国際情報

ケネディ暗殺の大きな背景 戦争を商売の種にする勢力の存在

 1963年11月にジョン・F・ケネディ米大統領が暗殺されてからちょうど50年が過ぎた。この節目に国際政治ジャーナリスト・落合信彦氏が『二〇世紀最大の謀略』『ケネディからの伝言』(いずれも小学館文庫)の2冊を上梓した。落合氏は暗殺劇について「謎」を挙げている。その一部は以下の通りだ。

【謎1】核心部分の証拠は「2039年まで非公表」
【謎2】パレードルート変更
【謎3】凶器は「旧式の銃」?
【謎4】魔法の銃弾
【謎5】持ち去られた遺体

 落合氏は暗殺の大きな背景を見るべきだと指摘する。以下、落合氏の解説だ。

 * * *
 1970年代になって議会で暗殺調査委員会が発足したが、事件への関与が疑われたマフィア、CIA関係者が聴取直前に不審死を遂げ、ダラスへ3人の殺し屋を送ったとされるシカゴマフィアのドン、サム・ジアンカーナも証言直前に殺され、私が取材で行き当たった3人の本当のヒットマンのうち2人も殺され、もう1人は他の殺人事件で逮捕され、刑務所内で死んでいた。

 ケネディ暗殺は、ミクロの部分ばかり追い掛けても全貌は見えない。具体的な構図は『二〇世紀最大の謀略』に詳しく書いたが、ここではケネディの死の大きな背景を説明しておきたい。

 ケネディは1961年に大統領に就任し、暗殺までの3年弱で多くの実績を残した。

 彼の最大の武器は「言葉」であった。数々の名スピーチで人々の心を動かした(『ケネディからの伝言』に多くを収録したので併せて参照いただきたい)。重要なのは、彼が「有言実行」のリーダーだったことだ。それが彼の死を招いたと言っても過言ではない。ベルリン危機やキューバ危機(※注)といった第三次世界大戦勃発の瀬戸際で、強硬策を主張する軍部やCIAを抑え、一発の銃弾も撃たずに事態を打開した。

【※注】1961年、冷戦下のベルリンで東西ドイツを分けるベルリンの壁が建設され、米ソの武力衝突の危険が高まったのが「ベルリン危機」。1962年、キューバに米国全土を射程に入れるソ連の中距離核ミサイル基地が配備されようとしていたことが発覚したのが「キューバ危機」。ケネディ大統領はいずれも武力行使せずに事態を打開した。

関連キーワード

トピックス

盟友である鈴木容疑者(左・時事通信)への想いを語ったマツコ
《オンカジ賭博で逮捕のフジ・鈴木容疑者》「善貴は本当の大バカ者よ」マツコ・デラックスが語った“盟友への想い”「借金返済できたと思ってた…」
NEWSポストセブン
米田
《チューハイ2本を万引きで逮捕された球界“レジェンド”が独占告白》「スリルがあったね」「棚に返せなかった…」米田哲也氏が明かした当日の心境
週刊ポスト
詐称疑惑の渦中にある静岡県伊東市の田久保眞紀市長(左/Xより)
「『逃げも隠れもしない』と話しています」地元・伊東市で動揺広がる“学歴詐称疑惑” 田久保真紀市長は支援者に“謝罪行脚”か《問い合わせ200件超で市役所パンク》
NEWSポストセブン
佐々木希と渡部建
《六本木ヒルズ・多目的トイレ5年後の現在》佐々木希が覚悟の不倫振り返り…“復活”目前の渡部建が世間を震撼させた“現場”の動線
NEWSポストセブン
モサドの次なる標的とは(右はモサド長官のダビデ・バルネア氏、左はネタニヤフ首相/共同通信社)
イスラエルの対イラン「ライジング・ライオン作戦」を成功させた“世界最強諜報機関”モサドのベールに包まれた業務 イラン防諜部隊のトップ以下20人を二重スパイにした実績も
週刊ポスト
東川千愛礼(ちあら・19)さんの知人らからあがる悲しみの声。安藤陸人容疑者(20)の動機はまだわからないままだ
「『20歳になったらまた会おうね』って約束したのに…」“活発で愛される女性”だった東川千愛礼さんの“変わらぬ人物像”と安藤陸人容疑者の「異変」《豊田市19歳女性殺害》
NEWSポストセブン
児童盗撮で逮捕された森山勇二容疑者(左)と小瀬村史也容疑者(右)
《児童盗撮で逮捕された教師グループ》虚飾の仮面に隠された素顔「両親は教師の真面目な一家」「主犯格は大地主の名家に婿養子」
女性セブン
組織が割れかねない“内紛”の火種(八角理事長)
《白鵬が去って「一強体制」と思いきや…》八角理事長にまさかの落選危機 定年延長案に相撲協会内で反発広がり、理事長選で“クーデター”も
週刊ポスト
たつき諒著『私が見た未来 完全版』と角氏
《7月5日大災害説に気象庁もデマ認定》太陽フレア最大化、ポピ族の隕石予言まで…オカルト研究家が強調する“その日”の冷静な過ごし方「ぜひ、予言が外れる選択肢を残してほしい」
NEWSポストセブン
大阪・関西万博で、あられもない姿をする女性インフルエンサーが現れた(Xより)
《万博会場で赤い下着で迷惑行為か》「セクシーポーズのカンガルー、発見っ」女性インフルエンサーの行為が世界中に発信 協会は「投稿を認識していない」
NEWSポストセブン
詐称疑惑の渦中にある静岡県伊東市の田久保眞紀市長(HP/Xより)
《東洋大学に“そんなことある?”を問い合わせた結果》学歴詐称疑惑の田久保眞紀・伊東市長「除籍であることが判明」会見にツッコミ続出〈除籍されたのかわからないの?〉
NEWSポストセブン
愛知県豊田市の19歳女性を殺害したとして逮捕された安藤陸人容疑者(20)
事件の“断末魔”、殴打された痕跡、部屋中に血痕…“自慢の恋人”東川千愛礼さん(19)を襲った安藤陸人容疑者の「強烈な殺意」【豊田市19歳刺殺事件】
NEWSポストセブン