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『龍馬伝』弥太郎“怪死”に「クレーム一切ない」とNHK自信

 11月28日に最終回が放映されたNHKの大河ドラマ『龍馬伝』。龍馬暗殺シーンに愛媛県知事選の当選確実というテロップが流れ、NHKに抗議が殺到し話題になった。それ以外にも、ちょっとしたバトルが起きている。
 
 語り部であり、後に三菱財閥の総帥となった岩崎弥太郎が、「岩崎弥太郎死去」のテロップとともに、目を見開いて横たわる顔がアップになって幕を閉じたのだ。
 
 実際の弥太郎は病床で家族と部下に遺言を告げて息をひきとったわけだが、ドラマでの「創始者」の“怪死”は、三菱でも話題となった。三菱グループ中核企業の社員が語る。

「狂言回しの弥太郎が悶々と死んでいくシーンをラストに持ってくるのは何か意味があるのか。社員の間でも“あれはいらないだろう”と話題になったし、“NHKは三菱に恨みでもあるの?”なんていう人もいましたね」

 実はこの『龍馬伝』、当初から三菱との“因縁”を指摘されていた。放送開始間もない頃、土佐の浪人であった弥太郎が「必要以上に汚い」として、三菱グループがNHKにクレームをつけたと報じられたのだ(三菱グループ、NHKともに否定)。

 着物はボロボロ、歯は真っ黒で顔は煤け、手作りの鳥かごを背負って売り歩く姿はかなり衝撃的だった。

 子孫も眉をひそめたようで、弥太郎の玄孫(孫の孫)に当たる民主党の衆議院議員・木内孝胤氏が「娘が“こんなご先祖様イヤだ。学校でいえない”と嘆いていた」といえば、熊本大学名誉教授で曾孫の岩崎泰頴氏は「大学の同僚から“あんたの所の先祖は鳥かご売りをやっていたのか”とからかわれた」とおかんむり。
 
 因縁は件のテロップ事件にも及ぶ。その日、愛媛県知事で当選し、最重要シーンを台無しにし、妙な形で名前を売ってしまった中村時広氏は、三菱商事出身である。

 ちなみに同氏は、現在NHKで放送中の司馬遼太郎原作『坂の上の雲』の舞台となった松山市で市長を務めた。在任中は物語を軸としたまちづくりを進めてきたことから、NHKとも浅からぬ関係がある。

 そして、「怪死」シーンである。ここまで揃うと、三菱側から何か物言いがついてもおかしくないように感じる。NHKに問うと、「クレームは一切ありません」とした上で、衝撃の事実を明かした。

「テロップでは『岩崎弥太郎死去』と出しましたが、死んだときのシーンではありません。死ぬ数か月前のシーンです」――だが、あれは誰がどう見ても死んだようにしか見えないが……。

※週刊ポスト2010年12月17日号

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