行4月6日 配偶者暴力防止・被害者保護法(DV防止法)成立。10月13日施行4月26日 第1次小泉内閣発足6月8日 大阪・池田市の大阪教育大附属池田小学校で男が児童8人を刺殺9月4日 『東京ディズニーシー』オープン9月10日 BSE(狂牛病)に感染した乳牛が日本で初めて見つかる9月11日 米・同時多発テロ事件が発生10月1日 NTTドコモが第3世代移動通信システム『FOMA』開始11月17日 アップルから『iPod』が発売12月1日 敬宮愛子内親王がご誕生※女性セブン2018年11月22日号
2018.11.11 16:00
女性セブン
秋葉原事件など無差別殺傷事件の犯人の多くはなぜ男なのか?
秋葉原事件など無差別殺傷事件の犯人の多くはなぜ男なのか?
 過去の無差別連続殺傷事件を振り返る。 新幹線殺傷事件の小島一朗をはじめ、附属池田小児童殺傷事件の宅間守、神戸連続児童殺傷事件の少年A、土浦連続殺傷事件の金川真大元死刑囚、秋葉原通り魔事件の加藤智大死刑囚、そして、相模原障害者施設殺傷事件の植松聖被告…。 日本中を震撼させる犯行に及んだ犯人はいずれも男性だった。 無差別の凶悪犯罪に及んでしまう心理に、性差は関係するのか。犯罪心理学に詳しい筑波大学人間系教授の原田隆之さんが解説する。「確かに過去の無差別殺傷事件の犯人は圧倒的に男性が多い。理由として考えられるのは、男性ホルモンに含まれる『テストステロン』という物質です」「テストステロン」には骨や筋肉の強化や性機能の維持など、男性にとって重要な役割を持つ一方で、攻撃性や粗暴さを高める面も持っている。「もちろん、男性であることそのものが犯罪に結びつくわけでは決してありません。大きな犯罪が起きる背景には、家庭不和やアルコール乱用など、さまざまな要因がある。その中の1つを取り出してあげつらうのは危険です。犯人のパーソナリティーや置かれた環境、脳の状態など、生物学的な面と心理学的な面の両方から分析することが求められています」(原田さん)※女性セブン2018年7月12日号
2018.07.02 07:00
女性セブン
女性セブン2018年2号の当該記事以外使用NG
宅間守、植松聖などの凶悪犯罪者を矯正することは可能か
 日本列島を震撼させた神奈川県座間市で発覚した9遺体事件。白石隆浩容疑者(27才)はSNSを用いて自殺願望のある人々に接近し、男女9人の遺体を包丁やのこぎりで解体。自宅のクーラーボックスや大型の収納箱に収容し、何食わぬ顔で日常生活を送っていた。元FBI特別捜査官でプロファイラーのマーク・サファリック氏は、白石容疑者について「サイコパスである確率は極めて高い」と指摘する。「サイコパスとは、『反社会性人格障害』ともいわれる、精神的な疾患の一種です。最大の特性は、共感能力の欠如。彼らは相手に感情移入することが一切ない。加えて自分の行動を顧みることがなく、罪の意識を持つこともない」 サイコパスは外見上ごく普通の人間で話術に長け、市井に上手く溶け込んでいるという。そう簡単には見分けることはできないのだ。◆自分を病だと思っていないので、治療意欲自体がない サイコパスの凶悪犯罪者を矯正させることは可能か──。長年議論になってきたこの問題について、筑波大学人間系教授で犯罪心理学者の原田隆之氏が語る。「海外ではさまざまな治療プログラムが実施されていますが、完全に矯正させるのは至難の業だと思います。 というのも、うつ病や強迫性障害などの精神疾患と違って、彼らは自分を病だと思っていないからです。これまでの人生でつらい思いをしたわけでもなく、悩んでもいない。治療意欲自体がないんです。例えば性犯罪者治療の場合、性衝動を抑える薬を用いることがあるのですが、それをのみ続ける動機を本人が持ち得ない。 サイコパスの殺人犯となると、嘘をついたり表面を取り繕ったり、うまく改心したふりをするケースも多い。女性8人を殺害し、戦後最悪のシリアルキラーといわれる大久保清は、連続殺人事件を起こす直前まで別件で服役しており、刑務所では模範囚でした。しかし、仮釈放になるや否や被害者の物色を始めています」 日本の犯罪史上に残るシリアルキラーを見ると、前科がある人物ばかりである。“陰獣”と呼ばれ、1945~1946年にかけて女性7人を強姦して殺害した小平義雄は、過去に殺人の前科で服役しており、出所後同じ罪を犯している。 