国際情報

米軍慰安婦 韓国女性に代わりフィリピン女性がサービス提供

 元米軍慰安婦122人が韓国政府を集団提訴したことでクローズアップされた韓国の「基地村(売春街)」問題。この問題が、日本軍による強制連行をでっちあげ、国際社会に慰安婦問題を喧伝してきた朴槿恵(パク・クネ)政権にとって大きな頭痛の種となっている。今後、韓国政府が関与を認めれば国際世論の非難を浴びるだけでなく、重要な対日カードを失うことになるからだ。

 国家主導で行なわれてきた管理売春の実態を京畿道・東豆川に今も残る「基地村」でホステスとして働くフィリピン人女性の証言などをもとに韓国在住ジャーナリスト・藤原修平氏がリポートする。

 * * *
 1950~1953年の朝鮮戦争時代に作られた基地村は、休戦後も在韓米軍向けの売春窟として存続し、韓国政府の貴重な外貨稼ぎの手段となった。韓国政府はこれまで政府の関与を認めていなかったが、昨年、基地村管理の指針を示す朴正煕(パク・チョンヒ)大統領(朴槿恵氏の父)の署名入り書類が公開されたことで、国の関与が決定的となった。

 東豆川は在韓米軍基地がある以外、これといった特色のない町だが、基地村のある地域は「アメリカ通り」と呼ばれ、外国人観光特区に指定されている。立ち並ぶ外国人専用のナイトクラブはどの店もアメリカの田舎町にあるバーのような雰囲気で、酒を呷(あお)りながらホステスと談笑したり、ビリヤードやダーツに興じる米兵の姿があった。

 東豆川の基地村では、1992年に在韓米兵による韓国人ホステス虐殺事件が発生している。古くから飲食店を営む男性経営者によれば、「事件を機に基地村で働く韓国人ホステスは減少し、代わりにロシア人やフィリピン人が入って来た。以前はクラブを介した売春が盛んだったが、3年ほど前に米軍が取り締まりを強化してからはほとんどない」という。

 だが、本誌記者は複数のナイトクラブで今も露骨な性的サービスが行なわれていることを確認した。ある店ではカウンター席に着くと、5分も経たないうちにホステスから「Buy me drink」と飲み物をねだられた。

 ホステスに飲み物を奢れば30分間、会話ができるシステムで、料金はワンショットのテキーラが2万ウォン(約2000円)、ビールの小瓶が6万ウォン(約6000円)と高額だ。ホステスは、別途4万ウォン(約4000円)で密着サービスが受けられるテーブル席の利用をしきりに促す。

 暗がりのテーブル席では、別のホステスが米兵の股間部に跨り、過激な行為に及んでいた。米兵がチップを弾むと行為はさらにエスカレートしていく。店内での売春行為は確認できなかったが、常連の米兵がお気に入りのホステスを店外に連れ出すことは珍しくないという。

関連キーワード

関連記事

トピックス

近況について語った渡邊渚さん(撮影/西條彰仁)
【エッセイ連載再開】元フジテレビアナ・渡邊渚さんが綴る近況「目に見えない恐怖と戦う日々」「夢と現実の区別がつかなくなる」
NEWSポストセブン
『続・続・最後から二番目の恋』が放送中
ドラマ『続・続・最後から二番目の恋』も大好評 いつまでのその言動に注目が集まる小泉今日子のカッコよさ
女性セブン
事務所独立と妊娠を発表した中川翔子。
【独占・中川翔子】妊娠・独立発表後初インタビュー 今の本音を直撃! そして“整形疑惑”も出た「最近やめた2つのこと」
NEWSポストセブン
名物企画ENT座談会を開催(左から中畑清氏、江本孟紀氏、達川光男氏/撮影=山崎力夫)
【江本孟紀氏×中畑清氏×達川光男氏】解説者3人が阿部巨人の課題を指摘「マー君は二軍で当然」「二軍の年俸が10億円」「マルティネスは明らかに練習不足」
週刊ポスト
田中圭
《田中圭が永野芽郁を招き入れた“別宅”》奥さんや子どもに迷惑かけられない…深酒後は元タレント妻に配慮して自宅回避の“家庭事情”
NEWSポストセブン
ニセコアンヌプリは世界的なスキー場のある山としても知られている(時事通信フォト)
《じわじわ広がる中国バブル崩壊》建設費用踏み倒し、訪日観光客大量キャンセルに「泣くしかない」人たち「日本の話なんかどうでもいいと言われて唖然とした」
NEWSポストセブン
ラッパーとして活動する時期も(YouTubeより。現在は削除済み)
《川崎ストーカー死体遺棄事件》警察の対応に高まる批判 Googleマップに「臨港クズ警察署」、署の前で抗議の声があがり、機動隊が待機する事態に
NEWSポストセブン
北海道札幌市にある建設会社「花井組」SNSでは社長が従業員に暴力を振るう動画が拡散されている(HPより、現在は削除済み)
《暴力動画拡散の花井組》 上半身裸で入れ墨を見せつけ、アウトロー漫画のLINEスタンプ…元従業員が明かした「ヤクザに強烈な憧れがある」 加害社長の素顔
NEWSポストセブン
趣里と父親である水谷豊
《趣里が結婚発表へ》父の水谷豊は“一切干渉しない”スタンス、愛情溢れる娘と設立した「新会社」の存在
NEWSポストセブン
米利休氏のTikTok「保証年収15万円」
東大卒でも〈年収15万円〉…廃業寸前ギリギリ米農家のリアルとは《寄せられた「月収ではなくて?」「もっとマシなウソをつけ」の声に反論》
NEWSポストセブン
SNS上で「ドバイ案件」が大騒動になっている(時事通信フォト)
《ドバイ“ヤギ案件”騒動の背景》美女や関係者が証言する「砂漠のテントで女性10人と性的パーティー」「5万米ドルで歯を抜かれたり、殴られたり」
NEWSポストセブン
“赤西軍団”と呼ばれる同年代グループ(2024年10月撮影)
《赤西仁と広瀬アリスの交際》2人を結びつけた“軍団”の結束「飲み友の山田孝之、松本潤が共通の知人」出会って3か月でペアリングの意気投合ぶり
NEWSポストセブン