コロナウイルス一覧/3ページ

【コロナウイルス】に関するニュースを集めたページです。

新型コロナウイルスの感染拡大以降、3年ぶりに会場で開催された「ニコニコ超会議」で、ビデオでワクチン接種を呼びかける岸田文雄首相(時事通信フォト)
「ワクチンは打ちたいけれど」 今さら気軽に打てないと嘆く人もいる
 ワクチンを打つべきかどうか、マスクを着用すべきかどうか、誰かに決めてもらうのではなく自分で決めなければならない場面に直面させられて、戸惑い、不安を抱える人たちがいる。ライターの森鷹久氏が、ワクチン接種をめぐり理不尽なことばかり自分に起きるという人の嘆きをきき、今のコロナ対応では救いきれない人たちの存在について考えた。 * * * 新型コロナウイルスのワクチンについて、我が国内において政府が推奨する「3回接種」を終えた人は、総人口の50%を超えたという。筆者の周りには、3度目の接種を終えていないという人もチラホラいるが、一部で目立っている強烈な「反ワクチン」思想を抱く人は、それほど多くないと言った印象だ。 しかし、今なお「ノーワクチン」状態だという都内在住の販売店勤務・丸尾菜美さん(仮名・30代)は、もはや打ちたくても「気軽に打てる状況ではない」と訴える。「元々ワクチンは怖いという印象があり、インフルエンザワクチンも、大人になってからはほとんど打っていません。コロナワクチンに対しては、さらに疑問を抱いていました。マスコミや行政が一様に『打つべき』と言っているのも怖くて、反ワクチンの人たちの書き込みやブログ、動画を見ているうちに、絶対に打ちたくないと思うようになりました」(丸尾さん) ワクチンは、いわゆる「ゼロリスク」というものではないのも事実。起こり得る副反応などとリスクの大きさを比較して、多くの人が接種することが公衆衛生上で有効であるとの判断から実施されているので、個々人の「気持ち」は考慮の材料としてさほど大きな要因になりえない。だからこそ、接種について不安が拭いきれない人がいるのも無理はない。丸尾さんはこの消えない不安を解消するために、反ワクチン論者の言説に触れ、そして積極的に理解しようとした。その結果、ぼんやり程度だった不安を肥大化させてしまったのである。 では、気持ちが固まって落ち着いたのかというと、そうはならなかった。反ワクチンを主張する人々とのやり取りでは、違和感も感じたのだ。「最初は打つも打たないも個人の自由、と言われていてその通りだと思ったんです。でも、反ワクチン系の人たちは次第に『打つことは悪』というふうに変わっていってしまい、ワクチンの非接種を強要し始めました。もちろん、打つべきという政府も、打つも打たないも自由とはいいつつ、社会の空気に強要されているように感じ、受け入れがたかったのですが」(丸尾さん) 右が嫌だから左に行くと、左の雰囲気にもなじめずに「どこにも行き先がない」と感じているらしい丸尾さん。社会生活をしていれば、学校で会社で、同じような思いをすることは少なからずあり、今回もその一つとして受け止めるしかないのかもしれない。だが、みずから「親や先生の言いなりみたいに、可もなく不可もなく生きてきた」というだけあり、接種するかしないか、初めて自分だけで「決断」しなければならない状況に追い込まれ、パニック状態に陥ってしまっているようだった。 そして、丸尾さんの勤務先で決定的な出来事が起きる。ワクチン接種済みの女性上司がコロナに感染し、丸尾さん以外の店舗従業員全員の感染も、のちに発覚したのである。「女性上司の旦那さんは同じ会社の本社勤務の幹部で、ノーワクチンだと威張っているような方でした。でも、女性上司の感染が発覚後、旦那さんも、同じ部署の人もみんな感染していたのか濃厚接触者に認定されたのか、誰も出社していなかったんです。結局、症状もなく女性上司との濃厚接触がなかったの私一人で店を回すことになり、ゴールデンウィークの休みもゼロ。ワクチンを打ってても感染するのに、結局私はワクチンを打っていないし、かかっても平気だろうということなのか、私だけが駆り出された形です」(丸尾さん) 自分は被害者ではないのか、そう考えてネットでいろいろな情報に触れるうちに、様々な思いが去来したという丸尾さん。打つべきか打たぬべきか、結局誰が言っていることが正しいかもよくわからない。丸尾さんの中では「調査」のつもりだったのだろうが、思い込みによって自身の求める情報、好みの情報ばかりをつまみ食いし、情報の精査も行ってこなかった。気が付いた時には、自分自身がどこに立っているのかすらわからない、そんな気持ちにもなったという。 いま、丸尾さんはワクチンの接種を検討しているので、先日、最寄りの保健所に電話で相談した。ところが、「なぜ打たなかったのか」としつこく理由を聞かれ、最後には「最初から打っておけば心配することはなかった」と言われ、自分が非難されているような気分にさせられたというのだ。もっとも、これはあくまで丸尾さんの気持ちがそう受け取ったのであって、保健所窓口の担当者が、個人的な非難の気持ちをぶつけてきた確証はない。 3年もの間コロナ対応に忙殺される保健所や病院などの対応に、新規感染者が幻滅する例もある。わかりやすく言えば、病院や看護師は「コロナ慣れ」しているから患者対応も淡々と進めるだけだが、患者のほとんどは「初感染」。怯える感染者と病院や看護師のテンションにはすでに大きな差があるのだ。「なぜ今までワクチンを打たなかったか」というのは、ただたんに最初に発送された接種券が使われなかったことの理由を報告のために聞いているだけの可能性が高く、最初から打っておけばというのは、今後のワクチン接種も早めにお願いしますという意味しかなかった可能性が多い。しかし、不安な気持ちを持て余している丸尾さんのような人たちからは「対応が雑」と思ったと愚痴が聞こえてくることも少なくない。 そして、丸尾さん個人の問題はまだ解決していない。気後れから、今なお接種への踏ん切りがつかないという。「社内では、わざわざ『接種をしてない方へ』というメールが全員に送られてきます。打ってない人だけに送ればいいものを全体送信しているのも意図を感じる一方で、店舗で感染者が出た件は全体に周知されていない。打つのも打たないのも自由、と言っていた人はワクチン接種推進派、否定派のどちらにもいなくなっていて……」(丸尾さん) 打とうとすると「今更」と言われ、打たないと白い目で見られる。以前にもまして、何が正しく、誰が言っていることが本当なのかわからなくなったという丸尾さん。気持ちに振り回されて決断や行動ができない丸尾さんのような人は、特殊な事例ではなく、ありふれた人として大勢、存在するだろう。誰もが理性的になり冷静に決断することはできないものだ。どちらかというと、人当たりがよく皆に好かれるようなタイプの人が多いかもしれない。それが、この厳しい現実のもとでは弱者のような存在になってしまうとは。 新規感染者数が落ち着いてきたとはいえ、まだまだ余談をゆるさない状況は続いており、対応に追われる部局はどこも目の前のことで精一杯なままだろう。まだしばらくは、不安な気持ちで困っている人たちの救済や丁寧な説明について、正直なところ、後回しにせざるを得ないようだ。
2022.05.21 16:00
NEWSポストセブン
(写真/PIXTA)
増加する子供の「原因不明肝炎」 コロナ、プール、犬などとの関連を指摘する説も
「ただの風邪だろう」──その判断が子供の命を奪うかもしれない。新型コロナウイルスの第6波が収まったかのように見えるいま、子供たちが密かに新たな脅威にさらされている。欧米で増加している「原因不明の肝炎」だ。発症のメカニズムがわからないなか、命を守る方法とは──。 ぐったりとした娘を抱えて病院に駆け込んだのは、「ウイルス性の風邪でしょう」と診断された翌日のことだった。幼い娘の両目は黄色く濁り、ピンク色だった頰は黄色く変色し始めていた。 嘔吐と黄疸に加え、意識が朦朧とするなど、一刻を争う状態だった。集中治療室に運ばれた後、新たに告げられた病名は「急性肝炎」。さらに、「健康な肝臓を移植しなければ、命は助からない」と医師から宣告された──。 つい2、3日前まで元気だった子供が臓器移植が必要な体になる。信じがたい話だが、今年3月、イギリスで実際に起きた出来事だ。 いま、0~16才の子供が原因不明の肝炎を発症するケースが世界的に急増している。 小児肝臓病を専門とする近畿大学医学部小児科の医師・田尻仁さんは次のように説明する。「欧米を中心に子供が肝炎を発症し、重症化するケースが報告されています。症状としては、嘔吐や食欲減退に始まり、黄疸によって顔や白目が黄色くなる、尿の色が濃くなる、白色便が出るなどがある。意識が朦朧としたり、けいれんを起こすこともあります。適切な医療を受けなければ、3~4日で死に至る可能性があります」 怖いのは、高熱が出たり、痛みを伴うことが少なく、自覚症状が軽いことだ。ただの風邪だろうと受診を遅らせ、検査の結果、肝炎と診断される頃には重症になっているケースが少なくないという。さらに治療は急を要する。「まずは対症療法として、点滴をしたり、血液中にたまったアンモニアなどを除去するために血液浄化治療を行います」(田尻さん・以下同) 対症療法だけでは回復しない場合、残された手段は臓器移植のみだ。「目下、アメリカでは肝炎を発症した子供の14%が臓器移植を受けています。2~3日で症状が急激に悪化するケースでは、臓器バンクからの臓器提供を待つ時間がないため、家族など近親者から提供してもらうことになります」 今年4月にWHOがイギリスで、原因不明の急性肝炎を発症する子供が増えていることを発表した。以来、世界中から同様の報告が相次ぎ、欧州疾病予防管理センター(ECDC)によれば、この4月以降、世界中で0~16才の子供450人以上が原因不明の肝炎を発症しており、そのうち30人近くが肝臓移植が必要と診断され、12人が命を落としているという(5月17日現在)。 さらに特筆すべきなのは、肝炎を引き起こす原因がわかっていないことだ。 肝炎は、通常A~E型の5種類ある肝炎ウイルスへの感染が原因となって発症することが多い。しかし、現在急増している子供の肝炎では、従来のウイルスが検出されていないのだ。 この原因不明の子供の肝炎は、海の向こうの話ではない。