国際情報

日韓歩み寄り説く韓国教授の書「親日は非国民」と事実上発禁

 国交正常化50年という節目の年に、日韓関係は冷え切ったままだ。両国にとって好ましくない現状だが、韓国側は歩み寄るどころか、さらに「反日」の度合いを強めている。裁判所までもが「親日は非国民」という理屈で、日韓の歩み寄りを説いた書籍に対して事実上の「発禁命令」を下した。

〈「慰安婦」のすべての姿を見ないままでは問題は永遠に解決しない〉

 一昨年8月に韓国で出版された『帝国の慰安婦』のキャッチコピーである。

 昨年6月、同書の著書である世宗大学の朴裕河(パク・ユハ)教授に対して、元慰安婦9人が「虚偽の事実を記載して名誉を毀損された」として出版差し止めの仮処分を求めた。その申し立てに対してソウル東部地裁は2月17日、「34か所の文言を削除しないかぎり出版を差し止める」との決定を出し、書籍は書店店頭から消えた。事実上の発禁処分である。

 朴教授は1957年ソウル生まれで、高校卒業後に来日。慶應義塾大学文学部を卒業後、早稲田大学文学研究科で博士号を取得した。韓国に日本近現代の文学を紹介し、夏目漱石などの韓国語訳を手がけてきた。歴史問題で日韓の「和解」の道を模索してきた学識者としても知られる。

 2007年4月には、元慰安婦への償い事業を続けてきたアジア女性基金(※注)が解散したのを受け、日本外国特派員協会で会見を行なった。そこでは、

「慰安婦問題に対する日本の対応が、韓国ではほとんど理解されていない」

「『日本は謝罪も補償もしなかった』というような言葉がまかり通っている」

 と、韓国側の無理解に言及した。その他にも、

「(慰安婦)動員の過程において、韓国人もかかわっていた事実があります」

 と語り、日本軍による強制連行ではなく朝鮮の業者が慰安婦を集めていた事実に触れている。一方で戦時中の日本を全面的に擁護するわけではなく、慰安婦問題が「植民地化という(韓国側の)被害の中で起きたこと」であるとし、日韓双方の責任に触れていた。

関連記事

トピックス

大谷翔平選手(時事通信フォト)と妻・真美子さん(富士通レッドウェーブ公式ブログより)
《水原一平ショック》大谷翔平は「真美子なら安心してボケられる」妻の同級生が明かした「女神様キャラ」な一面
NEWSポストセブン
裏金問題を受けて辞職した宮澤博行・衆院議員
【パパ活辞職】宮澤博行議員、夜の繁華街でキャバクラ嬢に破顔 今井絵理子議員が食べた後の骨をむさぼり食う芸も
NEWSポストセブン
海外向けビジネスでは契約書とにらめっこの日々だという
フジ元アナ・秋元優里氏、竹林騒動から6年を経て再婚 現在はビジネス推進局で海外担当、お相手は総合商社の幹部クラス
女性セブン
岸信夫元防衛相の長男・信千世氏(写真/共同通信社)
《世襲候補の“裏金相続”問題》岸信夫元防衛相の長男・信千世氏、二階俊博元幹事長の後継者 次期総選挙にも大きな影響
週刊ポスト
女優業のほか、YouTuberとしての活動にも精を出す川口春奈
女優業快調の川口春奈はYouTubeも大人気 「一人ラーメン」に続いて「サウナ動画」もヒット
週刊ポスト
二宮和也が『光る君へ』で大河ドラマ初出演へ
《独立後相次ぐオファー》二宮和也が『光る君へ』で大河ドラマ初出演へ 「終盤に出てくる重要な役」か
女性セブン
真剣交際していることがわかった斉藤ちはると姫野和樹(各写真は本人のインスタグラムより)
《匂わせインスタ連続投稿》テレ朝・斎藤ちはるアナ、“姫野和樹となら世間に知られてもいい”の真剣愛「彼のレクサス運転」「お揃いヴィトンのブレスレット」
NEWSポストセブン
デビュー50年の太田裕美、乳がん治療終了から5年目の試練 呂律が回らず歌うことが困難に、コンサート出演は見合わせて休養に専念
デビュー50年の太田裕美、乳がん治療終了から5年目の試練 呂律が回らず歌うことが困難に、コンサート出演は見合わせて休養に専念
女性セブン
交際中のテレ朝斎藤アナとラグビー日本代表姫野選手
《名古屋お泊りデート写真》テレ朝・斎藤ちはるアナが乗り込んだラグビー姫野和樹の愛車助手席「無防備なジャージ姿のお忍び愛」
NEWSポストセブン
破局した大倉忠義と広瀬アリス
《スクープ》広瀬アリスと大倉忠義が破局!2年交際も「仕事が順調すぎて」すれ違い、アリスはすでに引っ越し
女性セブン
大谷の妻・真美子さん(写真:西村尚己/アフロスポーツ)と水原一平容疑者(時事通信)
《水原一平ショックの影響》大谷翔平 真美子さんのポニーテール観戦で見えた「私も一緒に戦うという覚悟」と夫婦の結束
NEWSポストセブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン