国内

連日被災地に足を運び被災者支援に取り組む自民党議員がいた

 東日本大震災では、政治家がいかに被災者を支援するか、その姿勢が試されているが、ほとんど報道されないところで被災者支援に取り組んでいる政治家も一部にはいる。
 
 弁護士出身で福島選出の森雅子・参院議員(自民党)は、連日のように被災地に足を運び、被災者の声を集めた。その上で政府の問題点をこう指摘する。

「法の適用が遅れている。新しい法律を作らなくても、住む家を失った人が再建しやすくすることは政令でできる。ところが法務省は『調査しないと判断できない』という。現場は瓦礫で土地の調査などできる状態ではない。瓦礫処理にしても、津波で家屋が別の土地に移動し、所有権が複雑で勝手に撤去できない。

 法の周知で安心させることも大切です。被災地の経営者たちは津波で社屋が流れて、会計上、債務超過になっている。が、破産申し立てを2年間延期できる法律がある。この制度を周知させるために法務省にテレビCMを流すように求めたのに、『文書で通知した』という。でも、被災地の首長さんは知らなかった」

 震災は、地方と中央の連絡機能もズタズタにした。だからこそ、現場から直接、声を聞く意味がある。永田町をうろうろするだけの「お座敷政治家」たちには、それがわからない。

 中越地震当時の新潟県山古志村村長として復興の第一線に立った長島忠美代議士(自民党)は、被災地の首長たちと中央の大臣たちの意識の違いをこう指摘する。

「被災地の首長は、失敗したら言い訳が通用しない張り詰めた仕事を続けている。それに比べて政府は、検討しているとか、最大限の努力をしているというばかり。被災者にとって何の意味もない。政治の強いメッセージが決定的に足りない」

※週刊ポスト2011年4月15日号

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