厚生労働省の発表によると、日本国内でも昨年10月以降、12人が原因不明の肝炎を発症しており、近く専門医などによる調査チームを立ち上げることが発表された。 今年3月に急性肝炎になった9才の男の子は、突然、何時間も嘔吐が止まらなくなり、胃液だけでなく緑色の胆汁まで吐いたという。次第に意識が朦朧とし、立ち上がることもできなくなった。 病院で血液検査を受けたところ、健康であれば0~40ほどに収まる肝臓の数値が1100を超えていた。急性肝炎と診断されたが、A~E型の肝炎ウイルスはいずれも陰性。一方で、新型コロナウイルスに感染していたことが判明した。プール授業再開に断念 新たな肝炎の原因は何なのだろうか。理由の1つとして考えられるのが新型コロナとの関連性だ。 イギリスで原因不明の肝炎を発症した子供126名を対象に行った調査では、約20%が新型コロナウイルスに感染していた。 また、同じ調査で新型コロナウイルスよりも高い感染率だったのが、「アデノウイルス」だ。肝炎発症者の約70%から検出された。「アデノウイルスは、発熱や咳、喉の痛みなどの風邪症状を引き起こす感染力が強いウイルスで、『プール熱』と呼ばれる咽頭結膜熱や、『流行り目』と呼ばれる流行性角結膜炎の原因となります」(国際未病ケア医学研究センター長・一石英一郎さん) しかし、これまで肝炎を起こすアデノウイルスはほとんど報告されていなかった。子供の肝炎と因果関係があるとすれば、どのようなことが考えられるのか。一石さんは、「あくまでも推測ですが」と前置きした上で、次のように語る。「まずあげられるのは、アデノウイルスが変異して、肝臓に直接何らかのダメージを与えたという考え方です。イギリスの保健当局も可能性について調査しています」 次に考えられるのは、新型コロナとの同時感染や既往歴が原因という説だ。「新型コロナに感染することで、肝臓の免疫機能に何らかの変調が起きた。その結果、アデノウイルスが肝細胞に侵入しやすくなった可能性があります」(一石さん・以下同) 加えて、犬が原因という説まで出ている。イギリス保健省の調査によると、発症した子供のうち70%の家庭で犬を飼っていたという。 仮にアデノウイルスが何らかの形で肝炎を引き起こしているとしたら、6月以降、日本でも、この子供の肝炎の“パンデミック”が起こるかもしれない。というのも、現在、各国で確認されている「F種41型」というアデノウイルスは、国立感染症研究所のデータによると、コロナ禍以前の日本では6月に最も多くの感染例が報告されていたからだ。 その理由の1つが子供たちが待ち望んでいるプールの授業である。「塩素による消毒が不充分な場合、プールの水を介してアデノウイルスの流行が広がることも多い。『プール熱』と呼ばれているのはそのためであり、例年、6月から夏にかけて子供を中心に感染が広がることが知られています。新型コロナの影響で中止していたプールの授業を今年から再開する学校が多いため、一気に感染が広がる可能性があるでしょう」 また、6月には海外からの入国者数の上限が1日1万人から2万人に引き上げられることも見逃せない。変異したアデノウイルスが原因の場合、新型コロナのように国内に流入し、爆発的に広がる可能性もあるのだ。 現状では、原因不明の肝炎は子供のみに広がっているが、アデノウイルスが子供を媒介にして大人に感染してしまうことも考えられる。幅広い世代で感染対策を取る必要がある。「アデノウイルスは、主に接触感染と飛沫感染によって広がっていきます。こまめに手を洗い、マスクをつけるなど、これまでどおりの基本的な感染対策を丁寧に行うことが重要です」 また、重症化させないためには早期発見がカギとなる。「便の色に異常がないか子供に報告させたり、食欲不振や倦怠感、嘔吐などの体調不良があれば、早めに病院に連れていきましょう。白目が黄色っぽく変色していないか、よく見ておくのも有効です」(前出・田尻さん) マスクの屋外不要論も出てきているが、新たな脅威が迫りつつあるいま、油断はできない。身近にいる子供のためにも、細心の注意を払いたい。※女性セブン2022年6月2日号
2022.05.20 11:00
女性セブン
悲観ムード一色の中国経済 コロナ封じ込め成功なら下期V字回復あるか
悲観ムード一色の中国経済 コロナ封じ込め成功なら下期V字回復あるか
 中国経済の減速が著しい。4月の鉱工業生産は2.9%減で、2020年3月以来のマイナスとなった。生産量をみると、自動車は43.5%減、セメントは18.9%減、原油加工は10.5%減と二けたの減少である。発電量も先月の+0.2%から4.3%減へと減少に転じている。固定資産投資、不動産開発投資は累計データしか発表されないが、関連データから4月の伸び率を推計すれば順に+1.8%増、10.1%減といった状況だ。 最も厳しいのは小売売上高で11.1%減であった。上海市で実施された都市封鎖、北京市の一部の区域で行われた人流制限をはじめ、程度の差はあれ各地域で行われたゼロコロナ政策が景気を強く抑制している。 5月5日に開催された中央政治局常務委員会では、「ゼロコロナ政策を徹底して行う」方針が示され、秋に実施されるだろう第20回全国共産党大会まで厳しいゼロコロナ政策が実施される可能性が極めて高い。中国経済の先行きが心配される。 ただ、足元ではこうした悲観が一変するかもしれないデータが出てきた。新型コロナウイルスの新規感染者数が急減している。 5月15日時点における本土新規感染者数(発症者数)は140人、症状の出ていない陽性者数は1019人となった。前後と比べて突出して高い4月28日を除けば、ピークは1か月前に当たる4月15日で、前者は3867人、後者は20813人であった。 地域別では上海の発病ベースの感染者数は69人、北京は39人、四川は14人。あとは一桁の地域が6省あるだけだ。共産党大会に向けてインフラ投資拡大も 感染の中核地域であった上海市では16日、新型コロナウイルス防御コントロールに関する定例の記者会見において、「上海市16区の内、15区で感染者数はゼロとなっており、ロックダウンされている区の総人口は100万人以内に減少した」と発表している。今後は、3つの段階を踏んで政策を完了させる計画で、最終段階となる6月1日から6月中下旬には、「市内全域で正常な生産、生活秩序を全面的に回復させる」としている。 上海市政府は慎重に計画的に正常化に向けたプロセスを実行しようとしていることもあり、新型コロナウイルスの封じ込めがうまくいく可能性もあるのではないか。 北京市での感染拡大も気になるが、当局は厳しい監督管理体制を敷いている。全国レベルでも6月いっぱいで封じ込めが可能だと予測している。 秋に実施されるだろう共産党大会では習近平国家主席の3期目入りが決定されるであろうが、それを盤石にするためには、新型コロナウイルスを封じ込めた上で、経済をV字回復させる必要がある。 投資家目線からいえば、悲観一色の中国経済であるが、ここをチャンスと捉える向きもあるだろう。4-6月期に大きく落ち込むであろう経済をV字回復させるには下期、インフラ投資を拡大させ、リベンジ消費ブームを引き起こす必要がある。香港上場の中国株、日本の代表的な中国関連株などに動きが出てくるかもしれない。文■田代尚機(たしろ・なおき):1958年生まれ。大和総研で北京駐在アナリストとして活躍後、内藤証券中国部長に。現在は中国株ビジネスのコンサルティングなどを行うフリーランスとして活動。ブログ「中国株なら俺に聞け!!」(https://www.trade-trade.jp/blog/tashiro/)も発信中。
2022.05.18 07:15
マネーポストWEB
不動産市況が悪化の一途をたどる中国
ゼロコロナ推し進める中国 出国者を厳格管理、パスポート無効化も
 中国政府は新型コロナウイルスの感染拡大防止策として、空港などからの出入国者について規制を強化する方針を決定した。旅行書類やビザを厳しく審査する一方で、国民に対して、「絶対に必要な場合以外は国外に出ないようにすべきだ」と呼びかけている。とくに、パスポートコントロールでは出国者に対して、どのような目的で海外に渡航するのかなどをしつこく質問し、不要不急ではない場合、パスポートを没収したり、パスポートの角をハサミで切り取って無効にしたりするなどの厳しい措置がとられている。 中国国家移民局は5月初旬、出入国管理部門が「最高レベルの予防と管理を続けている」とし、国境や空港での入国者の感染確認対策を厳格に遂行するとともに、出国者数を「低レベル」に抑えるように指導していることを明らかにした。 また、国境警備を担当している中国国家安全省も「近隣諸国の法執行機関と密接に協力して、違法な出入国活動を厳しく取り締まっている。中国内でも陸・海・空の検問所の国境警備隊が現地の状況や事情に応じた措置をとっている」などとしている。 ネット上の書き込みによると、広東省広州の空港では、バンコクから中国南方航空便で到着した中国人が入国管理官から「どのような目的で海外に出たのか。なぜ中国に戻ってきたのか。再び出国する予定があるのか」などとしつこく質問されたとのこと。乗客の中にはパスポートの角を切り落とされ、今後、海外渡航ができなくなった者もいたという。 また、中国から海外に留学する予定の人が飛行機に乗ろうとしたら、パスポートを切り取られたという事例や、パスポートを申請したら拒否されたという報告が、ソーシャルメディア上で相次いでいる。 このような事例について、南方週報(電子版)は「中国政府が出国する中国人の数を減らそうとしている。出国すれば、新型コロナ対策に関する世界の状況がわかってしまうからだ。また海外から戻ってきた人が再び海外に出ないようにパスポートを切ってしまうのもよくあることだ」と報じている。 世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長が10日、新型コロナウイルスの感染を徹底的に封じ込める中国の「ゼロコロナ」政策について、「持続可能とは思えない」と批判したが、その翌日、中国のネット検閲当局は国内の各SNSなどに掲載されているテドロス氏の写真、講演、関連投稿を削除した、とロイター通信は伝えている。
2022.05.15 07:00
NEWSポストセブン
10大新宗教に緊急アンケート 岸田政権は支持するか?日本の防衛力強化への見解は?