2001年に大阪府池田市の池田小学校で児童8人を殺害した宅間守も、強姦や傷害で複数の前科を持っていた。 2016年、相模原の障害者施設で19人の入院患者を殺害した植松聖は、「自傷他害の恐れあり」として、事件直前まで措置入院(行政による強制入院)の処置が取られている。 犯罪を繰り返しながら自分を省みることなく、他者が矯正もできない。そんな危険人物がどこに潜んでいてもおかしくない現代社会。善良な市民に対応策は存在するのか。脳科学者の中野信子さんは、過去にこう書いている。《何かおかしい、と思ったら、その人がいる場所に近づかないこと。あからさまに避けると「正体がバレた」と思って攻撃してくる危険もあるので、何か理由をつけ、フェイドアウトしていくのがおすすめです》(『婦人公論』2017年9月12日号) 仕事やつきあいなどの関係でどうしても縁が切れない場合は、《できるだけ「ドライな関係」を築く》(同前)より他ないという。 サファリック氏もこう話す。「どう見ても危ない人間だと感じたら、引っ越しをしてでも逃げるしかない。命はお金に代えられないのだから」「君子危うきに近寄らず」が最良の選択なのかもしれない。※女性セブン2018年1月4・11日号
2017.12.23 16:00
女性セブン
凶悪犯が酒鬼薔薇聖斗に憧れ宅間守や加藤智大に憧れない理由
凶悪犯が酒鬼薔薇聖斗に憧れ宅間守や加藤智大に憧れない理由
 千葉県柏市で起きた連続通り魔事件の竹井聖寿(せいじゅ)容疑者(24才)は、ネットで尊敬する人として、神戸連続児童殺傷事件(1997年)の「酒鬼薔薇聖斗」の名前を挙げていた。しかし、この通り魔犯だけではなく、数多くの犯人たちも、彼への憧れを口にしている。 なぜ、彼らはこうも酒鬼薔薇に憧れるのか。精神科医の和田秀樹氏は、その背景として、格差社会とネット文化を指摘する。「現代の格差社会において、竹井容疑者のような無職や非正規社員の人たちは、現実に背を向けてネットの世界に逃げ込みやすい。鬱屈した彼らの中には、社会への恨みを抱く一方で、“おれだってデカいことができるんだ!”という自己顕示欲が人一倍強い人が出てきてしまうんです」 そうして、いつしかネット住人の中に“殺人”という手段で世間の注目を集めて自分を認めてもらおうとする過激な人間が出てきた。 そんな彼らにとって、最も記憶に残る、センセーショナルな殺人犯というのが――「酒鬼薔薇なんです。竹井容疑者も含め、酒鬼薔薇を崇拝する人々は、皆、小さい頃にあの事件をテレビで見て、日本中が騒然となった様子を肌で感じた世代です。彼らにとって酒鬼薔薇は“時代の寵児”なんです。 同じ凶悪殺人犯でも大阪の宅間守死刑囚(2004年執行)や秋葉原の加藤智大被告が崇拝の対象になることが少ないのは、少年ではないうえ、名前も写真も公表されているからでしょう。 酒鬼薔薇は若い世代にとって猟奇殺人の“元祖”なうえ、本名も顔写真も公開されておらず、そのことが彼らにとって、ある種の“神秘性”を感じさせる結果になってしまったのでしょう」(前出・和田氏)※女性セブン2014年3月27日号
2014.03.15 07:00
女性セブン
公開原則禁止の元死刑囚宅間守の鑑定書をそのまま出版した本
公開原則禁止の元死刑囚宅間守の鑑定書をそのまま出版した本
【書評】『宅間守 精神鑑定書』岡江晃/亜紀書房/2520円【評者】香山リカ(精神科医) 2001年6月、大阪教育大附属池田小で宅間守なる男性に8人の児童が刺殺されたおぞましい事件は、彼の死刑が執行されて約9年がたった今でも、私たちの脳裏から消えない。宅間には精神科での治療歴があり、その責任能力の有無を明らかにするために専門家による精神鑑定が行われた。公開が原則、禁じられている鑑定書をそのまま出版したのが本書だ。結論を記すと、鑑定書は犯行への責任能力に関して「十分にあり」としている。  その上で一般の読者が気になるのは、「宅間の診断名」だろう。その点について精神科医らは、「幼児期からの特異な心理的発達障害」「虚言癖、自己中心性が目立ち共感性を持てない、人格の障害・情性欠如」「強い猜疑心、嫉妬などを特徴とする妄想反応」という3つをあげている。 しかし、これらはいずれも彼の起こしたあまりに特異な犯行を説明する決め手になる診断名とは言えない。ただ、かつて少年刑務所から父に送った手紙を見ても、彼自身、そのような自分を持て余していたことがうかがわれる。