スポーツ

サッカー版「名球会」発足に 協会「うちとは関係ない」

 9月27日、サッカー版「名球会」の『日本サッカー名蹴会』が発足した。これに対し、なぜかサッカー協会内部から「これは協会に対する圧力団体ではないのか」と、警戒の声が上がっているという。

 名蹴会は、元日本代表のラモス瑠偉氏や柱谷哲二氏ら7人が発起人となって設立、会長には金田喜稔氏が就任した。名選手の功績を称え、サッカーを通じた社会貢献と日本サッカー界のさらなる普及・発展を目指すものとしているが、あるサッカー関係者によれば設立の背景にはこんな事情があるという。

「実情は著名なOBたちによる互助会です。南アW杯で盛り上がったのも一時だけで、サッカー解説の仕事もめっきり減り、タレント活動の機会も少なくなっていますからね。将来的に会員の年金制度を考えているのもそのため。要は早稲田・古河閥で固まった旧世代の協会に対し、自分たちでサッカー関係の食い扶持を確保しようというもの。そうした世代間闘争の意味もあるのです」
 
 そんな背景があるからか、名蹴会の入会基準を「練りに練られた線引き」というサッカー関係者もいる。基準は、
【1】国際Aマッチ50試合以上
【2】日本サッカーリーグ200試合以上
【3】Jリーグ1部と海外主要リーグの合計400試合以上出場

 の3つの条件のうちいずれかを満たすこと。発足メンバーの金田氏や木村和司氏が【1】で、ラモス氏が【2】でギリギリ条件を満たした一方で、川淵三郎名誉会長をはじめ、原博実技術委員長を除く幹部は資格がない。大仁邦彌副会長は、【1】が44試合とわずかに足りず、将来の協会会長候補の呼び声高い岡田武史前日本代表監督も、【2】が189試合で入会資格はない。
 
 さらに、この名蹴会に対し、協会が一番気にしているのがサッカー教室のことだという。

「協会でも『JFAこころのプロジェクト』と題し、OBによるサッカー教室を開いています。我々としては似た活動はしてほしくないが、名蹴会に協会の人間が少ないと、その声は無視されかねない。有名OBが名蹴会にこぞって入り、協会の活動を蔑ろにされては立場がない。そのうち日本代表の監督人事などで協会に対してモノ言う組織になるのではと恐れているのです」(日本サッカー協会関係者)
 
 サッカー協会に名蹴会との関係性を聞いたところ、「うちとは関係ないので特にお答えすることはございません。協力体制? 特にございません」(広報室)。このつれない返事が全てを物語っているようだ。

※週刊ポスト2010年10月8日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

お笑いトリオ「ジャングルポケット」の元メンバー・斉藤慎二。9ヶ月ぶりにメディアに口を開いた
【休養前よりも太ってしまった】元ジャンポケ斉藤慎二を独占直撃「自分と関わるとマイナスになる…」「休みが長かった」など本音を吐露
NEWSポストセブン
約40年、地元で愛された店がラーメンをやめる(写真提供/イメージマート)
《SNS投稿やグルメサイトの弊害》あっという間に人気飲食店になったことを嘆く店の人たち 問い合わせが殺到した中華料理店は電話を撤去、行列ができたラーメン店は閉店を決めた 
NEWSポストセブン
TOKIOの国分太一(右/時事通信フォトより)
《TOKIO解散後の生活》国分太一「後輩と割り勘」「レシート一枚から保管」の節約志向 活動休止後も安泰の“5億円豪邸”
NEWSポストセブン
大谷翔平の新投球スタイルを分析(Getty Images)
《二刀流復活》進化する“投手・大谷翔平” 「ノーワインドアップ」と「シンカーボーラーへの移行」の新スタイルを分析
週刊ポスト
中山美穂さんをスカウトした所属事務所「ビッグアップル」創設社長の山中則男氏が思いを綴る
《中山美穂さん14歳時の「スケジュール帳」を発見》“芸能界の父”が激白 一夜にしてトップアイドルとなった「1985年の手帳」に直筆で記された家族メモ
NEWSポストセブン
結婚式は6月26日に始まり3日間行われた(時事通信フォト)
《総額72億円》Amazon創始者ジェフ・ベゾス氏の豪華結婚式、開催地ベネチア住人は「億万長者の遊び場に…」と反発も「朝食17万円、プライベートジェット100機貸し切り」で市長は歓迎
NEWSポストセブン
藤川監督(左)の直訴を金田氏(右)が存命であればどう評したか
阪神・藤川球児監督の「練習着にハーフパンツ着用」直訴で思い出される400勝投手・金田正一さんの言葉「大投手になりたければふくらはぎを冷やしたらアカン」
NEWSポストセブン
「札幌のギャグ男」公式インスタグラムより
《特別支援学級編入を決断した当事者の声》「小3の知能で止まっている」と宣告された中学1年生が抱えた“複雑な思い”「母さんを楽にしてやれるって思ったんだ」
NEWSポストセブン
STARTO ENTERTAINMENTの取締役CMOを退任することがわかった井ノ原快彦
《STARTO社取締役を退任》井ノ原快彦、国分太一の“コンプラ違反”に悲しみ…ジャニー喜多川氏の「家族葬」では一緒に司会
NEWSポストセブン
仲睦まじげにラブホテルへ入っていく鹿田松男・大阪府議(左)と女性
石破“側近”大阪府連幹部の府議、本会議前に“軽自動車で45分ラブホ不倫” 直撃には「知らん」「僕と違う」の一点張り
週刊ポスト
国民民主党から公認を取り消された山尾志桜里氏の去就が注目されている(時事通信フォト)
「国政に再挑戦する意志に変わりはございません」山尾志桜里氏が国民民主と“怒りの完全決別”《榛葉幹事長からの政策顧問就任打診は「お断り申し上げました」》
NEWSポストセブン
中居正広氏と被害女性の関係性を理解するうえで重大な“証拠”を独占入手
【スクープ入手】中居正広氏と被害女性との“事案後のメール”公開 中居氏の「嫌な思いをさせちゃったね。ごめんなさい」の返事が明らかに
週刊ポスト