10大新宗教に緊急アンケート 岸田政権は支持するか?日本の防衛力強化への見解は?
 コロナ禍で失われていた人の集まりが元に戻りつつある。そうしたなかで再び活性化する新宗教の動き。本誌・週刊ポストは、政治、メディア、スポーツなど、我々が日常的に接しているものに多大な影響を及ぼしている「10大新宗教」各教団に、政治的スタンスや政策の評価などについて緊急アンケートを実施した。以下、それぞれの回答を紹介しよう。【一覧】政治やコロナ対策などについて、10大新宗教にアンケートした結果。個別に紹介【※10大新宗教は、幸福の科学、真如苑、崇教真光、世界救世教、創価学会、天理教、立正佼成会、霊友会、生長の家、PL教団】●アンケート質問項目【1】岸田政権を支持しているか。【2】ロシアによるウクライナ軍事侵攻を機に、日本の防衛力強化の議論が持ち上がっている。防衛力強化に賛成か、反対か。【3】新型コロナのワクチン4回目接種が検討されている。4回目接種に賛成か、反対か。【4】新型コロナへの感染対策はどのようにしているか。幸福の科学【1】「自由・民主・信仰」の価値観を重視し、「国防強化」「自助努力の精神」「小さな政府」「脱炭素政策の廃止」などを目指す幸福実現党を支持しております。岸田政権は、「新しい資本主義」を謳いながら、バラマキ政策を繰り返しています。また、成長戦略とする「デジタル化」や「マイナンバー」の推進は、監視社会・全体主義への道です。さらに、ウクライナ問題では、防弾チョッキまで送った段階で「軍事協力」を意味し、踏み込みすぎであり、「ウクライナの中立化」に向けた外交努力をすべきであると考えます。【2】日本は中国や北朝鮮の核に囲まれており、従来のミサイル装備だけでは、核の脅威に対する抑止力としては不十分です。防衛費を大幅に増加させ、「自らの国は自らで守る」体制整備を進めるべきであり、憲法9条も改正すべきであると考えます。また、日米同盟を基軸にしながら、英国やインド、オーストラリアとの関係を強化するなど、戦略的外交を構築し、ロシアが中国側に加担することのないよう、ロシアとも友好関係を続ける外交努力を行っていくべきと考えます。【3】ワクチンの副作用は、五年~十年以上見ないと分からないものであり、子孫に副作用がでる可能性があることや、変異種には効きづらいことを知った上で、権力による押しつけではなく、自分の責任と意志で受けるかどうか判断したほうがいいと考えております。【4】新型コロナウイルスは、エイズ・ウイルス遺伝子を使って多くの変異種が作られた中国の生物兵器であり、この姿を変えた戦争は長く厳しいと予想されます。その対応としては、「信仰心を高める」ことで「免疫力を強くする」他、衛生対策、除菌効果や感染の炎症を抑止する効果のある食品を取ること、さらに、肉体面では筋力をつけること、精神面では、「意志の力」のほか、「快活さ」、「積極性」、「建設性」等も大事であると考えております。真如苑【1】・【2】ご信徒お一人おひとりの思想・信条の自由を尊重しており、教団としてはお答えする立場にございません。【3】ご信徒お一人おひとりのご意見やお立場、健康状態がございますので、教団としてはお答えする立場にはなく、それぞれにお任せしております。【4】保健所や医療の専門家のご意見をもとに、基本的な感染対策(換気の徹底、距離の確保、マスクの着用)を徹底し、参拝や滞在時の細かいルールを定め、取り組んでおります。崇教眞光【1】日本国のために頑張って頂いていると存じます。政府の評価につきましては、回答を控えさせて頂きたいと存じます。【2】教団は、世界各国に争いのない恒久平和を目指しております。世界が緊張状態にある中、自国を守る為の適切な準備は必要かと存じます。政府には、争いのない世の中に向かって適切且つ慎重な判断を持って対応して頂ければと存じます。【3】ワクチンの接種に関しては、個人と家族で決めていただいております。職業上接種が必要な人もいれば、体調の加減で打ちたくない人や副反応が心配な人もいます。職場と家族の状況を勘案して個々での判断となります。【4】行政の指導に従って、基本的な感染対策となる、マスクの着用、手指消毒、換気、三密の回避(身体的距離の確保)を徹底しております。世界救世教【1】・【2】・【3】世界救世教は2つの被包括法人から成り立っており、各被包括法人の主体性を尊重した教団運営を行っております。そのため、【1】~【3】につきましては、被包括法人それぞれに見解が存在しておりますことを、ご理解いただきたくお願い申し上げます。【4】祭典や関連行事の開催に際しては、国や地方自治体の措置に従って、万全の感染拡大防止策を講じ、インターネットの活用にも努めております。戦禍や病によって人々の生命が脅かされる時代にあって、人間とは何か、どう生きるべきかを見つめ、すべての人が持つ利他性が発揮される新しい生活様式が築かれるよう努めております。創価学会【1】会として、政権の支持・不支持を決めたことはありません。【2】・【3】個別の政策についてのコメントは控えます。【4】政府や自治体が示す新型コロナウイルスの感染防止対策を順守し活動しています。天理教【1】・【2】・【3】個々の判断については、それぞれ信者さんの意見が分かれるものです。天理教の個々の教えに照らしながら、信者さん自身で判断し、対応してもらうものです。教団は、教団としてどう判断せよという立場にありません。【4】感染対策は、行政の案内も受けながら、教団としての感染対策を実施しています。人が集まる場をとりやめたり、集会を行う場合でも通常より集まる人員を削減するなどの対応を取っております。その上で信者さんは、日々の感染対策を行っておるところです。立正佼成会【1】弊会は推薦について「一党一派に偏しない」「人物本位」を原則としており、特定の政党および政権を支持することはございません。【2】一言で「防衛力強化」といってもさまざまな方法があり、一概に賛成か反対かを示すことはできません。弊会では3月12日に、「ウクライナ情勢に関するメッセージ」を発表しました。そのなかで、武力行使は恨みの連鎖を生むだけで、真の解決とはなり得ないと訴え、「二度と戦争を起こしてはならない」「国際問題を武力で解決しない」という絶対非戦の精神のもと、対話による平和的解決を求めました。「防衛力強化」の方向性が、新たな恨みの連鎖を生むことにならないよう、望んでいます。【3】ワクチン接種に関しては、個人の考えに委ねておりますので、本会としての見解はございません。【4】弊会では、会員のいのちの安全を最優先に考え、社会動向に対して「早めの自粛と遅めの再開」という基本方針で対応してきました。新型コロナウイルス感染拡大を避けるため、大規模な集会は中止し、式典や集合教育などはオンラインでの開催に切り替えてきました。全国各拠点(教会)の運営についても、詳細なガイドラインを設定し、地域差がある感染状況に応じて、教会毎に判断しています。また、東京・杉並区から要請があり、本部施設の一部を同ウイルスワクチンの集団接種会場として、杉並区に貸し出しました(期間:2021年4月~2022年3月)。また、2022年4月からは、東京都が実施する「PCR等検査無料化事業」の検査会場として同施設を東京都に貸し出しています(5月31日までを予定)。これらは、同ウイルスの早期収束と地域社会への貢献を願い協力するという教団の方針のもと対応しています。霊友会【1】支持しています。【2】今後の推移を注視しております。【3】基本的には賛成です。ただし、個人の意思を尊重します。【4】全国の霊友会施設において、政府発表の「感染拡大防止に向けた取り組み」をもとに三密を避ける・マスクの着用・手指消毒・検温等を実施しています。令和4年3月22日から8月31日までの行事等のあり方を定め、各施設の収容人数を通常の50%として実施しています。生長の家アンケート回答辞退PL教団アンケート回答辞退※週刊ポスト2022年5月20日号
2022.05.12 15:15
マネーポストWEB
世界経済の波乱要因「中国のゼロコロナ政策」は今後さらに厳しく、秋まで継続必至
世界経済の波乱要因「中国のゼロコロナ政策」は今後さらに厳しく、秋まで継続必至
 グローバルで株式市場が大きな変動に見舞われる中、米FRB(連邦準備制度理事会)の金融政策に世界の注目が集まっている。【写真】習近平氏は、政治的にゼロコロナ政策をさらに厳しく実施する方針 およそ40年ぶりの水準まで高まったインフレへの対策が急務である。しかし、利上げの幅が大きすぎたり、ペースが速すぎたりすれば、過剰流動性の急速な萎縮が起きかねない。そこに容赦のないQT(量的引き締め)が始まれば、予想外の資金流出が起きかねない。経済面では、景気をオーバーキルしてしまうかもしれない一方で、インフレ対策を始めるのが遅ければ、スタグフレーションを引き起こしてしまうかもしれない。 大きなリスクがあるからこそ、FRBは“失敗できない”のである。 最大の懸念材料は、FRBにも出来ることと出来ないことがあるという点だ。景気が過熱しているだけなら金融政策だけで対処できるかもしれない。しかし、外部要因など、供給サイドの問題を内包していたとすれば、それへの対処は困難である。 中国リスクはどうだろうか。 4月の中国の輸出(ドル建て)は3.9%増で、3月と比べ10.8ポイント低下した。伸び率大幅鈍化の最大の要因は、一部の地域で実施されている厳しい「ゼロコロナ政策」だ。 もっとも、足元で米国向け輸出に大きな鈍化がみられるわけではない。しかし、今後、厳格なゼロコロナ政策の実施が長期化し、米国側の需給要因ではなく、中国側の供給要因で米国向け輸出が鈍化するようなことになれば、米国は輸入インフレにも十分な警戒が必要となる。ゼロコロナ政策をさらに厳しく実施する 5月5日に開催された中央政治局常務委員会では、ゼロコロナ政策を徹底して行う方針が示された。 