「屈折している面、一本抜けている所、不安定な部分、精神病者と境界線にいる所等、全て自覚しております」。青年になった宅間は4人の女性との結婚、離婚訴訟、借金や詐欺、精神科病院への入退院を繰り返した。事件から2年前には、7歳年上の兄が頸部を切って自殺している。 犯行直前には、無気力状態に陥って自殺を思いたつが未遂に終わる。そのとき彼の頭に「誰かを殺したろう」との考えが浮かび、それから殺人を空想すると「モリモリーと元気がでて」となったという。しかし、ただの空想と実行との間には大きな乖離があり、それは鑑定では埋め尽くせていない。一般の読者は納得できないだろう。 著者は本書の出版の目的のひとつに「専門家による診断の妥当性の検討」をあげているが、それ以外にも考えなければならない「なぜ」はまだ山のようにある。本書を素材に多くの解説が生まれることを期待したい。※週刊ポスト2013年8月2日号
2013.07.24 16:00
週刊ポスト
ビートたけし無差別殺傷事件を語る 死刑=最高刑はもう古い
ビートたけし無差別殺傷事件を語る 死刑=最高刑はもう古い
『メルマガNEWSポストセブン』では、ビートたけし、櫻井よしこ、森永卓郎、勝谷誠彦、吉田豪、山田美保子の各氏が、毎号書き下ろしの時事批評を発信する。7月20日に配信された24号では、ビートたけし氏が、相次ぐ無差別殺傷事件に注目。日本の「死刑制度」に異議を申し立てる。以下、メルマガより一部公開する。 * * * 自慢じゃないけど、オイラはこれまでいくつか未来を予言して「的中」させてるんだよな。 そのひとつは、「自分が死にたいから殺人を犯すヤツがドンドン出てくる」ってことだよ。これは2001年に大阪・池田市で宅間守が小学生無差別殺傷事件を起こした時にいったことだけどさ。あの時、宅間本人が「早く死刑にしろ」なんていってやがったのに、望み通りすぐ死刑にしてやったのが大きな間違いだったね。こないだ大阪・ミナミの心斎橋で「自殺しきれなかった」って2人を殺して死刑になろうとしたバカヤローが出てきたもんな。 死刑制度の是非が議論されて久しいけど、いずれにしても今の死刑ってのは人権に配慮して「いかに苦痛をなくすか」に特化しててさ。日本は絞首刑だけど、そのやり方は死刑囚に苦痛を与えないように最大限配慮してあるらしいね。 一方で、自殺ってのはだいたいとんでもなく痛いだろ。特に躊躇して死にきれなかった場合は目も当てられないよ。自分でやる首つりにしたって、飛び降り自殺にしたって、地獄の苦しみを味わうことになるんでさ。 だから「自分でやるより国に殺してもらおう」ってヤツが出てくるのはトーゼンでね。大阪府知事がミナミの通り魔事件の犯人に「死にたいなら自分で死ね」っていって叩かれていたけど、自分でやるよりよっぽど丁寧に殺してくれるってオチなんでさ。この国は、凶悪犯罪を起こせばゆりかごから墓場まで税金で面倒見てくれる素晴らしい福祉国家なんだよ。「死刑=最高刑」って考え方はもう古い。「これなら死んだほうがマシ」ってくらい「生きていく辛さ」を思い知る刑を考えなきゃ。※メルマガNEWSポストセブン24号
2012.07.21 07:00
NEWSポストセブン
土浦→秋葉原など連鎖する通り魔事件 犯人たちの共通項6つ
土浦→秋葉原など連鎖する通り魔事件 犯人たちの共通項6つ
 大阪・東心斎橋通り魔事件(6月10日発生)で逮捕された礒飛京三容疑者(36)は、2人の命を奪った動機について、「自殺するつもりだったが死にきれなかった。人を殺せば死刑になると思って行きずりに人を刺した」と供述している。  通り魔事件(無差別殺傷事件と未遂含む)は、2010年末までの10年間で67件起きている。 古くは1966年、横浜市鶴見区で26歳の工員が通り魔に刺殺された事件は、映画『衝動殺人・息子よ』の題材となり、犯罪被害者給付金制度の成立に結びついた。1981年の深川通り魔殺人事件、1999年の池袋通り魔殺人事件など、犯罪史に残る凄惨な犯行は後を絶たない。  土浦連続殺傷事件と秋葉原通り魔事件が起きた2008年は年間14件を記録しているが、2009年は4件、2010年が5件、2011年は6件だった。 なかでも今回の事件は、その残忍さにおいて衝撃的だ。 警察関係者はこんな言い方をする。 「通り魔は非常にメッセージ性の強い犯罪ゆえ、ひとつ大きな事件が起きると連鎖する危険性がある。