芸能

窃盗捜査の元エースが味付け 刑事ドラマの「プロの仕事」

志保澤利一郎氏が語る、プロならではの心得

 最近の刑事ドラマは現職の警察官が観ても「よくできている」と感じるという。それもそのはず、制作の裏側では豊富な知識を持ったプロたちが「警察監修」として携わっているのだ。

 警視庁時代、窃盗捜査を専門とする「捜査三課」のエースだった志保澤利一郎氏。退職後、捜査三課を舞台にしたドラマ『確証』(2013年、TBS系)をはじめ、数々の作品で警察監修を担当してきた。殺人事件を扱う捜査一課とはひと味違う、プロならではの心得を聞いた。

 * * *
 ほとんどの人が色々な部署に行くなか、私は自身の全階級で捜査三課に在籍しました。昇任すると一旦は外に出ますが、また戻る。三課が相手にするのは常習者、窃盗のプロですから、警察も“その道のプロ”を作らなければいけないという意識があったのだと思います。

 コロシを扱う捜査一課はすべての事件を組織捜査で進めますが、三課は1人の刑事がホシを追い詰めていく。いわばプロ対プロ、職人対職人の対決で、こうした捜査と取り調べを両方極めるのは三課の刑事だけです。

 コロシと窃盗が同時に起きた犯罪については、コロシは一課、窃盗は三課で分担します。ただ、コロシのホシは重罪犯なので、犯人の身柄が一課から動くことはありません。その時は三課から応援に行って一緒に仕事をすることもある。

 逆に三課の方がネタを取った場合には三課の事件を優先し、その間に一課が内々に裏付け捜査をして、程良い時期を見計らって引き渡すこともある。『確証』の劇中で、三課の刑事役だった高橋克実さんが一課のチームに加わったシーンは実際にあることです。

関連キーワード

関連記事

トピックス

〈# まったく甘味のない10年〉〈# 送迎BBA〉加藤ローサの“ワンオペ育児”中もアップされ続けた元夫・松井大輔の“イケイケインスタ”
〈# まったく甘味のない10年〉〈# 送迎BBA〉加藤ローサの“ワンオペ育児”中もアップされ続けた元夫・松井大輔の“イケイケインスタ”
NEWSポストセブン
Benjamin パクチー(Xより)
「鎌倉でぷりぷりたんす」観光名所で胸部を露出するアイドルのSNSが物議…運営は「ファッションの認識」と説明、鎌倉市は「周囲へのご配慮をお願いいたします」
NEWSポストセブン
逮捕された谷本容疑者と、事件直前の無断欠勤の証拠メッセージ(左・共同通信)
「(首絞め前科の)言いワケも『そんなことしてない』って…」“神戸市つきまとい刺殺”谷本将志容疑者の“ナゾの虚言グセ”《11年間勤めた会社の社長が証言》
NEWSポストセブン
イギリス出身のインフルエンサーであるボニー・ブルー(本人のインスタグラムより)
“タダで行為できます”の海外インフルエンサー女性(26)が男性と「複数で絡み合って」…テレビ番組で過激シーン放送で物議《英・公共放送が制作》
NEWSポストセブン
ロス近郊アルカディアの豪
【FBIも捜査】乳幼児10人以上がみんな丸刈りにされ、スクワットを強制…子供22人が発見された「ロサンゼルスの豪邸」の“異様な実態”、代理出産利用し人身売買の疑いも
NEWSポストセブン
谷本容疑者の勤務先の社長(右・共同通信)
「面接で『(前科は)ありません』と……」「“虚偽の履歴書”だった」谷本将志容疑者の勤務先社長の怒り「夏季休暇後に連絡が取れなくなっていた」【神戸・24歳女性刺殺事件】
NEWSポストセブン
アメリカの女子プロテニス、サーシャ・ヴィッカリー選手(時事通信フォト)
《大坂なおみとも対戦》米・現役女子プロテニス選手、成人向けSNSで過激コンテンツを販売して海外メディアが騒然…「今まで稼いだ中で一番楽に稼げるお金」
NEWSポストセブン
(写真/共同通信)
《神戸マンション刺殺》逮捕の“金髪メッシュ男”の危なすぎる正体、大手損害保険会社員・片山恵さん(24)の親族は「見当がまったくつかない」
NEWSポストセブン
ジャスティン・ビーバーの“なりすまし”が高級クラブでジャックし出禁となった(X/Instagramより)
《あまりのそっくりぶりに永久出禁》ジャスティン・ビーバー(31)の“なりすまし”が高級クラブを4分27秒ジャックの顛末
NEWSポストセブン
愛用するサメリュック
《『ドッキリGP』で7か国語を披露》“ピュアすぎる”と話題の元フィギュア日本代表・高橋成美の過酷すぎる育成時代「ハードな筋トレで身長は低いまま、生理も26歳までこず」
NEWSポストセブン
野生のヒグマの恐怖を対峙したハンターが語った(左の写真はサンプルです)
「奴らは6発撃っても死なない」「猟犬もビクビクと震え上がった」クレームを入れる人が知らない“北海道のヒグマの恐ろしさ”《対峙したハンターが語る熊恐怖体験》
NEWSポストセブン
大谷が購入したハワイの別荘に関する訴訟があった(共同通信)
「オオタニは代理人を盾に…」黒塗りの訴状に記された“大谷翔平ビジネスのリアル”…ハワイ25億円別荘の訴訟騒動、前々からあった“不吉な予兆”
NEWSポストセブン