習近平国家主席が主催する共産党の重要会議においてゼロコロナ政策強化の方針が決定されたインパクトは大きく、6日の上海総合指数はそれまでのリバウンド基調が一変、2%超の下落となった。 習近平国家主席は会議の中で「武漢防衛戦線以来もっとも厳しい防御コントロールの試練を受ける中で、我々は今年3月以来、全国隅々まで心を一つにして努力し、肩を並べて作戦を練ることで、一定の成果を勝ち取った」と足元の対策を評価した上で「我々の防御コントロールの方針は共産党の性質や教義による決定である」と指摘しており、この対策が政治的に非常に重要だという点を強調している。 また、「グローバルな感染状況は依然として高い水準を保っており、ウイルスは不断に変異しており、感染状況が最終的にどうなるのか非常に大きな不確実性がある。一息ついて、脚を休める状況には程遠い。我が国は人口大国であり、老齢人口が多く、地域の発展は不均衡であり、医療資源の総量が不足している。防御コントロールの勢いを弱めれば大規模なグループ感染が起こり、大量の重篤患者、病死者を出現させてしまい、経済・社会の発展や人民の生命の安全、身体の健康が著しく悪影響を受ける」と指摘。 だからこそ、「1ミリも動揺することなく“動態的に完全なゼロ”を目指す総体方針を堅持する」と強調している。 新型コロナウイルス感染拡大の状況を見ながら柔軟に対応するということではない。政治的にゼロコロナ政策をさらに厳しく実施するというのだ。市場コンセンサスは「秋の共産党大会まで続く」 いつまで続くのか。 アジアオリンピック評議会は6日、杭州市において9月10~25日の日程で開かれる予定であったアジア大会を2023年に延期すると発表した。延期理由は新型コロナウイルスの感染拡大である。 ゼロコロナ政策は、秋に実施される第20回全国共産党大会まで続くだろうというのが市場関係者たちのコンセンサスだ。少なくとも、夏に開かれると予想される、最高指導者メンバーによる北戴河での非公式会議までは、この方針に修正が加えられる可能性は極めて低いのではないか。 今後は中央で決められたこの大方針が、省クラス、郷鎮クラス政府へと浸透していく。経済への悪影響は避けられない。 一方、4月29日に開かれた中央政治局会議では、当面の経済運営方針が検討され、5.5%前後の成長を目指すといった目標が堅持された。 ゼロコロナ政策を強化した上で5.5%前後の成長を目指すとすれば、内需拡大、特に即効性のあるインフラ投資や、不動産投資を拡大させること、あるいは年後半の行楽シーズンを目途に国内のリベンジ消費をフルに喚起させることなどが考えられるが、やれることは限られよう。 2020年における中国の輸出依存度は16.95%で世界第117位である。中国経済は既に内需主導型経済に移行している。結局、輸出にしわ寄せが及ぶのではなかろうか。 ゼロコロナ政策はすでに政治化しており、硬直的な政策となっている。中国のコロナ対策は今後の国際マーケットにおいて、大きな波乱要因となりそうだ。文■田代尚機(たしろ・なおき):1958年生まれ。大和総研で北京駐在アナリストとして活躍後、内藤証券中国部長に。現在は中国株ビジネスのコンサルティングなどを行うフリーランスとして活動。ブログ「中国株なら俺に聞け!!」(https://www.trade-trade.jp/blog/tashiro/)も発信中。
2022.05.11 07:15
マネーポストWEB
死因について様々なうわさも
中朝国境の丹東市で北朝鮮派遣労働者のコロナ感染拡大 中朝の鉄路貿易も再中断
 北朝鮮と国境を接する中国遼寧省丹東市の衣料工場で、北朝鮮からの女性労働者800人のうち20人が新型コロナウイルスに感染していることが確認されたとして、工場が閉鎖となり、丹東市の一部地域が都市封鎖(ロックダウン)に入っていることが明らかになった。しかし、市政府と北朝鮮総領事館は市民の北朝鮮感情に留意して、この事実を隠蔽し、「単なる咽喉炎」だと発表しているという。この工場では医療従事者が着用する医療用の防護服を製造しており、24時間の勤務体制を敷くなど感染対策には極めて重要な工場だったことからも、市政府は北朝鮮労働者のコロナ感染を隠しているとみられる。米政府系報道機関「ラヂオ・フリー・アジア(RFA)」が報じた。 丹東市では4月中旬から感染者が増えており、この工場でも4月27日に北朝鮮労働者800人全員がPCR検査を受けた結果、20人の感染が確認されたことから、直ちに工場閉鎖の措置がとられた。 RFAの取材に対して、工場側は「単なる咽喉炎であり、新型コロナウイルスではない」などと答えているが、情報筋は「中国側は、国連の対北朝鮮制裁に違反して、北朝鮮籍の労働者を雇用しており、彼女たちが感染したことで、帰国できなくなる可能性も出るなどのさまざまな影響を懸念しているのではないか。いずれにしても丹東市政府と北朝鮮総領事館が情報を隠蔽していることは確かだ」と語っているという。 また、別の情報筋によると、丹東市では工場労働者だけでなく、北朝鮮レストランやバー、ホテルなどで働く複数の北朝鮮女性が感染しているとの情報もあり、それらの場所で飲食をした市民がレストランなどに対して抗議するといったトラブルがあった。現在、感染した北朝鮮女性は市当局によって隔離施設に入れられているという。 RFAは「丹東市でのコロナ感染者が増えるにつれて、北朝鮮労働者を抱える企業の生産量は激減している。感染状況が悪化する前に、資材を購入していた企業は北朝鮮労働者を無理やり出勤させており、彼女たちの間で感染が拡大しているという悪循環を生んでいる」と指摘している。 また、丹東市など国境地帯の都市のロックダウンが広がるにつれて、今年に入ってほぼ2年ぶりに再開されていた中朝間の鉄道による国境貿易も5月1日、再び完全に中断している。
2022.05.09 07:00
NEWSポストセブン
3年ぶりに移動制限がないゴールデンウィークを迎え混雑する羽田空港(AFP=時事)
地方のサラリーマンが東京に出張して感じたコロナ対応の停滞と閉塞
 2020年に新型コロナウイルスの感染拡大対策として初めて緊急事態宣言が出されたとき、他県ナンバーの車を見つけると追い出そうとするなど極端な現象もあらわれた。それから三度目の春がやってきて感染対策も落ち着き、日常生活が送りやすくなったと思いきや、地方にはまだ都市部への恐怖が根強く残っているという。ライターの森鷹久氏が、停滞する地方のコロナ対応の閉塞感についてレポートする。 * * * 新型コロナウイルスの感染者数は、東京など都心では減っているものの、地方では再び増加傾向に転じていたりと、まだまだ予断を許さない状況が続いている。「いやあ、マスクをしている以外は、皆さん『普通』ですよね。驚きました。家族からは行かないでくれ、と止められていたもんですからね」 4月中旬、出張のついでにと立ち寄った東京・新橋の飲み屋街で九州南部在住の会社員・松本壮さん(仮名・30代)は、驚きを隠せない口調で語りつつ、久しぶりの外飲みを楽しんでいた。そして、人口10万人程度の地元では、最近、また感染者数が微増に転じたが、それ以前から外食したり、家族そろってレジャーに行くことなどが「できない」状況なのだと話す。「地元は普段から体調のよくない高齢者が多く、電車やバス、スーパーなどでも感染さないようにと気を遣わなければ、いろいろなトラブルに発展することもあります。実際、電車に乗っていたところ、マスク姿で咳き込む学生が高齢者に電車を降りるように詰め寄られる現場に出くわしたこともありました」(松本さん) 地元の飲食店は、大部分が時短営業か休業。繁華街は今なお閑散としている状態が続き、松本さんの両親も、東京や大阪、そして福岡など大都会への出張が多い松本さんについて、大きな不安を抱えているようだという。「東京や大阪で感染者が増えていたころには、絶対に出張には行くな、都会は怖いぞと脅されましてね。大阪出張から帰宅したときは、両親に強く言われて、近くのビジネスホテルに泊まらされました。国内なのに自主隔離ですよ。さらに、ご近所にも出張のことは絶対に言うなと釘まで刺されました」(松本さん) 第6波がやってきて全国的な感染者数の高止まりが続いていたとき、都会の一部がそうであったように、松本さんの地元でも気が緩んだ市民が大勢、夜の歓楽街などに繰り出し、そこでクラスターが相次いで発生した。当然、地元では「●町の◆◆さんたちが酒を飲み歩いている」とか「あの店のクラスターは◆◆が原因」という噂が飛び交い、コロナが発生した家の住人が差別同然の扱いを受けていたこともあった。とはいえ、新規感染者数の減少が続き3年ぶりに行動制限を呼びかけられないゴールデンウィークを迎えられそうだと、長距離移動を非難したことなどなかったかのように、観光地の予約は盛況だという。ところが、それは都会だけの話だと松本さんは言う。「結局、同じようなことは全国で起きていましたけど、都会の方はいい意味で忘れっぽい。今では、『かかったらしかたない』と皆さんいうし、地方のように気にしている人はほとんどいないのではないかって」(松本さん) 都会への出張は、松本さんにとってコロナによる重苦しい地方生活を送らざるを得ない鬱憤の発散になっているようだ。この日は10杯の生ビールと鍋、串焼きセットなど計7000円分を一人で平らげつつ、何につけても空気を読みすぎて身動きがとれない閉塞した地方への怨嗟を漏らした。「コロナが最初に出たときは、都会のほうで流行っている恐ろしい病気だ、と言われたんですよ。ワクチンだって本気で『打たない方がいい』と思っている人が多いなと地元では感じていたんですが、実行割合を見ると、やっぱり都会以上に多かった印象で、未だに『ワクチン打つならファイザー以外絶対嫌』という人もいます。ワクチン接種が進み、都会ではある程度、以前と同じ生活ができるようになってきたのに、地方はまだそういう雰囲気にならないんですよ。何をするにしても、一歩か二歩か、それ以上に判断が遅いんですよ」(松本さん) そして松本さんは、都会の人は「自分たちは大丈夫」だと過信しすぎ、地方の人は「都会ばかりが危ない」と勘違いしているのかもしれないと続けた。確かに、新型コロナウイルスを巡る都会在住者と地方在住者の感覚には、決定的なズレが出てきているのだろう。 違いといえば、その善し悪しは判断しにくいが、都会の人はすぐ騒ぐが忘れっぽい、地方の人は騒ぐまでは遅いが騒ぎ出すと長い、と松本さんは分析する。感染者数が増えようが減ろうが、この傾向はずっと続いていると感じているのだ。 ゴールデンウィーク期間中、今年の正月期間と同等の人出があれば、感染者数は一気に増加するという見方もあるようだが、再び人々の「コロナ」に対する価値観や考え方が変化し、実社会にどのような影響を及ぼすのか。
