国際情報

「トランプと文在寅はとんでもない大統領だ」と大前研一氏

経営コンサルタントの大前研一氏

 アメリカの中間選挙は、上院で共和党、下院で民主党が過半数を握る「ねじれ状態」になった。韓国では、国際常識では考えられない「元徴用工」への賠償を命じる判決が出されている。それら二つの国のドナルド・トランプ大統領と文在寅大統領について、経営コンサルタントの大前研一氏が、比較し解説する。

 * * *
 9月下旬にニューヨークで開かれた北朝鮮に関する国連安全保障理事会閣僚級会合で、日本の河野太郎外相は、従来の議論を踏まえて、北朝鮮の核を含むすべての大量破壊兵器や弾道ミサイルの「完全で検証可能かつ不可逆的な廃棄(CVID)」の重要性を強く訴えた。

 ところが、トランプ大統領はその直後の選挙集会で、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長との関係について「恋に落ちた」「非常に気が合う」などと述べ、関係者を呆れさせた。

 さらに韓国の文在寅大統領にいたっては、同じく9月下旬の国連総会の演説で、金委員長が非核化に向けて積極的に取り組んでいると評価し、あろうことか「今度は国際社会が北朝鮮の新たな決断と努力に前向きに応える番だ」と国連の制裁決議に反する主張を展開した。これに対し、日本の主要マスコミは通り一遍の報道で、この文大統領の演説の異常さを指摘したところは少なかった。

 文在寅は、トランプとは別の意味で、とんでもない大統領だ。ソウルに無数のミサイルやロケット砲が向けられたままなのに、南北軍事境界線上の地雷や銃火器、監視所を撤去したことを“非武装化”と称して、いきなり南北統一に向かおうとしている。昨年まで核実験や弾道ミサイル実験を強行していた金委員長を「誠実で、経済発展のために核兵器を放棄すると私は信じている」と無防備に信用する発言もしている。

関連記事

トピックス

創価学会の「自民党離れ」は今年4月の衆院島根1区補選でも
【自公連立終焉へ】公明党の支持母体・創価学会の「自民党離れ」が進む 岸田首相の「解散やるやる詐欺」に翻弄され“選挙協力”は風前の灯火
週刊ポスト
殺人を犯すようには見えなかったという十枝内容疑者(Facebookより)
【青森密閉殺人】「俺の人生は終わった」残忍な犯行後にキャバクラに来店した主犯格の社長、女性キャストが感じた恐怖「怒ったり、喜んだり感情の起伏が…」近所で除雪手伝いの裏の顔
NEWSポストセブン
亡くなったことがわかったシャニさん(本人のSNSより)
《ボーイフレンドも毒牙に…》ハマスに半裸で連行された22歳女性の死亡が確認「男女見境ない」暴力の地獄絵図
NEWSポストセブン
長男・正吾の応援に来た清原和博氏
清原和博氏、慶大野球部の長男をネット裏で応援でも“ファン対応なし” 息子にとって雑音にならないように…の親心か
週刊ポスト
殺害された谷名さんの息子Aさん
【青森密閉殺人】手足縛りプラスチック容器に閉じ込め生きたまま放置…被害者息子が声を絞り出す監禁の瞬間「シングルで育ててくれた大切な父でした」
NEWSポストセブン
竹内涼真と
「めちゃくちゃつまんない」「10万円払わせた」エスカレートする私生活暴露に竹内涼真が戦々恐々か 妹・たけうちほのかがバラエティーで活躍中
女性セブン
史上最速Vを決めた大の里(時事通信フォト)
史上最速V・大の里に問われる真価 日体大OBに囲まれた二所ノ関部屋で実力を伸ばすも、大先輩・中村親方が独立後“重し”が消えた時にどうなるか
NEWSポストセブン
大谷が購入した豪邸(ロサンゼルス・タイムス電子版より)
大谷翔平がロスに12億円豪邸を購入、25億円別荘に続く大きな買い物も「意外と堅実」「家族思い」と好感度アップ 水原騒動後の“変化”も影響
NEWSポストセブン
被害者の渡邉華蓮さん
【関西外大女子大生刺殺】お嬢様学校に通った被害者「目が大きくてめんこい子」「成績は常にクラス1位か2位」突然の訃報に悲しみ広がる地元
NEWSポストセブン
杉咲花
【全文公開】杉咲花、『アンメット』で共演中の若葉竜也と熱愛 自宅から“時差出勤”、現場以外で会っていることは「公然の秘密」
女性セブン
京急蒲田駅が「京急蒲タコハイ駅」に
『京急蒲タコハイ駅』にNPO法人が「公共性を完全に無視」と抗議 サントリーは「真摯に受け止め対応」と装飾撤去を認めて駅広告を縮小
NEWSポストセブン
阿部慎之助・監督は原辰徳・前監督と何が違う?(右写真=時事通信フォト)
広岡達朗氏が巨人・阿部監督にエール「まだ1年坊主だが、原よりは数段いいよ」 正捕手復帰の小林誠司について「もっと上手に教えたらもっと結果が出る」
週刊ポスト