国内

茂木健一郎氏 「地デジ化」に賛成で「地デジカ」を絶賛

 地上波テレビが「デジタル」に移行するというので、そのPRが行なわれている。この「地デジ化」についてのキャンペーンに、脳科学者の茂木健一郎氏もかかわっている。そこで茂木氏が考えたこととは…。

 * * *
 いろいろな議論があるようだが、私は「地デジ化」には賛成である。技術の進歩であるし、世界の趨勢。画質が圧倒的に良くなる。むしろ、日本の動きは遅すぎるくらいだと考えている。

 キャンペーンは大いにやるべきだし、そのためにはいろいろ工夫があるべきだと思っている。しかし、そこにも「組織の論理」が前面に出てしまうのが、いかにも日本的な光景のようだ。

 今年の夏、「地デジ化」終了まであと一年ということで、イベントが行なわれた。原口一博総務大臣(当時)も出席した大がかりなもので、関係者の意気込みが感じられた。

 問題は、そのイベントの構成の仕方である。NHK、民放、それから、テレビなどの関連機器を作る業界。さまざまな「団体」のトップが次々と出てきて挨拶する。「地デジ化」にかかわる日本の「組織地図」の要約を見るかのような思いだった。

「地デジ化」が本当に日本国民全体にとっての課題だと考えるならば、もっと他の見せ方があったことだろう。そもそも、肩書きとか組織などは関係ない。業界や関連団体の論理を積み上げるのは、内輪の都合であって、ほとんどの国民にとっては意味がない。

「地デジカ」という、親しみやすい、かわいいシカのキャラクターを作るとか、そういう努力は素晴らしい。しかし、せっかくの「地デジ化まで一年」のイベントは、関連組織の長がその肩書きで登場する、相変わらずの「古い日本」そのものだった。

※週刊ポスト2010年12月24日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

愛子さまが佳子さまから学ぶ“ファッション哲学”とは(時事通信フォト)
《淡いピンクがイメージカラー》「オシャレになった」「洗練されていく」と評判の愛子さま、佳子さまから学ぶ“ファッション哲学”
NEWSポストセブン
年下の新恋人ができたという女優の遠野なぎこ
《部屋のカーテンはそのまま》女優・遠野なぎこさん急死から2カ月、生前愛用していた携帯電話に連絡すると…「ポストに届き続ける郵便物」自宅マンションの現在
NEWSポストセブン
背中にびっしりとタトゥーが施された犬が中国で物議に(FB,REDより)
《犬の背中にびっしりと龍のタトゥー》中国で“タトゥー犬”が大炎上、飼い主は「麻酔なしで彫った」「こいつは痛みを感じないんだよ」と豪語
NEWSポストセブン
(インスタグラムより)
《“1日で100人と寝る”チャレンジで物議》イギリス人インフルエンサー女性(24)の両親が現地メディアで涙の激白「育て方を間違ったんじゃないか」
NEWSポストセブン
羽生結弦が主催するアイスショーで、関係者たちの間では重苦しい雰囲気が…(写真/AFLO)
《羽生結弦の被災地公演でパワハラ告発騒動》アイスショー実現に一役買った“恩人”のハラスメント事案を関係者が告白「スタッフへの強い当たりが目に余る」
女性セブン
藤澤五月さん(時事通信フォト)
《五輪出場消滅したロコ・ソラーレの今後》藤澤五月は「次のことをゆっくり考える」ライフステージが変化…メンバーに突きつけられた4年後への高いハードル
NEWSポストセブン
石橋貴明、現在の様子
《白髪姿の石橋貴明》「元気で、笑っていてくれさえすれば…」沈黙する元妻・鈴木保奈美がSNSに記していた“家族への本心”と“背負う繋がり”
NEWSポストセブン
『ここがヘンだよ日本人』などのバラエティ番組で活躍していたゾマホンさん(共同通信)
《10人の子の父親だったゾマホン》18歳年下のベナン人と結婚して13年…明かした家族と離れ離れの生活 「身体はベナン人だけど、心はすっかり日本人ね」
NEWSポストセブン
イギリス出身のインフルエンサーであるボニー・ブルー(本人のインスタグラムより)
「タダで行為できます」騒動の金髪美女インフルエンサー(26)が“イギリス9都市をめぐる過激バスツアー”開催「どの都市が私を一番満たしてくれる?」
NEWSポストセブン
ドバイのアパートにて違法薬物所持の疑いで逮捕されたイギリス出身のミア・オブライエン容疑者(23)(寄付サイト『GoFundMe』より)
「性器に電気を流された」「監房に7人、レイプは日常茶飯事」ドバイ“地獄の刑務所”に収監されたイギリス人女性容疑者(23)の過酷な環境《アラビア語の裁判で終身刑》
NEWSポストセブン
Aさんの乳首や指を切断したなどとして逮捕、起訴された
「痛がるのを見るのが好き」恋人の指を切断した被告女性(23)の猟奇的素顔…検察が明かしたスマホ禁止、通帳没収の“心理的支配”
NEWSポストセブン
指定暴力団六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
【七代目山口組へのカウントダウン】司忍組長、竹内照明若頭が夏休み返上…頻発する「臨時人事異動」 関係者が気を揉む「弘道会独占体制」への懸念
NEWSポストセブン