2022.05.04 16:00
NEWSポストセブン
松坂桃李、戸田恵梨香と結婚後の激変「ゲームより家事、そば、ペン習字」
松坂桃李、戸田恵梨香と結婚後の激変「ゲームより家事、そば、ペン習字」
 今、最も乗っている俳優は、やっぱりオーラも一味違う。3月下旬の夜。都内のニッポン放送には、「菅田将暉のオールナイトニッポン」の最終回のはずが、俳優の松坂桃李(33才)が、黒いバンから降りてきた。ブラウンのシャツに黒のパンツ姿。マスクのため目元しか見えないのに、はっきりと漂うイケメンの香り。関係者に、目を細めてほほ笑みかけたその姿は、やはり華やかでほかの男性とは違った空気をまとっていた。 菅田が新型コロナウイルスに感染したことを受けて最終回は延期に。この日、松坂が”代打出演”したのだった。あるテレビ局関係者は「相変わらず、ラジオでは趣味のデジタルカードゲーム『遊戯王 マスターデュエル』の話などを、ハイテンションでしゃべっていました。でも、実生活では、独身時代のようにゲームに没頭するわけではなく、積極的に家事をやっていると聞きますね」と話した。 新型コロナウイルス禍の2020年12月10日に、女優の戸田恵梨香(33才)との電撃結婚を発表。それまで芸能関係者からはノーマークだっただけに、大きなインパクトだった。 たしかに、3月31日から放送が始まったテレビCM『リクルートダイレクトスカウト』の取材でも、「結婚をして家事をするようになって、仕事に行く前と帰宅後に何をするか。スケジュールを、頭の中できちんと組み立てるようになりました」と明かしている。 冒頭の菅田のラジオでも、1月にゲスト出演した際には「結婚してから『(ゲーム)課金は無いな。やめるか』となって、そばを打ち始めたのよ。めちゃめちゃおもしろい、奥が深くて!」と、家庭的に変化してきたことも語っていた。 妻の戸田は、昨年7月クールの連続ドラマ『ハコヅメ~たたかう!交番女子~』の主演後は、しばらく休養。内定していた映画やこの春の主演ドラマを、ひっそりと降板していたとされている。ある芸能関係者は「昨年夏以降、体調を崩して、やむなく仕事をセーブしたとのことでした。その間は、夫の松坂さんがサポートしてくれていたそうです」と話す。 戸田は、無事に3月末発売のファッション誌にモデルとして“復帰”。ロングヘアをばっさりと切ったベリーショートヘアにした姿も、公式インスタグラムで公開し、元気になった様子をファンに届けた。「2021年の松坂さんは、NHK『今ここにある危機とぼくの好感度について』やテレビ朝日『あのときキスをしておけば』の連ドラに主演。映画も『あの頃。』と『孤狼の血 LEVEL2』に主演した上に、吉永小百合さん(77才)主演の『いのちの停車場』や社会派作品『空白』と、話題作に次々出演して、飛躍の年でした。プライベートで仲の良い先輩俳優の小栗旬(39才)にも『急激に進化してるんだなぁ、すげえな』と絶賛されるなど、業界内外でさらに注目が高まっています」(前出・スポーツ紙記者) 2年前の2020年3月の日本アカデミー賞で、映画『新聞記者』の演技で、最優秀主演男優賞を受賞してから、今年3月の同賞でも、『孤狼の血 LEVEL2』で優秀主演男優賞に輝くなど、着実に実力と実績を積み上げてきている。「結婚発表時の直筆コメントのためにと、ステイホーム中にペン習字を習うなどのまじめさも、公私に渡って好影響をもたらしているのでしょう。普通のイケメン俳優は、結婚後には人気が落ち着く傾向ですが、松坂さんは例外ですね」(前出・テレビ局関係者) 冒頭、ラジオ局で出待ちをしていた10人前後の松坂より年上の女性ファンたちは、松坂を見た瞬間、溢れんばかりの黄色い声援を送った。女性人気は衰え知らず。今後も芸能界のスター街道を走り続けていくだろう。
2022.04.21 16:00
NEWSポストセブン
中国経済の正念場 「ゼロコロナ政策」を絶対に失敗できない理由
中国経済の正念場 「ゼロコロナ政策」を絶対に失敗できない理由
 4月18日、中国の1-3月期経済成長率が発表された。結果は4.8%で、2021年10-12月期と比べ0.8ポイント高く、市場予想と比べても0.4ポイント高かった。形の上ではポジティブサプライズと言えるだろう。【写真】ロックダウン(都市封鎖)中の上海で、路上に立つ防護服を着た警察官 3月の経済統計についてみると、鉱工業生産は5.0%増で1、2月合計(毎年、1月分はその年によって月を跨ぐ春節の影響を考慮して発表されず、2月に2月分と合計した数字を発表、小売売上高も同様)よりも2.5ポイント低く、固定資産統計(累計)は9.3%増で2月(累計)と比べ2.9ポイント低い。しかし、鈍化したとはいえ、鉱工業生産は昨年12月よりも0.7ポイント高く、固定資産投資についても昨年12月(累計)よりも4.4ポイント高い水準だ。 一方、厳しかったのは、全国不動産開発投資であり、3月(累計)は0.7%増と2月(累計)よりも3ポイント低い。新型コロナ化でマイナスに沈んだ2020年5月以来の低水準である。不動産よりもさらに厳しさが目立ったのは小売売上高である。1、2月合計と比べ10.2ポイントも低い3.5%減となった。 小売売上高についてブレークダウンしてみると、商品小売は1、2月合計の6.5%増から3月は2.1%減、レストラン収入は8.9%増から16.4%減へと急落している。 商品小売についてさらに細かく調べてみると、飲料は12.6%増、食用油、食品は12.5%増、医薬品は11.9%増、石油、石油製品は10.5%増と2桁増を記録した一方、金銀真珠宝石は17.9%減、アパレル・靴帽子・ニット製品は12.7%減、家具は8.8%減、自動車は7.5%減となった。「ゼロコロナ政策」で外出する人が少ないから飲食は厳しく、同じ理由で、百貨店、専門店の高額商品は売れない。内覧する人が少ないから不動産は売れず、外出しないならば車など必要ない。明らかにゼロコロナ政策が影響していることが見て取れる。一部地域の都市封鎖が全体の消費に影響を与える ただ、中国で新型コロナウイルスが流行しているのは、ほんの一部の地域という認識だ。 4月18日現在、中国本土感染者数(症状の出た感染者。無症状者は除く)は3297人。この内、100人以上の感染者数が出ているのは上海(3084人)だけである。10人以上は、吉林(88人)黒竜江(64人)、広東(20人)、江蘇(11人)の4地域。10人未満の地域は江西(9人)、山西(5人)、北京(2人)、浙江(2人)、山東(2人)、河南(2人)、そのほか河北、遼寧、安徽、湖北、湖南、雲南、陝西、青海が1人である。 直近では上海市が全体の94%を占めているが、3月の時点では、吉林省長春市が圧倒的に多かった。つまり、新型コロナウイルスは全国に蔓延しているわけではなく、流行はピンポイントであり、3月の時点で都市封鎖が行われたのも、長春市、吉林市、上海市、深セン市など極めて限定的であった。にもかかわらず、国家全体の消費に大きな影響を与えている。なぜだろうか。そこには2つの理由が考えられる。 ひとつは、一部の限られた地域における都市封鎖であっても、全国に広がるサプライチェーンの一部が寸断されてしまえば、それが全国に影響してしまうこと。もうひとつは連日のマスコミ報道により、中国人民の頭の中に新型コロナウイルスへの恐怖心が強く刷り込まれ、消費活動に影響していることが要因だと考えている。 だとすれば、景気刺激策は効果が出にくいはずだ。新型コロナウイルスを完全に抑え込まない限り、いくら当局が景気刺激策を打ち出したところで、消費、不動産販売の回復は難しい。インフラ投資を実施しようにも、作業員が集まらない。 中国当局はこれからどう対応していくのか。これまでの流れから考えると、コロナとの共存を図るのではなく、ゼロコロナ政策を一段と強化し、できるだけ早期に流行を抑え込もうとするのではなかろうか。 というのも、今年の秋に行われる中国共産党全国代表大会では、習近平政権の第3期入りが決まる。全共産党員を納得させるためには、経済社会を安定させ、全人代で決めた5.5%程度の成長率を達成させなければならない。 できるだけ早い時期に新型コロナウイルスを封じ込め、その後、減速した経済を引き上げるための思い切った政策を五月雨式に発動する目論見だろう。だが、それが達成できなければ政治面で大きな混乱を招きかねない。ゼロコロナ政策の成否は今後、中国の安定、世界経済の成長に大きな影響を与えそうだ。文■田代尚機(たしろ・なおき):1958年生まれ。大和総研で北京駐在アナリストとして活躍後、内藤証券中国部長に。現在は中国株ビジネスのコンサルティングなどを行うフリーランスとして活動。ブログ「中国株なら俺に聞け!!」(https://www.trade-trade.jp/blog/tashiro/)も発信中。
2022.04.20 06:15
マネーポストWEB
まるで戦時下 中国のコロナ感染者の大半を占める「吉林省長春市」の窮乏生活
まるで戦時下 中国のコロナ感染者の大半を占める「吉林省長春市」の窮乏生活
 中国の景況感が急速に悪化している。国家統計局、中国物流購買連合会が3月31日に発表した3月の製造業PMIは49.5で、前月と比べ0.7ポイント悪化、市場予想よりも0.4ポイント低い結果となった。この指標は50を超えれば前月と比べて景気が拡大、下回れば縮小していることを示唆しており、今後の中国経済の先行きが懸念される。【写真】長春市で塀越しにデリバリーした食材を受け取る男性 なぜ悪化したかについて、中国物流購買連合会は、「ロシアによるウクライナ侵攻」と、「国内で再流行し始めた新型コロナウイルス」の2点を指摘している。これらによって、エネルギー、原材料などの調達コストが上がり、供給側に支障が出た。また、需要が収縮し、企業家の将来に対する見通しが悪化したなどと説明している。 ロシアのウクライナ侵攻による影響についてはまだまだ予断を許さないが、中国固有の問題として注目されているのが、新型コロナウイルス感染再拡大の影響だ。当局の実施するゼロコロナ対策はあまりにも厳しく、景気への影響は甚大だと見られているからである。 国家衛生健康委員会が発表した4月4日の新型コロナウイルス新規感染者数(海外からの流入者を除く)は1173人。この内、吉林省長春市が604人と過半を占める。 長春市政府は3月11日、次の3点の緊急対策を実施すると発表した。【1】学校を閉鎖、生活物資を販売する小売店、医療機関などを除き、企業や、タクシー、地下鉄、バスなどの交通機関の営業を停止する【2】不必要な外出を禁止する【3】全市民に対してPCR検査を実施する 4月5日現在、依然として都市封鎖状態が続いており、一部ではそれがさらに強化されている。 現地に住む知人たちによれば、長春市寛城区では4月3日から外出禁止が強化され、自宅のドアから外に出ることさえ禁止された。知人は先日まではマンション区内の小売店で食料を買うことができたが、その小売店さえ閉鎖となった。食料は営業を許可された一部の地方スーパーにオンラインで注文し、自宅で受け取るしか方法がなくなったが、その後の通達で、それすら難しくなった。すべてのオンライン注文が4月7日まで(5日間)、停止されることになったからだ。 2日に1回のペースでPCR検査が行われているが、4月3日以前は1階まで下りて行き、そこで行われてきたが、3日以降は係員が自宅の前までやってきてそこで検査が行なわれている。 寛城区政府は3日付で、外出した者は公安機関による訓戒、200元(3800円、1元=19円で計算)の罰金もしくは行政拘留、状況次第では法律に基づいて刑事責任が追及されると通告した。生活物資を供給する店舗を除く、すべての店舗が閉鎖を命じられており、違反者は市場管理部門から罰金を科された上に、営業許可証を取り消される。 市民はまるで戦時下のような窮乏生活を余儀なくされている。 そうした中で、地元の大手スーパー(欧亜集団)が各地域から届いた民間からの無償支援物資を高額で売りさばいていた件が発覚、同社は3月30日、すべての支援物資を地方政府に供出すると発表している。長春市の経済は大混乱に陥っている。 長春市内でも寛城区政府の幹部は免職となり、寛城区の行政責任者は四平市委員会の書記が兼ねることになった。この責任者も4月7日までに事態を改善させられなければ、即刻左遷されるだろう。そのため、行政命令の激しさが増している。輸出拠点への措置を選択的に厳しくすることも可能 中国のゼロコロナ対策は、行き過ぎだと考える人は少なくないだろう。まるで生物兵器の拡散を防ごうとしているかのような厳しい対策だ。 日本では上海の一部地域における事実上の都市封鎖が大きく報道されているが、先ほど示したように感染者数が圧倒的に多いのは長春市をはじめとした吉林省である。 ただ、中国の統計は症状の出たものだけを感染者数としており、PCR検査で陽性になったが無症状の者の数は別に発表している。日本で感染者として報道されているのはこちらの数字だ。この無症状者(海外からの流入者を除く)の数をみると、4月5日時点で確認されているのは、本土全体で1万5239人だが、上海市が1万3086人と全体の86%を占めている。ちなみに長春市の無症状者数は1336人で、上海市の発症ベースの感染者数は268人に過ぎない。 上海市では、この無症状者の数の多さから都市封鎖を行うということであるが、無症状者と症状が出た感染者数のバランスが他の地域と著しく異なっている。もう一点気になる数字を挙げておくと、全国ベースで死亡者はゼロである。連日、ほぼゼロといった状況が続いている。 中国が行うPCR検査の精度は一体どの程度なのだろうか。長春市の知人によれば、PCR検査は口内の粘膜を綿棒で撫でることで行われ、その結果はアプリ上で示されるだけである。人口の多い上海市で検査数が増えており、全国での検査数は1日、1000万件を超えるとみられる。感染地域では基本的に全市民が48時間に1回のペースで検査が行われることになっているようだ。10~20件をまとめて一つにして検査をしていると聞く。 上海市は輸出の一大拠点であり今後、この地域で感染者が増え、長春市並みの措置が取られたとすれば、生産、物流が著しく停滞し、中国の輸出産業は大打撃を受ける。 先日まで、やはり輸出拠点である深セン市で実際に発症した感染者数が少ないにもかかわらず、事実上の都市封鎖が行われていた。 起源問題を巡る米中の衝突、米ロの化学兵器、生物兵器開発に関する論争、現在も続く中国の厳格な入国制限……。今もって新型コロナウイルスにははっきりしないことが多すぎる。 中国のような強権国家の人民であっても国家に不満がないわけではない。しかし、注目すべき点はその不満の大小ではなく、それを吸収し、経済活動を自由に操作できる強権自体である。輸出拠点だけを選択的に厳しくすることも可能である。 当局にとって経済の安定が最重要課題のはずだが、それ以上に重要なことが他にあるのだろうか。いずれにしても、今後の中国のゼロコロナ対策には細心の注意を払う必要がありそうだ。文■田代尚機(たしろ・なおき):1958年生まれ。大和総研で北京駐在アナリストとして活躍後、内藤証券中国部長に。現在は中国株ビジネスのコンサルティングなどを行うフリーランスとして活動。ブログ「中国株なら俺に聞け!!」(https://www.trade-trade.jp/blog/tashiro/)も発信中。
2022.04.06 06:15
マネーポストWEB
新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、規模を縮小し、椅子の間隔が空け、全員がマスク着用して卒業式を行った(イメージ、時事通信フォト)
ノーマスクを声高に主張する親が増加 子供たちへの影響を危惧する声も
 新型コロナウイルス感染対策の基本は、ワクチン接種を済ませてもうがい、手洗い、マスク、ソーシャルディスタンスを保つ「新しい生活様式」が推奨されている。この新様式に合わせたくないと周囲を、子供やその通う学校まで巻き込んで「マスクをつけるな」と強要する行動に出る人たちが各地で悩みの種となっている。ライターの森鷹久氏が、各地の学校の卒業式で起きているマスクをめぐるトラブルについてレポートする。 * * * ひんやりとした体育館内は静寂に包まれていたが、突如空間を切り裂くような甲高い声が響いた。「子どもたちの成長に、責任取ってもらえるんですか?」 中部地方のとある公立中学校ではこの日、卒業式が行われていた。本来であれば、全校生徒数百名に教員数十名、保護者数百名が集い、感涙の中で卒業生を送り出していたはずだが、新型コロナウイルスの感染対策で、体育館内には卒業生100名ほどとその保護者100名弱と、人数が限定された上での開催となっていた。我が子が卒業していく姿を感慨深く眺めていた、会社員の水野香織さん(仮名・30代)が振り返る。「厳かな雰囲気の中、名前を呼ばれた卒業生が壇上に上がり、卒業証書を受け取っていたその時でした。体育館の後方入り口あたりから、女性や男性の大声が聞こえてきたんです。そこには、3人の親御さんと先生方が5~6人いて、館内に入る入らないで揉めていました。親御さん3人は、マスクをしていなかったんです」(水野さん) 会場は騒然となり、一同の視線はこのトラブルの輪に集まっていたが、式は粛々と進行している。生徒や保護者に事前に配布されていた「式次第」には「消毒やマスク着用の徹底を」と明記されていたのだが、それを守らない親と教員たちの押し問答は続く。卒業生のほぼ全員がマスクを着用していたが、ステージ上に上がり卒業証書を受け取る直前から、壇上から降りるその瞬間まではマスクを外すよう指導されていたのは、子供たちの晴れ姿を親たちにしっかり見てほしいという配慮によるものだったが、ノーマスクの親たちは、子供たちに向かって声を荒げたという。「壇上から降りる際、再びマスクを着用しようとする子供たちに向かって、マスクなんかしなくていい、と大声で叫ばれるんです。子供たちもみな動揺していました。その3人の親御さんは、普段から子供にマスクをさせないことで有名で、卒業式でも何か起きるんじゃないかと噂になっていました。感動に包まれるはずだった式が台無しになり、子供たちに申し訳ない気持ちでいっぱいです」(水野さん) 3人の親の子供たちは、親の指導によって普段からマスクの着用を「禁止」されていた。登下校時、授業中、そして部活の間も、他のほとんどの生徒がマスクを着用して過ごす中、その子供たちだけはノーマスク。最もかわいそうだったのは、その子供たち本人だったと水野さんは話す。