今後、これに触発されるような動きが出なければいいのだが……」 既に今年に入って、1月には大阪市淀川区で35歳の女が小学生を切りつける事件があった。2月には東京・渋谷で70代の女が61歳の女性を刺した。 5月には地下鉄渋谷駅構内でサバイバルナイフによる殺人未遂が起き、帯広市でも連続通り魔事件が起こっている。そして今回の事件。例年と比較してもその“ペース”は早いように見える。犯罪者心理に詳しい新潟青陵大学大学院の碓井真史教授が指摘する。「大きな事件が発生すると、犯人の生い立ちや動機などが詳しく報じられます。たとえば社会への反抗心などに、“予備軍”が共鳴してしまうことはこれまでもありました」 礒飛容疑者が誰の、どんな犯行に“感化”されたのかは本稿締め切り時点ではわかっていないが、附属池田小事件の宅間守元死刑囚は、公判のなかで、1999年の下関通り魔事件の“模倣犯”になりたかったと供述している。 同事件は、犯人が駅構内にクルマで突っ込み、何人もの利用客を轢いた後、包丁で切りつけ、5人が死亡、10人が負傷した凄惨なものだった。 この犯人は「事業に失敗し、何をやってもうまくいかないのは、両親と社会のせいだ」と自供した。そして、この犯人もまた、事件の3週間前に発生していた池袋通り魔事件(2人死亡、6人重軽傷)を意識したと供述していた。それだけではない。 秋葉原事件の加藤智大被告が3か月前の土浦連続殺傷事件の金川真大死刑囚に強く影響されていたことはまだ記憶に新しい。そして加藤被告の存在、同被告が表明した劣等感や孤独は、2010年のマツダ本社工場連続殺傷事件の犯人を触発したとされる。 歴史的に見ても、通り魔は連鎖する傾向が明らかなのだ。では、そうした犯人たちについて、共通項は見いだせるのか。 京都大学非常勤講師で『無差別殺人の精神分析』の著書がある精神科医の片田珠美氏は、米国の犯罪学者ジャック・レヴィンとジェームズ・アラン・フォックスの研究に基づき、大量殺人を引き起こす要因として以下の6つを挙げた。【1】長期間にわたる欲求不満【2】他責的傾向【3】破壊的な喪失【4】外部からのきっかけ【5】社会的、心理的な孤立【6】大量破壊のための武器「通り魔的な大量殺人の犯人の多くはまず自殺願望を抱いています。しかし併せ持っている他責的傾向が強いために、自殺願望が他者への攻撃衝動にすり変わる。“自分を蔑ろにした社会への復讐のための自殺”が無差別大量殺人へとつながっていくわけです」(片田氏)※週刊ポスト2012年6月29日号
2012.06.18 07:00
週刊ポスト
たけし 死刑になるために重犯罪を起こす人間の登場を危惧
たけし 死刑になるために重犯罪を起こす人間の登場を危惧
 今年8月、千葉景子前法務省が東京拘置所の死刑刑場を公開するなど死刑が話題となったが、ビートたけしが「死刑」について語る。 * * * 世の中、死刑の話というと、「容認」か、「反対」かって話ばかりになっちゃうけど、オイラは正直、時代遅れの議論だと思うよ。「死刑=極刑」ってのは、今のニッポンにはそぐわないぜ。ニッポンには年間3万人の自殺者がいるわけで、「死にたい」と思ってる人間は、それ以上に多いわけだよ。 そういう「死にたい人」が、死刑になりたいがために、とんでもない犯罪を犯しちまったらどうするのかって思うんだよな。 実際に、大阪の小学校で子供を殺しまくった宅間守なんてヤツがいたわけでね。宅間はすぐ死刑にされちまったけど、「自分を殺せ」なんていってるヤツを死刑にしちまうなんて、ありえない話だよ。いつ宅間の模倣犯が出てもおかしくないんじゃないか。 今の時代、極刑は死刑じゃなくて、「強制労働」に代えた方がいいよ。自分の食い扶持は自分で稼げってことで、死ぬまで畑を耕し続けたり、室内温度50度以上の工場でも構わず長時間労働させりゃいいんだよ。強制労働が辛けりゃ辛いほど、犯罪率が低下するんじゃないかってね。 死刑囚を何十年も生かしていくために、オイラたちの税金が使われているっていうのもなんだかバカげた話なんで、政府はマジで「強制労働刑」を考えろっての。わかったか、ジャン、ジャン!※週刊ポスト2010年9月24日号
2010.09.27 15:06
週刊ポスト

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