キッカケは、1992年に東京ドームのシーズン初戦、巨人―阪神戦のマウンドに立った19歳の宮沢りえ。東京ドームの巨人戦の「始球式」にアイドルが起用されたのは初めてで、飛ぶ鳥を落とす勢いの「りえ人気」も相まって大きな話題となった。

 翌年から中山美穂、西田ひかる、内田有紀と続き、他球団へも波及して「アイドル始球式」が定着。さらに、グラビアアイドルや女子アナ、フィギュアスケートの荒川静香や体操の田中理恵などのアスリートら、「時代を飾る旬な美女」へと裾野を広げていった。

 2012年、千葉ロッテ―日本ハム戦の開幕戦で、ホットパンツから「ハミ尻」する大胆フォームで話題をさらったグラビアアイドル・吉木りさもその一人だった。

「千葉出身なので千葉ロッテさんに声を掛けてもらいました。衣装は、新発売されたガムをイメージしたコスチューム。ブルペンで投げ方を教えてもらいましたけど、すごくヘタッピで困っちゃいました(笑い)。

 選手の皆さんは意外とシャイで、可愛いなと思いました。衣装が話題になって、その直後コスプレの仕事が急に増えたんです。始球式って、影響力ありますよね」(吉木りさ)

 ある時期まで「始球式は開幕戦」が一般的だったが、1996年の日本シリーズに松たか子が登場したことをキッカケに、開幕戦以外でも行なわれるようになった。一方、人気アイドルや話題の女優たちのファンが球場に殺到、本来の野球ファンがチケットを買えず観戦できない事態も起きた。

 そんな「始球式」がエスカレートするなか、真剣勝負の選手たちはどう見ているのか。広島と巨人でプレーし、引退後は巨人の総合投手コーチを務めた川口和久氏が語る。

「始球式の前に室内ブルペンで10分ほど投球練習をしますが、人気女優やセクシーなタレントの時は選手たちも入れ代わり立ち代わり顔を出してソワソワしてます。

 だからといって緊張感がそがれてゲームに影響するということはないです。そもそもセクシータレントにニヤけているような選手はダメ。コーチの立場ならカミナリものです」

※週刊ポスト2016年9月9日号

関連記事

トピックス

岡田監督
【記事から消えた「お~ん」】阪神・岡田監督が囲み取材再開も、記者の“録音自粛”で「そらそうよ」や関西弁など各紙共通の表現が消滅
NEWSポストセブン
愛子さま
【愛子さま、日赤に就職】想定を大幅に上回る熱心な仕事ぶり ほぼフルタイム出勤で皇室活動と“ダブルワーク”状態
女性セブン
テレビや新聞など、さまざまなメディアが結婚相手・真美子さんに関する特集を行っている
《水原一平ショックを乗り越え》大谷翔平を支える妻・真美子さんのモテすぎ秘話 同級生たちは「寮内の食堂でも熱視線を浴びていた」と証言 人気沸騰にもどかしさも
NEWSポストセブン
「特定抗争指定暴力団」に指定する標章を、山口組総本部に貼る兵庫県警の捜査員。2020年1月(時事通信フォト)
《山口組新報にみる最新ヤクザ事情》「川柳」にみる取り締まり強化への嘆き 政治をネタに「政治家の 使用者責任 何処へと」
NEWSポストセブン
成田きんさんの息子・幸男さん
【きんさん・ぎんさん】成田きんさんの息子・幸男さんは93歳 長寿の秘訣は「洒落っ気、色っ気、食いっ気です」
週刊ポスト
嵐について「必ず5人で集まって話をします」と語った大野智
【独占激白】嵐・大野智、活動休止後初めて取材に応じた!「今年に入ってから何度も会ってますよ。招集をかけるのは翔くんかな」
女性セブン
行きつけだった渋谷のクラブと若山容疑者
《那須2遺体》「まっすぐ育ってね」岡田准一からエールも「ハジけた客が多い」渋谷のクラブに首筋タトゥーで出没 元子役俳優が報酬欲しさに死体損壊の転落人生
NEWSポストセブン
前号で報じた「カラオケ大会で“おひねり営業”」以外にも…(写真/共同通信社)
中条きよし参院議員「金利60%で知人に1000万円」高利貸し 「出資法違反の疑い」との指摘も
NEWSポストセブン
二宮が大河初出演の可能性。「嵐だけはやめない」とも
【全文公開】二宮和也、『光る君へ』で「大河ドラマ初出演」の内幕 NHKに告げた「嵐だけは辞めない」
女性セブン
森高千里、“55才バースデー”に江口洋介と仲良しショット 「妻の肩をマッサージする姿」も 夫婦円満の秘訣は「お互いの趣味にはあれこれ言わない」
森高千里、“55才バースデー”に江口洋介と仲良しショット 「妻の肩をマッサージする姿」も 夫婦円満の秘訣は「お互いの趣味にはあれこれ言わない」
女性セブン
品川区で移送される若山容疑者と子役時代のプロフィル写真(HPより)
《那須焼損2遺体》大河ドラマで岡田准一と共演の若山耀人容疑者、純粋な笑顔でお茶の間を虜にした元芸能人が犯罪組織の末端となった背景
NEWSポストセブン
不倫騒動や事務所からの独立で世間の話題となった広末涼子(時事通信フォト)
《「子供たちのために…」に批判の声》広末涼子、復帰するも立ちはだかる「壁」 ”完全復活”のために今からでも遅くない「記者会見」を開く必要性
NEWSポストセブン