「子供たちも『ノーマスク』に違和感を持っているようでしたが、親の言いつけを守っていたんです。もちろんクラス内、学年、学校中ですぐに噂になり、すごく気まずそうに生活していたそうです。卒業式でも、大騒ぎする親を見て顔を真っ赤にしていた。先生たちもどうすることもできなかったのでしょうが、何とかできる方法はなかったのかと悔やまれます」(水野さん) 結局3人の親たちは体育館内に入ることはできなかったようだが、卒業式はなんとか終了。せっかくの子供の晴れ舞台は、後味の悪さだけが残ったという。 我が子に「ノーマスク」を強要する親は、数は多くないものの一定程度存在する。悪目立ちするものだから、あっという間に地域中の噂の的になる。そう話すのは千葉県内の小学校教頭・伊東孝紀さん(仮名・50代)だ。「保護者の意向でマスクをつけないという生徒さんは、我が校にも数名います。理由は、マスクを着用していると息がしづらく成長が阻害される、というもの。確かに、言い分としては一理あると思うのですが、マスクの着用はそもそも、自分のためというよりは周りにうつさないため。そう諭しても、なかなか聞き入れてもらえない」(伊東さん) 近隣の学校でも同様の問題が起きているようで、中には「ノーマスク」推進派の親が、学校の校門で「マスク着用がいかに危険か」と書かれたビラを生徒に配布する事例もあったというから、事態は深刻だ。「近くの学校では、親からマスク着用を禁止された生徒さんに、担任がマスクをこっそり手渡し着用させていたそうです。マスクをしていないことに引け目を感じていた生徒さんは安心していたようですが、それが親御さんの耳に入り、ものすごい剣幕で学校に乗り込んできたそうです」(伊東さん) こうしたやりとりを見た他の生徒たちは、当然大きな違和感を覚えることになり、その好奇の視線は「ノーマスク」生徒に対するいじり、そしていじめに繋がっていくこともあるという。「あいつの親はヤバい、それを聞き入れている子供もおかしい、と考える生徒が増え、マスク未着用の生徒さんはコミュニティから排除される。まさにいじめが起きています。息がしづらかったり、健康上の問題がある場合はマスクを外しても良い、という指導をしていますが、マスクなしはおかしい、という感覚を、大部分の生徒たちが抱いているんです。教師としても、どう対応していいのか困惑し続けているというのが現状です」(伊東さん) 子供たち、特に乳幼児のマスクは危険という専門家の指摘は確かにある。運動中でもマスク着用が義務とされ、それが原因で、子供が体調を崩すという事例があったという報告もある。もちろん議論はされるべきだし、一方的な決めつけや強制があってはならない。一方、それと同じように、絶対にマスクをするなという強要もおかしなことのはずだ。 コロナ禍で様々なところで「分断」が発生していると言われる。大人たちが自身の責任において判断し、行動することは、それが違法行為でない限り、第三者がとやかくいう権利はないのかもしれない。しかし、そんな大人たちの事情に付き合わされ、板挟みに遭い、疲弊し、不幸になっていくのは子供たちだけ、という事実からは絶対に目を背けてはいけない。
2022.03.20 07:00
NEWSポストセブン
御嶽海も無事に大関デビューできるのか?(時事通信フォト)
新大関・御嶽海に「稽古しないから勝てる」という評価の意味
 3月13日に初日を迎えた今場所は、まさに「荒れる春場所」という展開となっている。2日目には一人横綱の照ノ富士が大栄翔に金星を献上。カド番大関の正代は初日から3連敗した後、追い込まれた4日目も宇良に敗北を喫しまさかの4連敗。同じくカド番大関の貴景勝も初日は宇良を仕留めたが2日目から連敗。ただ、そうしたなかで白星を重ねているのが新大関・御嶽海だ。関係者の間では早くから、「今場所は御嶽海」と囁かれていたというが、その理由は意外なものだった──。 好調な御嶽海以外の大関陣は、早くも窮地に追い込まれている。初日から3連敗した時点ではカド番を脱出したケースが過去に1例(2021年秋場所・貴景勝)あったが、4連敗となったことでカド番大関のワースト記録(霧島・92年九州場所=陥落)に並び、過去に陥落を免れたことがない領域に入ってしまった。カド番の大関が2人同時に陥落した2004年九州場所の再現の可能性もある(武双山、栃東)。本場所の土俵が荒れている理由について、若手親方はこう話す。「初場所後、親方や力士な協会関係者250人以上がコロナウイルスに感染し、多くの部屋では満足な稽古ができなかった。照ノ富士が所属する伊勢ヶ濱部屋でも親方や力士に多くの感染者が出たことで、稽古を10日間休んだ。正代も貴景勝もコロナウイルスに感染している。昔から角界では稽古を1日休むと取り戻すのに3日かかるといわれ、本場所の土俵で相撲勘を取り戻すのに苦労しているようだ」(若手親方) そんななかでも順調な新大関場所の船出となったのが御嶽海だ。会場となるエディオンアリーナ大阪には地元・長野からツアーバスで駆け付けた後援会関係者たちが「御嶽海」と大きくプリントされた応援タオルを掲げている。4日目も背中に「近畿長野県人会」と書かれた揃いの緑の法被を着た35人の集団が「がんばれ御嶽海」の横断幕を掲げていた。御嶽海も初場所後にコロナウイルスに感染し、照ノ富士や他の大関たちと同じように稽古不足のはずなのだが、好調には何か理由があるのだろうか。相撲担当記者はこう見る。「御嶽海の稽古嫌いは有名な話です。今回の大関昇進については、3場所前が1ケタ勝利のあと、2ケタ勝利、優勝という経過で、安定感のない成績に協会関係者の中には渋い顔をする親方も少なくなかったが、その一方でオミクロン株が猛威を振るう状況下での春場所では、御嶽海の活躍を予想する関係者が多かった。角界にコロナがまん延する中、同じく稽古嫌いの若元春のような力士が上位に進出してきている。 コロナの影響で出稽古が禁止され、合同稽古も中止となっている。多くの部屋でコロナ感染者が出て、稽古不足が続いている。そのため普段から熱心に稽古して調整していく力士よりも、稽古をしない力士が強いのではないか。御嶽海は一気に大関を駆け抜け、横綱に昇進するのではないかと見られている」 御嶽海にとって心強いデータもある。「荒れる春場所」とはよく言われるが、優勝者を見ていくと横綱・大関が大半を占めるのだ。平成以降、横綱と大関以外で優勝したのは1993年の小結・若花田(のちの三代目若乃花)と2000年の前頭12枚目・貴闘力、2021年の関脇・照ノ富士の3人だけ。「年6場所になった1958年以降、春場所での平幕優勝は若浪と貴闘力の2回のみ。平幕優勝が多いのは名古屋場所で6回ある。そもそも、荒れる春場所と言われるようになったのは、1953年に春場所として大阪で本場所が開催されるようになった際、その土俵が荒れに荒れたからです。羽黒山、鏡里、千代の山、東富士の2横綱時代でしたが、羽黒山が休場し、残りの3横綱も序盤から黒星が続いた。 千代ノ山が“横綱の権威を傷つけた”として“横綱を返上して大関からやり直したい”と申し出るなどの大騒ぎとなったんです。ただ、結果的には大関・栃錦が14勝1敗で優勝している」(前出・相撲担当記者) これまで御嶽海は何度も大関候補と騒がれながら、そのたびに期待を裏切ってきた。“万年関脇”のイメージが強いが、アマチュア時代は超エリート力士だ。「昨年の春場所で優勝して大関に昇進した照ノ富士は、新大関の夏場所で優勝。名古屋場所でも白鵬と同点優勝を飾り、大関2場所で横綱昇進を決めた。御嶽海が新大関で優勝を決めれば、大関を2場所で通過して横綱昇進の可能性もある」(協会関係者) コロナの影響で3年ぶりに大阪のファンの前で開催されている春場所だが、御嶽海にとっては、横綱昇進の足がかりになるのだろうか。
2022.03.17 16:00
NEWSポストセブン
辛島町付近を走る熊本市電の2009年から走る0800形。今後、輸送力を高めるべく3両編成の新型車両の導入が予定されている
地方で浮上するコロナ禍の通勤・通学ラッシュ 鉄道会社の混雑対策は
 首都圏では新型コロナウイルスの感染拡大後、通勤ラッシュの激しさがかつてほどではなくなり、ダイヤ改正のたびに減便や終電繰り上げが話題になっている。一方、そこまで日常生活に大きな変化を強いられなかった地方では、通勤通学時の混雑緩和が再び大きな問題として浮上した。ライターの小川裕夫氏が、広島のJR可部線と熊本市電が行っている朝ラッシュ対策についてレポートする。 * * * 長期化する新型コロナウイルス禍により、鉄道利用者の減少に歯止めがかからない。全国に路線網を有するJR各社は長距離移動が敬遠されているので、売上面で多大な影響を受けている。東京・大阪といった大都市圏の私鉄は、通勤・通学といった底堅い需要がある。それでも観光客需要が消失し、経営は厳しさを増す。 他方、コロナ禍にあっても利用者が増えるなど混雑する路線もある。それらの好調をキープする路線は東京・大阪といった大都市圏の鉄道ではなく、自動車依存の高い地方の路線にもある。 広島県広島市を走るJR可部線は、横川駅―あき亀山駅間を結ぶ約15.6キロメートルの路線だ。可部線の終点は横川駅だが、全列車が広島駅まで乗り入れる。そのため、通勤・通学需要も高い。 可部線は2003年に一部の区間が廃止。しかし、沿線の宅地化が進んでいたこともあり、2017年に河戸帆待川駅とあき亀駅の2駅が延伸する形で復活した。延伸区間は非電化だったので、復活にあたって電化改良にも着手されている。 わずか2駅とはいえ、いったん廃線になった路線が復活したケースはこれまでになく、それだけに可部線の復活は地方の鉄道事業者や住民たちを勇気づける朗報となった。 復活後の可部線は、その後も沿線人口や利用者が増え続けた。そのため、最近では朝ラッシュ時の運行に支障をきたすまでになっている。そうした事情から、JR西日本は今春にダイヤを改正。これまで一部の列車を2~3両編成で運行していたが、朝ラッシュ時はすべて4両編成で運行する。これにより列車一本あたりの輸送力が増え、混雑の緩和が期待されている。 混雑を緩和するには、運転本数を増やすことや車両の大型化による輸送力増強が対策として考えられる選択肢だ。 鉄道事業者にとって、混雑することは経営収支面から喜ばしい話ではある。他方、あまり混雑しすぎても、鉄道会社は問題を改善するように迫られる。コロナ前まで、鉄道事業者はもっぱら求められていたのは、混雑を緩和することだった。 しかし、混雑の緩和と一口に言っても容易ではない。近年、運転士不足が叫ばれて久しいが、運転士はすぐに育成できない。また、輸送力増強のために多くの車両を揃えなければならないが、増備した車両は朝夕の通勤ラッシュのためだけに使用されることになる。昼間帯の混雑率が高くない地方都市の路線において、これらは余剰になってしまう。車両の増備や新造は、莫大な費用が必要になるから簡単に決めることはできない。 そうした事情を抱えるため、これまで鉄道事業者は混雑対策には決して積極的とは言えなかった。利用者が減少しているコロナ禍で、奇しくも鉄道事業者は”密”回避が喫緊の課題になり、それが混雑対策を焦眉の急にさせた。渡り線活用で混雑緩和 コロナ禍でも地方都市は自動車への依存度が高いままだが、県庁所在地の市街地では通勤・通学需要を支えるのは主に鉄道やバスといった公共交通だ。「コロナで観光客需要は大幅に減りましたが、通勤・通学需要は特に変化はありません。熊本市電では、以前から通勤・通学時間帯の混雑が深刻化していました。それらの対策を講じなければなりませんでした」と話すのは熊本市交通局運行管理課の担当者だ。 熊本市電は、熊本駅前(田崎橋)―健軍町(けんぐんまち)のA系統と上熊本―健軍町のB系統の2路線を運行。このうち、辛島町―健軍町間はA・B両系統が重複して走っている。「朝のラッシュ時、東端の始発となる健軍町から多くの利用があります。始発となる健軍町で満員になることもあり途中の電停からでは乗車できない、つまり乗り残しといった事態が起きています。熊本市電では2024年度から大型の新車両を導入する予定にしていますが、それまで混雑を放置できません。その対策として、4月11日からJR豊肥本線との乗り換え需要がある新水前寺駅前―辛島町と神水交差点―辛島町の区間運転を実施することにしました。これにより、ラッシュ時は3分間隔の運行でしたが、2分間隔での運転が可能になります」(同) A・B両系統とも区間運転が実施されるのは朝の7時30分~8時30分までの間で、その時間帯にも当然ながら上熊本や熊本駅前(田崎橋)まで運行する電車もある。 こうした柔軟な対応ができるのは、辛島町・新水前寺駅前・神水交差点に渡り線が設けられているという配線構造によるところが大きい。辛島町・新水前寺駅前・神水交差点の渡り線は、車両故障といった緊急時に使用されるもので普段は使用されないという。今回の区間運転は、渡り線を活用するという発想の転換で混雑緩和へと寄与することになった。  鉄道事業者はコロナ禍が長期化し、設備投資への資金的な余裕はなくなっている。それでも私たちの暮らしを支えるため対策を練っている。鉄道事業者たちは舞台裏で知恵を絞り、少しでも快適な鉄道を目指した奮闘がつづく。
2022.03.12 07:00
NEWSポストセブン
「今は不動産の買い時」。あえてそう考える人の理由とは?
「今は不動産の買い時」。あえてそう考える人の理由とは?
全宅連・全宅保証協会では、毎年9月23日を「不動産の日」と定め、消費者向けに、住居の居住志向及び購買等に関する意識調査を実施している。今回公表した、2021年9月23日~11月30日までに実施した調査結果(有効回答数2万3349件)を見ると、買い時について揺れている消費者の様子が見てとれる。【今週の住活トピック】2021年「不動産の日アンケート」結果公表/全国宅地建物取引業協会連合会(全宅連)・全国宅地建物取引業保証協会(全宅保証協会)不動産の買い時かどうか、判断できない人が多い?東京都に出された4回目の緊急事態宣言は2021年7月12日~9月30日まで。この間の7月23日~8月8日は、東京オリンピックが開催されていた。全宅連・全宅保証協会の調査時期は、この緊急事態宣言の終盤から宣言が明けて新型コロナウイルス感染者数がかなり抑制されていった時期に該当する。この時期に「いま、不動産は買い時だと思いますか?」(単一回答)と聞いたところ、「買い時だと思う」が10.5%、「買い時だと思わない」が25.6%、「分からない」が63.9%となった。これを前年と比べると、「買い時だと思う」が減少して、「分からない」が増加する形となった。「分からない」という回答は6割を超え、過去最高水準の数値になったという。市場が読み切れず、判断ができない人が多かったということだろう。「買い時だ」VS「買い時でない」それぞれの理由では、「買い時だ」「買い時でない」と思った理由はなんだろう?買い時だと思う人に対して「買い時だと思う最も近い理由は何ですか?」、買い時だと思わない人に対して「買い時だと思わない最も近い理由は何ですか?」とそれぞれに聞いて、選択肢を1つ選んでもらった結果が次のものだ。まず、「買い時の主な理由」から見ていこう。■「住宅ローン減税など住宅取得の為の支援制度が充実しているから」41.4%■「不動産価値(価格)が安定または上昇しそうだから」25.4%■「今後住宅ローンの金利が上昇しそうなので(今の金利が安いので)」22.5%次に「買い時ではない主な理由」を見よう。■「不動産価値(価格)が下落しそうだから」が28.8%■「自分の収入が不安定または減少しているから」26.5%不動産価格が横ばいまたは上昇と見るか、下落と見るかで、買い時感が変わっている点が興味深い。価格の件を除くと、「買い時」では「支援制度が充実」や「金利が上昇しそう」、「買い時ではない」では「収入が不安定など」が主な理由になっている。さて、買い時理由1位に挙げられた住宅ローン減税だが、実は2022年からは2021年と制度内容が変わっている。住宅ローン減税の控除率が1%から0.7%に下がり、控除期間が10年から13年に延びるなどの制度変更があったが、2025年末まで延長される。制度変更によって減税額が2021年より減ってしまう人もいるが、それでも当初13年間あるいは10年間にわたり、ローンの利息に相当する程度の額が還付される効果は大きい。また、住宅取得資金として贈与をした場合の非課税枠についても、2022年から限度額が下がるが、2023年末まで延長される。ほかにも、リフォームに関する減税や各種の補助金などもいろいろあるので、購入を支援する制度は多いと言えるだろう。一方、買い時ではない理由2位の「収入の不安定や減少」については、その程度にもよるだろうが、住宅ローンを組むにはリスクがある。たしかに、買い時ではないと思う大きな理由になるだろう。買い時に影響する、金利は?住宅の価格は?では、住宅ローンの金利や住宅価格はどうだろう?まず、住宅ローンの金利については、日本銀行が政策金利をゼロあるいはマイナス金利に誘導し、景気や物価を押し上げる政策を取っているので、住宅ローンも長期間低金利が続いている。一方で「金利の先高感」を持つ人も多い。実際に、2022年の2月、3月と長期間金利を固定する【フラット35】や固定期間選択型の当初10年間だけ金利を固定する「10年固定」などの金利が上がっている。これは、市場の短期金利と長期金利の動きの違いによるものだ。市場の長期金利が、コロナ禍でも先行して経済が活性化したアメリカの物価上昇(インフレ)と利上げの動きなどによって上昇したことで、長期金利と連動する【フラット35】や10年固定の金利が上がったという構図だ。市場の短期金利に連動する「変動金利型」の金利は変わっていない。金利については、この先を予測することは難しいが、これ以上はもう下がる余地がないところまで来ているので、上がることはあっても下がる可能性は低いと言ってよいだろう。次に、見方によって買い時感が変わる「不動産価格」だ。不動産価格が下落すると見た人のなかには、一部に「東京オリンピックが終わったら不動産価格が下落する」といった噂が流れており、そうした影響もあるのかもしれない。筆者の専門は住宅なので住宅価格について見ると、現時点で住宅価格は下落していないし、コロナ禍のテレワークの普及などによる新たな需要も生まれ、新築も中古も上昇傾向にある。特に新築の価格は、土地値や建築費用、金利などの影響を受ける。いずれを見ても、今後下がる見込みのものはないので、住宅価格も下落するよりは横ばいか上昇する可能性のほうが高いだろう。さて、金利も住宅価格も、グローバル経済の影響を強く受けるものだ。数年前は、新型コロナウイルスなどの感染爆発が世界中で起きるとは想像もしていなかったし、直近でも、軍事力で他国に侵攻する事態を想像できた人も少なかっただろう。たとえ専門家といえども、金利や不動産価格を予測することが難しいのが現実だ。となると、買い時かどうかは、子どもの成長や家族構成の変化、生活環境の変化などで「自分自身に住宅を買う理由があるかどうか」、が一番の決め手になるのだろう。子どもの成長は待ったなしだし、不満のある住宅に住み続けるのは不便だろう。思い立った時が買い時、と考えれば、予測が難しい金利や価格をそれほど気にする必要はないかもしれない。●関連サイト「2021年「不動産の日アンケート」結果公表/全国宅地建物取引業協会連合会・全国宅地建物取引業保証協会(山本 久美子)
2022.03.09 07:00
SUUMOジャーナル

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